パチリズム!

下手の横好き将棋指しの、将棋関連ブログです。

乙女すぎる将棋グッズを考えてみるも歴史の壁にあえなく撃沈

2012-07-23 21:27:24 | 将棋

 ゼクシィ9月号の付録が今、ネットを中心にちょっとした話題になっています。女性誌の付録といえば普通バッグやアクセサリーなんかが相場だろうと思うのですが、ゼクシィ9月号の付録はなんと『乙女すぎるドライバーセット』。この斜め上感。『国民の生活が第一』党に勝るとも劣りません。

 

 何故、こんなことになってしまったのか。そこにはおそらく凄まじい葛藤があったのであろう、と私は想像します。読者の皆さんには他に無いものを提供したい、でも予算には限りがある、ゼクシィのカラーとはそもそもなんだろうか、それはこれから家庭を持つあるいは持とうとしている女性が読む雑誌であること、それならば装飾品よりもむしろ家庭的なアイテムがいいのでは? 家庭的な、そうあまりにも家庭的な何か……そうだ! ドライバーセットがあった! という具合に。

 

 彼ら(彼女ら?)の判断を笑うことは簡単です。しかし、結婚情報誌にあえてドライバーを付録につける。このフロンティア精神はもっと評価されてもいいのではないでしょうか。限りなく勝ち味の薄い賭けであることを知りながら、あえて持てる全てをドライバーに賭けたのです。そう考えれば、なんだか心が震えてくるではありませんか!

 

 そこで単に将棋ファンであるというだけで別に将棋連盟に何の利害関係も無い私が、『乙女すぎる将棋グッズ』を勝手に考えてみることにしました。もちろん、大ヒットの暁にはそれ相応のロイヤリティーをふんだくってやろうという算段であります。

 

 しかし、これが意外と難しい。というのも、乙女チックにしたい将棋グッズというのがなかなか無いのです。

 

 待て待て、将棋グッズといえばまず駒だろう、という向きもあろうかとは存じますが、女性をターゲットにした駒の開発はすでに散々行われているのであります。新しいところではショウギショコラなんかがあることからも分かるように、駒はとにかく激戦区。それでも爆発的なヒットを起こすには至っていない(どうぶつしょうぎは売れたと思いますが、あれはそもそもルールからして違います)ことを考えると、駒に手を出すべきではないと思います。

 

 将棋盤も駒と同じく、様々な改良が行われてきた激戦区。あまり上積みは期待できません。かといって、脇息や駒台なんかそもそも日本で二千人使っているかどうかも疑わしいというのに、乙女チックにしたところで一体誰が買うというのか。

 

 しかし散々考えたあげく、私はついに思いつきました。扇子があるじゃないかと。扇子は厳密には将棋グッズとはいえません。しかし、日常生活で扇子を使う人がどんどん減っていることもあって、「扇子は将棋グッズです!」と強く主張したらだまされる人もいるかもしれません。そしてなにより扇子を優雅に扇いでいる様は非常に絵になり、アクセサリー性豊かです。扇子、君に決めた!

 

 では乙女すぎる扇子というのはどんな扇子なのか。単に綺麗な扇子というのは既にありますので、乙女すぎる扇子とはいえません。あえて『乙女すぎる』を付けるからにはいかにも女子っぽいアイテムでなければ! そういえば最近、携帯ゲーム機などをラインストーンでデコるのが流行っていますね! 骨組みの部分は色とりどりのラインストーンで縁取りましょう! 貼ってある紙はもちろん原色のピンクでハデハデラメラメに! 真っ赤なファーなんか付けちゃっても可愛いかも! それからそれから……

 

 ……いや、駄目だろソレ……ジュリアナじゃん……。そうか、乙女過ぎる扇子は二十年前から既にあったのか……。


将棋初心者を脱するために大切な五つのこと

2012-07-21 15:35:56 | 将棋

 

 今日ははてなブックマークの人気エントリー風にまとめてみました。

 

 

 1.テーマを持って将棋を指す。

 

 ただ闇雲に将棋を指していてもなかなか上達しづらいものです。そういうときはなにか簡単なテーマを設定して将棋を指してみるといいかもしれません。『飛車を活用させる』など本当に簡単で抽象的なものでもいいのです。そうすれば、「飛車先を銀で守られたから棒銀を目指してみよう」「棒銀がうまくいかなかった。何故だろう?」などと思考がどんどん具体的になっていきます。

 

 将棋盤は狭いようで非常に広い世界。テーマもなしに将棋を指すことは、その広い世界を丸ごと把握してしまおうとするようなものです。よほど計算力に自信のある人以外は、テーマを設定することで考える範囲をある程度せまくして、具体的に思考するのが良いように思います。

 

 

 2.敗局は必ず敗因を探す。

 

 負けた将棋をそのままにしておくと成長しないばかりではなく、負けた戦型への苦手意識だけが残ってしまうことになりかねません。

 

 負けた将棋は一人でもしっかりと感想戦を行い、自分なりに敗因と対策を見つけ、後に残らないように消化してしまいましょう。間違っていてもかまいません。とりあえずの敗因さえ見つけておけば、次からはその戦型と出会うのがむしろ楽しみにさえなってきます。

 

 

 3.簡単な詰め将棋を毎日解く。

 

 よく言われることですが、やはり将棋は終盤が命。終盤力を鍛えることが初心者脱出の一番の近道です。

 

 だからといって長手数の詰め将棋を一生懸命解く必要はありません。例えば二十七手詰の局面が現れる可能性はそれほど高くないと思いますが、五手詰・三手詰の局面はほぼ全ての将棋で現れるのです。そう考えると、むしろ短手数の詰みをしっかりとこなせることこそ大切。毎日ノルマを決めて解いていきましょう!

 

 

 4.将棋関連のウェブサイトを活用する

 

 将棋の戦法は拡散の一途を辿っていて、棋書だけではカバーできない分野も増えてきています。ある程度定跡の知識があることを前提として書かれている棋書も結構ありますしね。なので、棋書と並行して(←重要!)将棋関連のウェブサイトを使って勉強しましょう。

 

 私のオススメは千鳥銀の戦法図鑑。もの凄い量の戦型と、その狙い筋、進行例が載っています。最新形は載っていないので、定跡を覚えてもそのまま役に立つことはまず無いと思いますが、定跡は手筋の宝庫。勉強しておいて損はありません。

 

 

 5.意地で将棋を指さない

 

 将棋で負けることは非常に悔しいことです。なので、負けたときは熱い頭のまま次々に将棋を指してしまいがち。私自身も良くやってしまうのですが、経験からいってこういう指し方はむしろ時間の無駄にしかなりません。控えた方が無難です。

 

 

 え? 当たり前のことしか書いてないじゃないかって? す、すいません。Lifehackerみたいな人気ブログの真似をしてみたかっただけなんです! ごめんなさいごめんなさい><

 

 (追記:冒頭の画像は写真素材サイトPAKUTASOさんの素材を加工させていただきました)


将棋にもホームを!

2012-07-20 23:59:56 | 将棋

 マンチェスターユナイテッドに移籍という快挙を成し遂げた香川選手を筆頭に、サッカー日本代表の注目度はどんどん高くなっています。しかし一方で、Jリーグは観客動員数も減り、好景気だったJリーグ発足時と比べれば海外からスター選手がくることも少なくなるなど、衰退の一途を辿っています。実際、代表戦だけでJリーグを見ないサッカーファンも増えているのだとか(それってサッカーファン? という疑問はさておき)。

 

 しかし、スタジアムに足を運んでみれば、確かに観客動員は減っているのかもしれませんが、それでも数多くの熱心なサポーターによる応援を目にすることが出来ます。

 

 なにもJリーグだけではありません。Jリーグというのは、国内トップリーグであるJ1とその一つ下のカテゴリーであるJ2を指すのですが、さらにその下のJFL、そのまた下の地方リーグに所属しているチームにだって、結構ファンはついているのです。テレビ中継なんてローカルケーブルテレビ局でしかないような状況なのに、です。

 

 一体、何故そんなメジャーとは程遠いチームにまでファンがつくのか。

 

 それが地元のチームだからです。

 

 スポーツ観戦をされる方には実感があるのではないかと思いますが、自分が属しているグループのチームを応援するときの熱の入りようというのはなかなか凄まじいものがあります。夏の甲子園などはその顕著な例でしょう。

 

 その熱を将棋にも取り入れてはどうかと思うのです。清水先生が「倉敷は私のホームなので……」というようなことを主に倉敷藤花戦で口にされることがありますが、正にあんな感じで。

 

 具体的には日本を20くらいのグループに分け、全ての棋士をいずれかのグループに所属させてしまうのです。例えば、羽生二冠-九州北部グループ、渡辺二冠-南関西グループ、というように。出身地で分けてしまうと当然偏りが出ますので、完全にランダムで分けてしまってかまいません。そしてそのグループ同士で団体(例えば社団戦のように5vs5とか)のトーナメント戦を行うのです(一般棋戦の合間にです)。

 

 もちろん、グループ分けするだけでは面白くありませんので、各棋士には定期的に自分の所属するグループ(地方)に指導に行ったり、イベントを開いたりすることを義務付けます。トーナメントで優勝した暁にはもちろん、その地方で祝勝会を行います。一般棋戦でタイトル戦に出ることになったときも、一局は必ず対局者の所属地方で開催することにするのです。そのようにして、棋士にホーム感を持ってもらうのです。

 

 出張費を考えれば非現実的な案なのですが、地元チームを応援するときのワクワク感を、ぜひ将棋でも味わいたいのですよね。なんとか実現させる方法はないかなぁ。


予想外の端角

2012-07-19 22:32:30 | 実戦から

 昨日81Dojoで指した将棋を紹介します。 

 

 私の先手で始まった将棋は、ゴキゲン中飛車に対する超速▲3七銀になりました。後手の方は銀対抗から穴熊を目指す順を選択し、私は急戦を狙って迎えた第1図。

 

(1図)

 

 銀のハッチを閉められては面白くないと判断し、ここで▲4五桂と仕掛けました。以下、△4二角▲5五銀左△同銀▲同銀△3三桂▲4六歩△4五桂▲同歩と進んで第2図。

 

(2図)

 

 次に▲4四歩と突くような手が良さそうでまずまずかと思っていたのですが、ここで全く予想外の手を指されました。それが……

 

(3図)

 

 △9五角!

 

 いかにも軽い攻めなのですが、右辺の駒がさばけているぶん、どう応じても味が悪い。しかも角が逃げているため▲4四歩の響きが弱くなっているのも居飛車のマイナス材料です。

 

 結局、この後はいいところ無く負けました。第1図の局面ではおそらく▲1六歩と突いておくのがベストだと思われます。