夕暮菜日記

私的日記、教育、社会、音楽、等々について

消費税は大企業のための法人税減税の穴埋め。だからやめるべきなのだ。

2010年06月24日 01時39分06秒 | 社会
「高齢化社会に対応するために消費税増税は、やむを得ない」と、言われると、優しい心の持ち主は「なら仕方がない」とか、むしろ積極的に「弱者のために増税しましょう」と考えかねない。
しかし、ちょっと待って欲しい。
だって相手は詐欺師なのだから。
詐欺師というのは、人の善意に訴えるものだ。

菅直人首相は、消費税増税分は福祉にまわす、みたいなことを言っている。
(↑もう発言を正確に引用しようという気も起きない…)
だいたい伝書鳩に脚輪をつけるのでもあるまいし、税金として取り立てたお札の一枚々々の行き先を監視するのだろうか?
そんなことできるわけないし、やったところで無意味だ。
その上、他部門で税収減(法人税の減税など)になったとき、消費税率を上げる口実を付けやすくなっただけだ。
「福祉のため」ってね。
肝心なのは、税収の総額が足りているか? ということだ。

さて、消費税というシステムが導入されたのは1989年だ。
その前年の1988年、19年ぶりに法人税率が引き下げられた。
それから2010年までの21年間に、消費税の累計税収は224兆円。
同期間の法人税率引き下げによる累計減収は208兆円。
その推移を表したのが、下のグラフ。
(『しんぶん赤旗』より転載)

消費税は導入するときから、『福祉目的』といっていたけど、ホントは、法人税減税の単なる穴埋めだったわけだ。
ということは、仮に消費税で集められたお金が、福祉に当てられたとしても、それは法人税減税で減った分を埋めただけ、ということになり、それで日本の福祉が豊かになるわけでは、決してない、ってことだ。
それが証拠に菅直人は、消費税増税とともに、法人税減税も言っている。

『財政再建のための消費税』というのもウソ。
消費税を増税したら、消費は今より冷え込む。
その上、法人税を減税したら税収は落ち込む。
ダメダメなのだ。
ちなみにEUは2008年11月26日、金融危機や不景気に対応するため消費税率を下げ、労働者の所得税を下げるよう勧告している。

税収を増やすには、消費税率を下げて消費を活気づかせ、法人税率を上げることだ。

こんなことを書くと、「法人税を上げたら企業が税金の安い海外に逃げ出す」なんてコトを言い出すのがいるので、予め反論しておこう。
日本の法人税率が、他国に対してやや高いのは事実だ。
しかし、だからといって、法人の『社会に対する負担が高い』ということにはならない。
肝心なのは税金の項目ではなく、負担の総額なのだ。
次のグラフを見て欲しい。
財務省のHPからの転載だ。

日本の法人税は、特にドイツなどに比べると高い。
しかし、法人が負担する社会保険料の割合はどうだろう?
財務省はこの二本のグラフを並列に並べた。
私なら、二階建てにするね。
するとどうだ?
法人の負担はスウェーデンやフランスより低く、ドイツと同じくらいだ。
「負担が高いからフランスから企業が逃げ出した」なんて話は聞いたことがない。
それに、法人税率が高くても、外国税額控除、研究開発減税などで、税率通りの税金を大企業は納めていないのが現状だ。


「高齢化社会に対応するため、豊かな福祉のため、消費税増税を」
とか、
「財政再建のため、ギリシャのようにならないためには消費税増税を」
などというのはウソなのである。
そんな候補者に投票してはいけない。


消費税は0%にできる―負担を減らして社会保障を充実させる経済学
菊池 英博
ダイヤモンド社

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