今は昔 竹取の翁という者ありけり
野山にうちでて竹をとりつつ
よろずのことにつかいけり ~竹取物語~
かぐや姫のアニメ映画を観に行きました。
人肌のぬくもりを感じるやさしい絵は、従来の読みつがれている竹取物語を大切にしている思いが伝わってきました。
かぐや姫は思春期の女の子の心性に通ずるものを感じる。
純粋で一途な思い、けっして妥協したり濁ることを許さず人を払いのける、時には人を追い込んでしまうような高潔さ。
あとから、そういう結果をだしてしまった自分に自己嫌悪する。
そういう感じ。
竹林と月。
以前、森見 登見彦さんの『美女と竹林』の小説を読んだ。
竹林を純粋に讃えた文章がちりばめられ、なんだかわからないがドキドキした。
竹林と月は、なよたけと表現されるような女性の柔軟さ、猫の目のような先が読めない女性のミステリアスさを感じさせる。
かぐや姫は天女だったとか。罰を受けて、地球におろされたのだとか、そういう話ですね。
どんな罰だったのだろう。。。お話では、地球にあこがれてしまったということになっていたけれど。
地球は緑と青できれいだけど、それだけじゃない。悲しみや苦しみ、喜び、、、色んな感情がうずまいている。
それを感じるためだったのだろうか。
わたしがかぐや姫が好きなのは、シンデレラや白雪姫が最後に王子様と結婚するけれど、かぐや姫は時の帝にまで求婚されるけれど、いさぎよく月に帰っていくところ。
そこが日本人的だと思う。鶴の恩返しみたいに。最後はふわっと美しくきえるみたいな。
この物語が生まれた、日本という国に生まれて本当に良かったなって思う。
自分の中の深い魂の底に眠っている、元型(アーチタイプ)が呼び起されるみたいな。
エンディングの歌がとてもよかった。
前世とか未来とか、人の別れとか出会いとか。。
思いをはせれる、素敵な歌詞でした。