集英社文庫
2014年11月 第1刷
解説・石井光太
272頁
異郷の地で亡くなった人は一体どうなるのか
国境を越えて遺体を故国へ送り届ける仕事が存在します
どんな姿でもいいから一目だけでも最後に会いたいと願う遺族に寄り添い、一刻も早く綺麗な遺体を送り届けたいと奔走する“国際霊柩送還士”
彼らを追い、愛する人を亡くすことの悲しみや、死のあり方を真正面から見つめる感動作
その仕事に携わる人達の思いと葬儀のあり方について、遺族にとってのお見送りとは何か、様々なことを考えさせられました
でも、こればかりは考えたところで実際に自分がその立場にならなければ分からないことばかりと思います
何年か先か、数か月先か、明日か、いつかその日が来たら本書を思い出して落ち着いた対応が出来れば、と考えますが、きっと無理でしょうね
米倉涼子さん主演のドラマを観て原作も読んでみようと手に取りました
本書ですら遺族の方々の強硬な拒否にあったものをよくドラマ化できたものです
米倉さんが演じたのはエアハース・インターナショナル株式会社の社長・木村理恵さん
気が強くて仕切屋で、とことん仕事をやり遂げる姿はご本人とドンピシャ重なります
佐々さんは東日本大震災の被災地に入り、震災当日の様子を文字にした「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」を読んでいます
素晴らしいノンフィクションでしたが、本書もまた素晴らしい1冊でした
佐々さんは、2024年9月に悪性脳腫瘍でお亡くなりになりました
心からお悔やみ申しあげます
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