goo blog サービス終了のお知らせ 

読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

高田郁「残月 みをつくし料理帖」

2021年04月28日 | た行の作家


ハルキ文庫
2013年6月 第1刷発行
2017年5月 第15刷発行
314頁

みをつくし料理帖シリーズ 第八弾

残月 ―― かのひとの面影膳
彼岸まで ―― 慰め海苔巻
みくじは吉 ―― 麗し鼈甲珠
寒中の麦 ―― 心ゆるす葛湯
特別収録 ―― 秋麗の客

吉原の大火で又次を失った喪失感の中、新たな道を歩み始めるつる家の面々
芳と澪が江戸へ出てきてからずっと同じ長屋で暮らしてきた伊佐三とおりょう一家が伊佐三の親方の家に同居することになり「いつまでも同じでは居られない」寂しさと時の流れを実感する2人でした
ある日、医師の源斎の計らいで吉原再建まで仮住まいをしている家であさひ太夫=野江との再会が叶う澪
しかし、野江として澪と再会したいというあさひ太夫の手前、幼馴染としてではなく、ひとりの料理人として、今のあさひ太夫に欠けている「ものを美味しく食べる気力を養う」ため暫し時を共に過ごし語りあいます
ここの7頁余りはティッシュが手放せませんでした
様々な苦難を乗り越えてきたあさひ太夫を身請けする日のため、あれこれ考える澪
経営者としての片鱗もみえ、料理人としてだけでなく、ひとりの人間として、ずいぶんとしっかりしてきたと思いました
そして驚くことに芳に一柳の店主から自分のところに来て欲しいという申し出が!
再婚するということは亡き夫・嘉兵衛の遺言である天満吉兆の再興を諦めることになりますし、行方知れずになったひとり息子・佐兵衛のこともあり決心できないでいる芳の背中を押してくれたのは、またまたりうばあさんの言葉
「子の幸せと親の幸せを混同しないことです。いっぱしに成長したなら、子には自力で幸せになってもらいましょうよ。そして、親自身も幸せになることです。ひとの幸せってのは、銭のあるなし、身分のあるなしは関係ないんです。生きていて良かった、と自分で思えることが何より大事なんですよ」

第七弾「夏天の虹」で散々辛い思いをした澪に明るい希望がみられる第八弾
ほっとしました





最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
一柳の (narkejp)
2021-04-28 10:27:43
柳吾さんはかなり唯我独尊のところがあるし、芳さんは大丈夫かと懸念しつつ、まあ良かったのではなかろうかという気分でした。意外に相性は悪くなかったようで何よりです。もっとも、ここでまた波乱があったら10巻で終わらなくなってしまいますが(^o^)/
子の幸せの件、だいぶ以前に若い二人から結婚相談を受けたことがあり、親の面倒をみる心配の前に、まず自分たちが幸せになろうと決心することが第一だろう、と話したことを思い出しました。彼らはすでに三児の親、それぞれ活躍中のようでなによりです。
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/b0545492cca79c7254ccc47374d60100
返信する
narkejpさん (こに)
2021-04-29 12:49:03
柳吾一人でなく奉公人たちも芳を「この人なら」と認めたのも良かったですよね。
そうそう、佐兵衛は料理人の道には戻らないのかな~~~?
源斎先生と佐兵衛の先が気になります^^

相談を受けたというお二人、今は幸せに暮らしておられるのですね。人生の先輩としては一安心といったところでしょうか。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。