夕暮菜日記

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試訳『遺伝子組み替えに作物についての科学者の公開書簡』

2012年02月04日 00時41分11秒 | 科学
Open Letter from World Scientists to All Governments Concerning Genetically Modified Organisms (GMOs) を翻訳した。
『遺伝子組換え生物(GMO)に関する、世界の科学者からすべての政府への公開書簡』である。
その翻訳を恥を忍んでこのブログで公開する。
遺伝子組み替え作物の危険性を広く訴えたいからだ。

ただし注意してほしい。
英語は、私が昔から最も苦手としてきた科目なのだ。
(読めば分かる!)
だからこの翻訳には誤りが必ず含まれている。
内容に、とても責任を持てるものではない。
だからブログのタイトルは『試訳』とした。

だから参考にはして欲しいが、信用はしないでいただきたい。
お願い致します。

引用は自由、と言いたいところだが、上記のような関係で、引用しないことを強くおすすめしておく。
本当に責任がもてないのだ。

英語ができて生物学の素養のある方、誤りを見つけたらぜひコメント記入をお願いします。

文中のカッコ数字は、文献番号である。
読みたい方は冒頭のリンクからたどってほしい。

署名した科学者に、インドやイランの方が多くいるのに、日本人はたったの5人。
これは情けないと感じた。。。。。


では、以下から恥を公開。
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遺伝子組換え生物(GMO)に関する、世界の科学者からすべての政府への公開書簡

・科学者達はGMOによる生物多様性、食品安全性、ヒトや動物の健康への影響について強い懸念をもっている。このため、予防原則に基づき、GMOの環境への放出差し止めを要求する。
・科学者達は、企業の独占を強化し、不平等を助長し、食の安全と健康を世界中に提供することのできる持続可能な農業への本質的移行を妨害するGM作物に反対している。
・科学者達は、食の安全を脅す生物と生命過程に関する特許を法的に禁止すること、また、地域固有の生物資源に関する知識と遺伝子資源の窃盗行為であり、基本的人権と人の尊厳に違反する生物資源をめぐる盗賊行為(バイオパイラシー)を社会的に制裁することを求める。
・科学者達は、世界中の家族経営農家に利益をもたらす非企業的且つ持続可能な農業の研究開発をさらに支援することを望んでいる。

この書簡の以前のバージョンは、多くの政府と以下の国際会議に提出されている。

・世界貿易機関(WTO)シアトル会議(1999年11月30日~12月2日)
・国連バイオセーフティ議定書会議(モントリオール:2000年1月24~28日)
・持続可能な開発に関する国連委員会、持続可能な農業についての会議(ニューヨーク:2000年4月24日~5月5日)
・生物多様性に関する国連委員会ナイロビ会議(2000年4月24日~5月5日)
・アメリカ連邦議会(2000年6月29日)

この書簡は以下の84の国々の828人の科学者に署名されている。

Dr. David Bellamy:生物学者、アナウンサー、イギリス、ロンドン
Prof. Liebe Cavalieri:数理生態学者、アメリカ、ミネソタ大学
Dr. Thomas S. Cox:遺伝学者、合衆国農務省(退職)、インド
Dr. Tewolde Egziabher:アフリカ地域のためのスポークスマン、エチオピア
Dr. David Ehrenfeld:生物学者/エコロジスト、ラトガー大学、アメリカ
Dr. Vladimir Zajac:腫瘍ウィルス学者、遺伝学者、癌研究学会、チェコ共和国
Dr. Brian Hursey:元FAO(国連食糧農業機関)昆虫媒介疾病に関する主任専門官、イギリス
Prof. Ruth Hubbard:遺伝学者、ハーバード大学、アメリカ
Prof. Jonathan King:分子生物学者、MIT、ケンブリッジ大学、アメリカ
Prof. Gilles-Eric Seralini:生化学分子生物学研究所、カーン大学、フランス
Dr. David Suzuki:遺伝学者、David Suzuki財団、ブリティッシュコロンビア大学、カナダ
Dr. Vandana Shiva:理論物理学者、エコロジスト、インド
Dr. George Woodwell:ディレクター、ウッズホール研究センター、アメリカ
Prof. Oscar B. Zamora:農学者、フィリピン大学ロスバニョス校、フィリピン


2000年9月1日
世界の科学者からすべての政府への公開書簡

要約
私たち下に署名した科学者は、すべての遺伝子組み換え作物とその製品を商業的にも、圃場試験においても環境への放出の即時停止を要求する。また最低5年間は、生命過程・生物体・種子・細胞株・遺伝子に関する特許を破棄しこれを法によって禁止することを要求することを要求する。そして未来に向けたすべての人のため、農業と食の安全の広範囲に渡る公的研究を要求する。

食の安全を脅かし、地域固有種に関する知識と遺伝子資源の盗賊行為(バイオピラシー)を支持し、基本的人権と人の尊厳に反し、健康維持を危うくし、医学的科学的研究を遅らせ、動物の福祉に反するため、生物体及び生命過程に関する特許は法的に禁止されるべきである。

遺伝子組み換え作物は農家にも消費者にも利益をもたらさない。代わりに、多くの問題点 ー 収穫減少、除草剤使用の増加、不安定な効果、そして農家へのわずかな経済的見返りを含む ー が認識されている。遺伝子組換え作物はまた、食糧における企業の独占を助長し、家族経営農家を極貧に追い込み、世界中の食の安全を保証することのできる持続可能な農業を阻害する。

GMOの生物多様性及び人や動物の健康への危険性は、英国や米国政府内部の情報源によって今や認められている。特に深刻な結論は、遺伝子の水平伝播の可能性と関係づけられている。これらは、伝染病を治療不可能にする抗生物質耐性マーカー遺伝子、病原性で新種のウィルスや細菌、癌を引き起こす可能性のある有害な突然変異を含んでいる。

2000年1月にモントリオールで協議されたカタルヘナバイオセーフティー議定書では、130ヶ国以上の政府が、予防原則とバイオセーフティの確保の法律制定を、国家的国際的レベルで、世界貿易機関(WTO)における貿易と金融上の契約より優先して施行すると取り決めた。

相次ぐ研究は、持続可能でlow-inputで有機的な南北での農業の、生産性と社会的環境的利点を立証している。それらは、従来の農法で劣化した農地を元に戻す唯一の実用的方法を示し、貧困と飢餓と闘う小規模家族経営農家を力づけている。

私たちは、健康に有害で家族経営農家の利益に反するGM作物を拒否することを、アメリカ連邦議会に勧告する。そして、世界中の家族経営農家の真の利益になることのできる持続可能な農法の研究開発を支援する。
私たち下に署名した科学者は、商業的にも圃場試験でもすべてのGM作物及びその製品の環境への放出の即時停止、生命過程・生命体・種子・細胞株と遺伝子に関する特許の破棄と法による最低5年間の禁止、未来への農業と食の安全のための包括的で公的な探求をすること、を求める。

1. 生物と生命過程の特許は法的に禁止されるべきである。なぜなら食の安全を脅かし、地域固有種の知識と遺伝子資源に対するバイオパイラシーを認め、基本的人権と人の尊厳に反し、健康維持を危うくし、医学的科学的研究を妨げ、そして動物の福祉に反するからである(1)。組織、種子、細胞株、遺伝子などとしての生物は、発見物であり、ゆえに特許取得できるものではない。生命過程を不当に用い、信頼することができず、制御可能でなく、予測可能でない最新のGM技術は、発明として認めない。さらにGM生物とその生産物に関するこれらの技術は、本質的に非安全的である。

2. 最新のGM作物は、必要なものでも利益をもたらすものでもないことが、ますます明らかになっている。それは世界中に安全で健康的な食糧を供給することのできる持続可能な農業への本質的転換を妨げる危険な流れである。

3. 二つの単純な特徴が、1992年にGM作物が植えられた約4000万haを占める(2)。多く(71%)は、企業が自身の企業ブランドの幅広い除草剤に対し耐性を持つよう操作した植物。一方残りの多くは、害虫を殺すBT毒素を組み込まれていた。ある大学の8200の圃場で行われた最も広く栽培されている除草剤耐性ダイズを使った調査では、遺伝子組み換えでない品種に比べ、収穫は6.7%減り、除草剤は2~5倍必要となることが明らかになった。これは最近の研究によりネブラスカ大学で明らかにされた(4)。パフォーマンスが不安定、病気の感染しやさ(5)、果実の発育不全(6)、農家に対する経済的見返りの貧しさ(7)、といった他の問題も確認されている。

4. 国連食糧計画によれば、世界を食べさせるのに十分な量の1.5倍以上の食糧がある。世界人口は過去40年間で90%増加している一方、一人当たりの食糧は25%増加しており、いまだ10億人が飢えている(8)。新しいFAO報告書は、世界の食糧需要に対し十分かそれ以上の食糧が、GM作物によるあらゆる収穫増を考慮に入れずとも2030年段階で存在することを立証している。それは貧しい者がより貧しく飢餓になるグローバル経済の下、企業の独占を強化するためである。世界中の家族経営農家は、同様の理由で極貧と自殺に追いやられている。1993~1997年にアメリカの中規模農家は74440まで減少し、今や農家は、彼らの平均生産コストを下回る収入しか受け取っていない(12)。フランスとドイツの農業人口は1978年以来、50%減少した(13)。イギリスでは昨年だけの一年間で農業労働者は20000人減少した。そして首相は200百万ポンドの包括援助策を発表した(14)。1999年の終わりには、世界の穀物貿易の85%を4つの企業が支配した。企業の吸収合併が続いている。

5. 農家が保存した種子を播種するのを妨げることで、種子特許の企業独占が増大している。これは第三世界のほとんどの農家が、まだ行っていることである。彼らの特許を守るために、企業はターミネーター技術を、農業者や市民社会の世界規模の反対にも関わらず、発達させ続けている。それは収穫後の種子が発芽することのないよう遺伝的に操作する技術である(16)。

6. 第三世界でのメジャーな慈善事業組織であるクリスチャンエイドはGM作物は、失業を引き起こし、第三世界の負債を悪化させ、持続可能な農業システムを脅かし、環境にダメージを与えると結論している。それは最貧国での飢饉を予言するものである。世界の飢えている人々を食べさせるためにGMOは必要とされている、というモンサント社の異議を、アフリカ諸国の政府は非難した。「私たちは、巨大多国籍企業がテクノロジーを強要するために、貧しく飢えているというイメージを使うことに強く反対する。そのテクノロジーは安全でも環境に良くもなく、私たちに何の経済的利益ももたらさない。それは多様性と地域固有の知識と持続可能な農業システムを破壊すると、私たちは信じる。それは私たちの農民が千年かけて築き上げたものであり、その自身を養う能力の土台を崩すものである。(18)」フィリピンの農民運動から先進国の経済協力開発機構(OECD)へのメッセージは以下のようである。「GMOに参加することは、土地を失うこと、飢餓と不正義を確実に増大させるだろう。」

7. アメリカの家族経営農家グループの連合が、生物体所有権の法による禁止を含む包括的要求リストを出した。リストには、販売、環境への放出、さらにすべてのGM作物とその製品の承認を、社会的、環境的、健康的、経済的影響についての独立的で包括的アセスメントがなされるまで、また、GM作物とその製品によって生じる家畜、ヒト、環境に対するダメージについて企業が法的責任を取るようになるまで待つこと、が含まれる(20)。リストはまた、企業の吸収合併、農場閉鎖の一時停止、また、家族経営農家、納税者、環境を犠牲にするアグリビジネスの利益に資する政策の終了を要求している(21)。彼らは、モンサントと独占営業し農家に安全と環境影響について評価されていないGM作物を押しつける他の九つの企業の訴訟に着手した。

8. いくつかのGM作物の危険性は、米英政府によって公に認められている。イギリス農業漁業食糧省(MAFF)は、GM作物とその花粉は農場を超えて移動することを避けられないことを認めた(23)。そしてこれはすでに除草剤耐性を持った雑草に結果として現れている(24)。イギリス政府が後援する圃場試験の中間報告は、異なる除草剤耐性のアブラナの種間の隣接する区画どうしでの交雑を確認している。それは多くの除草剤に耐性を持つ交雑種をもたらしている。加えて、GMアブラナとそれらの交雑種は、後の小麦と大麦小麦栽培時、自生植物として発見されている。それは通常の除草剤でコントロールする必要があった(25)。Bt抵抗性害虫は、成長期間を通してGM植物内に毒素が存在し続けることに反応することで発達する。そして米国環境保護局は、抵抗性を持たない害虫の生存域(レフュジア)を作るため、40%までは非GM作物を植えるよう、農家に勧めている(26)。

9. 既に商品化されているGM作物による生物多様性への脅威はますます明らかになっている。除草剤耐性GM作物と共に用いられる広範囲の雑草に効き目のある除草剤は、野生の植物を無差別に枯らしてしまう。また、動物に対し毒である。グルホシネートは哺乳類に先天的欠損症を引き起こし(27)、またグリホシネートは非ホジキンリンパ腫に関係がある(28)。Bt毒素を組み込まれたGM作物は、ハチのような益虫(29)やクサカゲロウ(30)も殺す。また、Btトウモロコシの花粉はオオカバマダラ(31)とアゲハチョウ(32)にとって致死性であることが分かっている。根圏(土壌粒子を急速に固定し、劣化から守るようにしている)では、Bt毒素が根から染み出ている。毒素が活性化した状態で存在するとき、地上の昆虫種が叩かれるのと同時に、土壌中の標的種も非標的種も非選択的に影響されるだろう(33)。

10. 遺伝子組換え生物による製品はさらに危険になり得る。例えば、GM微生物によって製造されたトリプトファンは、少なくとも37の死と1500の深刻な病気と関係していた(34)。牛乳生産量を増やすために雌牛に注射された遺伝子組み換えウシ成長ホルモンは、ウシに過度の苦痛と病気を引き起こすだけでなく、ヒトの乳癌と前立腺癌に関係する牛乳中のIGF-1の増加も引き起こす(35)。公衆が遺伝子組み換えDNAやタンパク質を含むすべてのGM製品から守られることは必須である。それは、遺伝子組み替えの過程そのものが、少なくとも現在行われている形では、本質的に安全でないからだ。

11. 合衆国食品医薬品局の秘密メモは、所属する科学者の、遺伝子工学は新しい試みであって新しいリスクの導入であるという警告を無視したことを明らかにした。さらに、最初に商品化されたGM作物であるフレイバーセイバートマトは、必要とされた毒性試験に合格していなかった(36)。それ以来、イギリスのDr. Arpad Pusztaiと彼の共同研究者がテストしたGMジャガイモの安全性の検査に深刻な懸念を投げかけるまで、包括的で科学的な安全性の検査は行われなかった。彼らは、毒性作用の重要な部分は、『(遺伝子)構築物または形質転換(または両方)』を使ったGM植物の作成に起因するかもしれないと結論している(37)。

12. 分子遺伝学者Bevan Moseley教授と、欧州連合の新規食品に関する作業部会の食品科学委員会の当時の議長とで、GM食品の安全性は公開議論された(38)。彼は科学技術が元来持つ不測の効果への注意を喚起した。特にビタミンA強化米のような高機能食品とか機能性食品とよばれる次世代GM食品が、遺伝子構築物の複雑さの増加により健康により危険をもたらすことを強調した。

13. 遺伝子工学は、新しい遺伝子と、実験室で作られた遺伝物質の新しい組み合わせを、作物、家畜、微生物に組み込む(39)。人工遺伝子は、細菌や他の生物のような、病原性のウィルスや他の遺伝的寄生者の遺伝物質に由来し、抗生物質耐性をコードした遺伝子を含んでいる。人工遺伝子は、種間の壁を破り、外来遺伝物質がゲノムに挿入されることを防ぐメカニズムに打ち勝つよう設計されている。それらのほとんどは、自然界の何十億年もの進化の中には存在しない。

14. これらの人工遺伝子は、外来遺伝子のゲノムへのランダム挿入による侵入法によって細胞に導入される(細胞または生物のすべての遺伝物質の全体)。このことは、予測の不可能性、効果のランダムさ、動物の全体的な異常を含み、食用作物の予期しない毒素とアレルゲンの増加をもたらす。

15. 実際に既に商品化されているか圃場試験を経たすべてのGM作物に共通する人工遺伝子は、継続的に過剰発現させるため、外来遺伝子(導入遺伝子)のすぐ隣に接合されたカリフラワーモザイクウィルス(CaMV)由来の遺伝子スイッチ(プロモーター)を含んでいる(40)。このCaMVプロモーターは、すべての植物、酵母菌、藻類、大腸菌内で活性状態にある。それが両生類の卵(41)やヒトの細胞抽出液内(42)でさえ活性状態であることを、私たちは最近発見した。それはモジュラー構造で、感染性ウィルスを与えるように、部分的にも、他のウィルスのプロモーターとともに全体も交換可能である。さらにそれには、壊れたり他の遺伝物質と結合する傾向のある「組み替えホットスポット」である(43)。

16. これら、また他の理由により、遺伝子導入されたDNAーそのGMOに転移させられた人工遺伝子の全体ーは、より不安定になりで、無関係な種(潜在的には、GMOと相互作用するすべての種)に再び転移する傾向がある(44)。

17. 遺伝子導入されたGM植物が不安定であることは、よく知られている(45)。GM遺伝子はしばしば不活性化される。しかし、失われた遺伝子導入DNAの一部またはすべては、遺伝された後の世代にさえ見出される(46)。私たちは、既に商品化されるか圃場試験を経たあらゆるGM系統の植物ゲノム中の構造的位置的GM挿入物の長期安定性に関する公表された証拠を承知していない。

18. GM遺伝子の水平伝播の潜在的危険性は、外来遺伝子のランダム挿入による、抗生物質耐性遺伝子をもった病原菌の拡散、病気や変異を引き起こす新種のウィルスや細菌の発生を含む。それらのうちのいくつかは、哺乳類の細胞の癌に結びつくかもしれない(47)。人間を含むすべての生物種内でのCaMVプロモーターの能力は、遺伝子水平伝播の潜在的危険性に関して特に問題とされている。

19. 哺乳類細胞によって研究された裸(histone-free:訳注)あるいは遊離DNAの可能性は、合衆国食品医薬品局(FDA)の草稿案の中で、抗生物質耐性遺伝子マーカー産業に対して、隠すことなく伝えている(48)。FDA文書のコメントでは、遺伝子導入されたDNAは、食物摂取だけでなく、農作業や食品加工中の、植物クズや空気中の花粉との接触によって、転移することがイギリスMAFF(農漁食糧省)によって指摘されている(49)。GM遺伝子がGM花粉を通してハチの幼虫の腸内の細菌や酵母菌に転移すると、ドイツのJena大学での圃場実験が示すという最近の報告(50)もあり、この警告はとても重要である。

20. 植物DNAは、商品食物の加工過程では、容易に傷付かない(51)。すり潰したり挽いたりするような方法、90℃での熱処理は、はDNA粒子は傷付かない。貯蔵牧草にした植物のDNAは、ほとんど劣化しなかった。そして特別イギリスMAFFレポートは、GM植物やその廃棄物を動物の飼料として使わないよう忠告している。

21. ヒトの口には、抗生物質耐性遺伝子を含む裸のDNAが研究されている細菌が含まれている。また、同様に変異可能な細菌が呼吸気道に存在する(52)。

22. GM植物由来の抗生物質耐性遺伝子マーカーは、実験室内では土壌細菌とキノコ類に水平伝播が見られている(53)。圃場モニタリングは、GM作物が植えられた後、少なくとも2年間はGMサトウダイコンのDNAが土壌中に残存していることを明らかにしている。そして、土壌中の細菌に導入DNAの一部が水平伝播していることを示唆する証拠がある(54)。

23. 最近の遺伝子治療や核酸(DNAもRNAも)ワクチンの研究は、裸(histone-free:訳注)/遊離核酸を扱うことができ、ある場合には、人間を含むすべての哺乳類のゲノムに組み込むできるということに、ほとんど疑いを残さない。副作用として急性毒性ショック、免疫反応の遅れ、自己免疫反応などが、既に認められている(55)。

24. イギリス医師会は中間報告(1999年5月公表)で、新しいアレルギー、抗生物質耐性遺伝子や組み替えDNAの拡散についての、さらなる研究がなされるまで、GMOのリリースを無期限禁止することを訴えた。

25. 2000年1月にモントリオールで成功裡に協定されたカタルヘナバイオセーフティー議定書では、130ヶ国以上の政府が、WTOでの貿易や金融上の合意より優先して、予防原則を履行し、国家的、国際的両レベルでバイオセーフティーについての法律を制定することに合意した。同様に2000年3月に日本の千葉で開かれた国際食品規格委員会(コーデックス委員会:訳注)会議では、事前の市場評価、健康への影響の長期モニタリング、遺伝的安定性のテスト、毒性、アレルギーや他の予想外の効果を含むGM食品に関する厳格な規定力を持った法的手続きを準備することに合意した(56)。今、カタルヘナバイオセーフティー議定書に、2000年5月にナイロビで68ヶ国の政府が署名した。

26. 私たちはすべての政府に対し、GM技術とそれによる多くの生産物により、既に起こった、また起こると思われる危険性の現時点での十分に科学的な証拠に関する適切な弁明、及び、科学的に健全であるだけでなく予防原則に従い、圃場試験を含む環境への放出の即時停止を要求する。

27. 続く研究は、北側世界だけでなく第三世界の家族経営農家の生産性と持続可能性についても、証拠を提供した(57)。南北両世界からの証拠は、大規模農家より小規模農家の方が、より生産力が高く、より効率的で、経済成長により貢献する、ことを示している。小規模農家はまた、天然資源、生物多様性の保全、農業生産の多様性の保護ための、より良い管理人になる傾向がある。キューバは、1989年のソビエト圏の崩壊による経済危機の進行に対応して、従来のhigh input単一種栽培から、小規模で有機的、半有機的農業に転換した。これにより、以前の半分のinputで、2倍の食糧を生産することができた(59)。

28. 農業生態学的アプローチは、地域の状況に合わせた地域の農業知識と技術、と現代の西洋科学の知識を組み合わせる中で、開発途上国での持続可能な農業について、大きな展望を持っている(60)。その収量は2倍になり3倍になり、いまだ増加している。世界の概算1250万ヘクタールは、そのように耕作され成功している(61)。それは環境に配慮されており、小規模農家にとって取り組みやすいものである。それは従来の集約型農業から取り残された農地を回復する。それは、従来の農学に基づく慣習により劣化した農地を回復する唯一の現実的方法を提供する。多くの場合、それは小規模家族経営農家に、貧困と飢えと闘う力を与える。

29. 私たちは、危険であり生態学的に持続可能な資源の使用に反する、という両方の理由で、すべての政府に対しGM作物を拒絶するよう要求する。代わって、研究を支援し、世界中の家族経営農家の真の利益になり得る持続可能な農法を発展させるべきである。
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http://www.i-sis.org.uk/list.php

遺伝子組換え植物の光と影
クリエーター情報なし
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