横浜の中小企業診断士 中原央です。
やはり昨日は1日、いいお天気でした。
今日の横浜は昨日、おとといと比べるとややおとなしめですが、初夏の日差しが降り注ぐ予感がするお天気です。
今回はモルヒネについて触れてみます。
がんによる痛みはかなり強く感じます。モルヒネは麻薬ですが、「麻薬=常習性=危ない薬」というようなイメージが着いて回りますが、きちんとコントロールしていけば、鎮痛剤としての効果は非常に高いものがあります。
入院の初期からモルヒネは処方されていました。8時間ごとにきっちり飲むものとしてオキシコンチン(オキシコドン塩酸塩、アヘンアルカロイド系麻薬=徐放製剤)、急激な痛みの発生に対しては頓用として液体のオプソ(塩酸モルヒネ)を処方されました。
(モルヒネについては3月28日付の朝日新聞30面にも掲載されています)
正直なところ、痛みはかなり強かったです。まともな食事なんてとてもじゃないが出来ない、そんな状態です。
入院していると楽しみもなく、食事が唯一の楽しみ、なんて人もいるくらい、食事の時間は楽しそうにしている人が多いんですが、口腔がんの患者にとって食事の時間というのは、本当に苦痛の時間といってもいいくらいの状態でした。
当初大部屋でしたが、4人のうち3人はがん患者。配膳されるとまずため息をついて、しばらくトレーに触れもしないで眺めている、そんな感じです。
一人だけ眼科の患者がいるのですが、まあ食べるのが早いこと。うらやましいくらい、うまそうに食べていました。
ですががんによる痛みと、抗がん剤と放射線照射による副作用として発生している口内炎の痛みとわからなくなっているというのが実情でした。
私の場合、入院の後半に入ったところで鎮痛薬(ロキソプロフェン、ボルタレン)に切り替えてもらいました。
モルヒネはたいして効かないという印象で、よほどの強い痛みが出たときに、頓用として使うことにしました。
チームドクターから、モルヒネを処方されたとき、かなり初期のころでしたが、強い便秘が副作用として必ず出現するという説明を受けました。
前に植皮術を受けたとき、数日間は低残渣食を出され、およそ1週間経って後にかなり硬い、しかししっかりとした便通がありました。
なので少しいきめば何とか出る、1週間ぐらい便通がないだけというような決め付けをしていましたが、とんでもありません。
下行結腸から直腸に便が進んでくると便意を催し、直腸と結腸の収縮作用で便通となるのですが、塊が直腸で留まってしまいます。
担当看護婦は、このときにはまず座薬を入れてくれました。すべりを良くし、排出しやすくする作用があるという説明でした。
ところがまったく効果がありません。便意はさらに強くなってきます。いても立ってもいられないという状況なのですが自力ではどうにもなりません。
次に、病棟には必ず設置されているマルチタイプのトイレで、浣腸剤として使われている微温湯を注入してくれたものの、直腸に便が詰まっていて、微温湯自体が中に入っていかないのです。
直腸内の容積を超えるぐらいの量の塊があって、微温湯が入る隙間がないのです。何とか入れてくれたのですが、すぐに微温湯だけが全部もれ出てしまい、使い物にはなりませんでした。
結局は看護婦に出て行ってもらい、自分で対処することにしました。自分の手で摘便(直腸内の硬便をかき出すこと)をしたのです。
まず使い捨てのビニール手袋を何枚かもらい、処方されていたキシロカインゼリー2%を指につけて直腸内へ。
キシロカインゼリー 表面麻酔のほか粘滑剤として利用
クラスター状に固まっているのがわかり、それを少しずつ(一粒ずつ)ほぐしながら外へ掻きだします。
担当看護婦が心配して様子を伺いに来てくれたけれど、とにかく自分でやる! ほかのことで迷惑をかけているんだから、さらにうんこまみれにさせたら申し訳ない。そう思いながら何とか続けました。
何回も繰り返しながら、直腸内にたまった便を掻き出し、最後は直腸の排出する力で排出。排便という、普段何気なくしている生理現象をこんなにありがたいと思ったことはありません。残った分も、もう一度掻きだすようにして全部排出。3キロほど体が軽くなりました。
この日は2時間かかり、すごく疲れました。
結局この日を含めて入院中に3回、退院してからも薬の影響が残り、自宅でも1度摘便をしました。
新聞などの紹介でモルヒネをうまく使えというような記事は見かけますが、強烈な便秘という副作用を紹介している記事を目にしたことはありません。
痛みの度合いとの兼ね合いももちろんありますが、大体の鎮痛薬が適応するならば、モルヒネは使わないに越したことはないと強く感じたところです。
むしろ症状(状況)に応じて、他の薬剤との柔軟な組み合わせを提案してくれるほうがよいかもしれません。
記事一覧
舌癌の治療0・きっかけ
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/c5e17fbe1ee786fc0fadcfbbf22d0d0e
舌癌の治療1・異変から告知まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/efd242b5df4ea30e53fc6066633a0601
舌癌の治療2・治療方針の検討から入院まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/55432e45744fddeceaead290657d0c88
舌癌の治療3・どんな治療法か、入院からカテーテル設置まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/a42105dec7d382db15e59588b4af03a5
舌癌の治療4・抗がん剤、放射線治療の開始
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/0291a1d0a2194c9c5811d5c0fb7cf6f5
舌癌の治療5・抗がん剤、放射線の副作用
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/5db8bf27138ee0c482b83bc1c048bd2e
舌癌の治療6・モルヒネとがん性疼痛
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/6d61ad384fd8ce44fc1dddbfa2a40c0e
舌癌の治療7・栄養の補給
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/a3114839075c8dcb88c6c50d1e3b6a22
舌癌の治療8・治療を終えての感想
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/b1ac42ba895c04e301024820388a7719
やはり昨日は1日、いいお天気でした。
今日の横浜は昨日、おとといと比べるとややおとなしめですが、初夏の日差しが降り注ぐ予感がするお天気です。
今回はモルヒネについて触れてみます。
がんによる痛みはかなり強く感じます。モルヒネは麻薬ですが、「麻薬=常習性=危ない薬」というようなイメージが着いて回りますが、きちんとコントロールしていけば、鎮痛剤としての効果は非常に高いものがあります。
入院の初期からモルヒネは処方されていました。8時間ごとにきっちり飲むものとしてオキシコンチン(オキシコドン塩酸塩、アヘンアルカロイド系麻薬=徐放製剤)、急激な痛みの発生に対しては頓用として液体のオプソ(塩酸モルヒネ)を処方されました。
(モルヒネについては3月28日付の朝日新聞30面にも掲載されています)
正直なところ、痛みはかなり強かったです。まともな食事なんてとてもじゃないが出来ない、そんな状態です。
入院していると楽しみもなく、食事が唯一の楽しみ、なんて人もいるくらい、食事の時間は楽しそうにしている人が多いんですが、口腔がんの患者にとって食事の時間というのは、本当に苦痛の時間といってもいいくらいの状態でした。
当初大部屋でしたが、4人のうち3人はがん患者。配膳されるとまずため息をついて、しばらくトレーに触れもしないで眺めている、そんな感じです。
一人だけ眼科の患者がいるのですが、まあ食べるのが早いこと。うらやましいくらい、うまそうに食べていました。
ですががんによる痛みと、抗がん剤と放射線照射による副作用として発生している口内炎の痛みとわからなくなっているというのが実情でした。
私の場合、入院の後半に入ったところで鎮痛薬(ロキソプロフェン、ボルタレン)に切り替えてもらいました。
モルヒネはたいして効かないという印象で、よほどの強い痛みが出たときに、頓用として使うことにしました。
チームドクターから、モルヒネを処方されたとき、かなり初期のころでしたが、強い便秘が副作用として必ず出現するという説明を受けました。
前に植皮術を受けたとき、数日間は低残渣食を出され、およそ1週間経って後にかなり硬い、しかししっかりとした便通がありました。
なので少しいきめば何とか出る、1週間ぐらい便通がないだけというような決め付けをしていましたが、とんでもありません。
下行結腸から直腸に便が進んでくると便意を催し、直腸と結腸の収縮作用で便通となるのですが、塊が直腸で留まってしまいます。
担当看護婦は、このときにはまず座薬を入れてくれました。すべりを良くし、排出しやすくする作用があるという説明でした。
ところがまったく効果がありません。便意はさらに強くなってきます。いても立ってもいられないという状況なのですが自力ではどうにもなりません。
次に、病棟には必ず設置されているマルチタイプのトイレで、浣腸剤として使われている微温湯を注入してくれたものの、直腸に便が詰まっていて、微温湯自体が中に入っていかないのです。
直腸内の容積を超えるぐらいの量の塊があって、微温湯が入る隙間がないのです。何とか入れてくれたのですが、すぐに微温湯だけが全部もれ出てしまい、使い物にはなりませんでした。
結局は看護婦に出て行ってもらい、自分で対処することにしました。自分の手で摘便(直腸内の硬便をかき出すこと)をしたのです。
まず使い捨てのビニール手袋を何枚かもらい、処方されていたキシロカインゼリー2%を指につけて直腸内へ。
キシロカインゼリー 表面麻酔のほか粘滑剤として利用
クラスター状に固まっているのがわかり、それを少しずつ(一粒ずつ)ほぐしながら外へ掻きだします。
担当看護婦が心配して様子を伺いに来てくれたけれど、とにかく自分でやる! ほかのことで迷惑をかけているんだから、さらにうんこまみれにさせたら申し訳ない。そう思いながら何とか続けました。
何回も繰り返しながら、直腸内にたまった便を掻き出し、最後は直腸の排出する力で排出。排便という、普段何気なくしている生理現象をこんなにありがたいと思ったことはありません。残った分も、もう一度掻きだすようにして全部排出。3キロほど体が軽くなりました。
この日は2時間かかり、すごく疲れました。
結局この日を含めて入院中に3回、退院してからも薬の影響が残り、自宅でも1度摘便をしました。
新聞などの紹介でモルヒネをうまく使えというような記事は見かけますが、強烈な便秘という副作用を紹介している記事を目にしたことはありません。
痛みの度合いとの兼ね合いももちろんありますが、大体の鎮痛薬が適応するならば、モルヒネは使わないに越したことはないと強く感じたところです。
むしろ症状(状況)に応じて、他の薬剤との柔軟な組み合わせを提案してくれるほうがよいかもしれません。
記事一覧
舌癌の治療0・きっかけ
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/c5e17fbe1ee786fc0fadcfbbf22d0d0e
舌癌の治療1・異変から告知まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/efd242b5df4ea30e53fc6066633a0601
舌癌の治療2・治療方針の検討から入院まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/55432e45744fddeceaead290657d0c88
舌癌の治療3・どんな治療法か、入院からカテーテル設置まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/a42105dec7d382db15e59588b4af03a5
舌癌の治療4・抗がん剤、放射線治療の開始
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/0291a1d0a2194c9c5811d5c0fb7cf6f5
舌癌の治療5・抗がん剤、放射線の副作用
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/5db8bf27138ee0c482b83bc1c048bd2e
舌癌の治療6・モルヒネとがん性疼痛
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/6d61ad384fd8ce44fc1dddbfa2a40c0e
舌癌の治療7・栄養の補給
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/a3114839075c8dcb88c6c50d1e3b6a22
舌癌の治療8・治療を終えての感想
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/b1ac42ba895c04e301024820388a7719
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