2014年 日本
東北の小さな山村・小森(リトル・フォレスト)で独り暮らしをしているいち子(橋本愛)・21歳
高校を出てから都会で彼氏と暮らしていたが、彼女の性格が邪魔をしたのか上手くいかず故郷に戻ってきた
『逃げ戻ってきた』という自覚はあるものの、まだ自分とは向き合えていない様子
とりあえずは実家で自給自足に近い暮らしをしている
母親(桐島かれん)がいるが数年前に家を出たらしい
父親のことなど、詳しいことは来年公開の冬・春編で明らかになるのでしょうか
稲を育て、畑仕事をし、野山で採った季節の食材、魚や鴨を自らの手で処理して毎日の食事を作る
いち子の手や指先が食材を慈しみつつ人が口にするものに変えていく行程が丁寧に描かれていきます
そして、いち子の食べ方がまた良いのです
豪快に食べるのではありません
食物への感謝が伝わってきます
口や顎の動かし方が美しく、品の良い食べ方の見本のようです
橋本愛さんのキリリと締った口元に見惚れてしまいました
好きな女優さんのひとりです
ストーリー展開は遅々としていてほとんど前に進みません
日々の野良仕事や、分校の後輩・ユウ太(三浦貴大)、親友のキッコ(松岡茉優)、キャンプ場のシゲユキ(温水洋一)、村のお年寄りたちとの会話を通じて深く内省するいち子
同じように都会から戻ってきたユウ太には考えさせられるところが多いようです
三浦貴大さんの少し陰のある雰囲気は百恵さんを思い出させますね
秋も深まった頃、いち子が着ていた温かそうな毛糸のベストが気になりました^^;
ウスターソース、ミズとろろ、自家製ホールトマト、くるみごはん、栗の渋皮煮、干し芋などなど
私でも作れそうな献立が紹介されます
まずは、ひと手間かけて筋を取った青菜炒めを作ってみようかな
ナレーションは橋本愛さんご自身
少し成長したいち子が、あの頃の自分を客観的に眺めているような雰囲気で
特に印象に残るのは小森の風景に重なって流れる冒頭ナレーションです
ちょっと疲れたと感じたら、いち子のように空を見上げてみましょうか
いち子も翌年の春には何か新しい道を見つけるのか
ともかく冬・春編の公開が待ち遠しいです
こういう作品って、出演者の人柄もしっかり出ちゃいますから、
彼女が作品にちゃんと向き合ったということが伝わってきて、良かったです。
>詳しいことは来年公開の冬・春編で明らかになるのでしょうか
そんな余韻も残していましたね。
森監督の上手さだと思いました。
ますます好きになりました。
とても勘の良さそうな女優さんですね。
お料理だけじゃなく、チェーンソー、草刈や薪割りなども自分で演じておられて感心しました。
早く冬・春編が観たいですね!