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おうち映画(海外)を5本

2019年05月24日 | 映画(海外)

 

「オリーブの林をぬけて」
原題 ZIRE DARAKHATAN ZEYTON
1994年 イラン
【シネフィルWOWOW】 

アッバス・キアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」「そして人生はつづく」の続編
ジグザグ道三部作の最後を飾る作品です

テヘランから北へ350kmほどの北の村で映画監督(モハマッド・アリ・ケシャヴァーズ)は娘役を選ぶためたくさんの娘たちを集めます
その中の美しい娘タヘレ(タヘレ・ラダニアン)を役に決定し、助監督のシヴァ(ザリフェ・シヴァ)が彼女に色々と指導することになります
タヘレはシヴァの言うことを聞かず自分勝手だし、撮影用の小道具は揃わないし、とにかくシヴァの苦労たるや大変なものです
タヘレと夫役・ホセイン(ホセイン・レザイ)のシーンは何故かぎこちなく度々中断されますが何とか撮り終えることができました
裏には色々事情があるようで…
夫役のホセインは、決まっていた役者が緊張の余り台詞が言えないため急遽抜擢された本来は雑用係の男性で、撮影の合間にも当然のように雑用を言いつけられて気の毒なんてものではありませんでした
そんなこんなでトラブル続きの中、映画撮影は続けられます 

「そして人生はつづく」の中で監督を演じた俳優がカメラの前で演技し、その作品の監督役として別の男性が登場するという入子構造
いつもの如く、創作なのかドキュメンタリーなのか混乱しそうな内容です

ラスト、オリーブの林を抜けていくタヘレとホセインをそっと見守るカメラからは“人間賛歌”を感じる作品でした

 

 

 

 

 

「ハーフネルソン」
原題 HALF NELSON
2006年 アメリカ
【ムービープラス】 

ニューヨーク、ブルックリンの中学校で歴史を教えているダン(ライアン・ゴズリング)
型破りな授業で生徒たちから人気を集めていますが、私生活ではドラッグ中毒から抜け出せず苦悩の日々を送っていました
ある日、放課後のトイレでドラッグを使用しているところを教え子のドレイ(シャリーカ・エップス)に見られてしまいます
ドレイは刑務所に入っている兄の代わりにドラッグディーラーから運び屋を頼まれる(有無を言わさずやらされる)など、劣悪な環境の中で暮らしており、ダンは彼女を救おうとします
自らがドラッグ中毒なのにドレイを救おうとは、どういうことか?
そういった矛盾は脇に置いておいて
ライアン・ゴズリングとシャリーカ・エップスの動きより表情で語る静かな演技に惹きこまれました
ジョークで終わるラストシーンには驚きました
今は底辺にいる二人ですが、未来に希望が見えそうな終わり方が良かったです

 

 

 

 

「ブルーム・オブ・イエスタディ」
原題 DIE BLUMEN VON GESTERN
2016年 ドイツ、オーストリア
【スターチャンネル BS10】 

祖父がナチスの戦犯でその罪と向き合うためにホロコースゴ研究に人生を捧げるドイツ人のトト(ラース・アイディンガー)
ユダヤ人の祖母がナチスの犠牲者で親族の無念を晴らすためホロコースト研究に青春を捧げるフランス人のザジ(アデル・エネル)
きっかけは真逆ですが同じ目的のためアウシュビッツ会議を企画することになった2人は当初は反発し合うものの過去を検証する旅で意外な事実が発覚し、距離が少しずつ縮まっていきます 

ホロコーストの描き方にこのような手法もあるのですね
しかし、2人が講演を依頼しに行った元女優のひと言ひと言はキツかったです
実際の経験者である元女優と親族が経験者だったという2人の間にある距離はいかんともしがたいものがあります
欧米に比べて日本の戦争映画は『甘い』
そんな印象を持ちました

 

 

 

 

「ボヴァリー夫人」
原題 MADAME BOVARY
2014年 ドイツ、ベルギー、アメリカ
【シネフィルWOWOW】 

原作 ギュスターブ・フローベール「ボヴァリー夫人」

修道院で育ったエマ(ミア・ワシコウスカ)は年上の医師、チャールズ・ボヴァリー(リス・エヴァンス)と結婚しますが、抱いていた理想とは大きくかけ離れた結婚生活に失望し、やがて浪費と不倫に溺れるようになっていきます

原作は未読です

ただの男好き、浪費家の女性の話と思っていたのですがかなり違うようです
複雑な女性心理をミア・ワシコウスカが上手く表現しています 

夫がもっとエマの声に耳を傾けていてくれたら、エマも夫を理解しようと努力していたなら、このような破滅には至らなかったのではないでしょうか

エマを食い物にしたうえ保身に走った男たちこそ憎むべき存在です!
エマと芸術の嗜好が同じ青年・レオン(エズラ・ミラー)だって、最初は心が通じあっていたはずなのに最後はね…

 

 

 

 

「雨のニューオリンズ」
原題 THE PROPERTY IS CONDEMNED
1966年 アメリカ
【シネフィルWOWOW】 

1930年代、アメリカ南部、ミシシッピ州の小さな町
鉄道会社従業員のリストラのために本社からやってきたオーウェン(ロバート・レッドフォード)は滞在する下宿屋の娘・アルバ(ナタリー・ウッド)と愛し合うようになります
しかし、不況風の吹き荒れる中、下宿屋の将来は暗いと判断したアルバの母親は娘を金持ちと結婚させて下宿屋を閉めて楽をしようと目論んでいました
町を飛び出したアルバは本社に戻ったオーウェンとニューオリンズの小さな部屋で暮らし始めますが、幸せな日々は長くは続かないのでした 

心からオーウェンを愛し、田舎町を出て彼と暮らしたかっただけのアルバ
純粋すぎて要領よく立ち回れなかった彼女が気の毒でしたし、若さ故にそんな彼女を鷹揚に受け止められなかったオーウェンの後悔も切なかったです
若き、ロバート・レッドフォードとナタリー・ウッドの魅力が十分に発揮されていました 

冒頭とラストに登場するアルバの妹、姉・アルバの赤いドレスを着た彼女に物語を語らせる演出が心憎いです

そうそう、チャールズ・ブロンソンが出ていますが、リストラ対象の粗暴な男役で勿体ないように思いました
この頃はまだ評価が低かったのかしら^^

 

 

 


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