ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

ごみ収集車の到着!!(その1)

2010-05-02 10:55:29 | コスラエ州
コスラエ州 短期SV 濱崎 です。

2010年4月11日(日)の深夜 ミクロネシア連邦国コスラエ州の埠頭へ
2台のごみ収集車が到着しました。

これは「草の根無償資金援助計画」の第二期事業(注)で
「コスラエ州中央廃棄物処分場機材整備計画」案件として
2台のごみ収集車と290個のごみ箱を提供することにより、
コスラエ州において廃棄物処理管理体制の強化・効率化を図るものです。
(290個のごみ箱は以前に到着していました。)
(注)第一期事業は準好気性廃棄物埋め立て処分場(福岡方式)の導入です。

到着した1号車は神奈川県横浜市贈「車体番号ZU302-2114  2001年製の中古車」で、
もう1台の2号車は愛知県江南市贈「車体番号BU102-2768  2003年製の中古車」です。
このことに多くの人達が係わってこられたと思います。
「ありがとうございました。」とお伝えできればとの思いです。
(各市へは到着の報告をしました)

1)ごみ収集への対応開始!
早速、4月13日(火) 環境関係の主管局であるKIRMA主催で
「ごみ収集に関する会議」が開催されました。
今回の契約元であるDT&Iの局長、対象となる4自治体(Tafunsak,Lelu,Malem,Utway)
の4メイヤー達、それに私も加わった7者の会議です。

2台のごみ収集車が到着したこと、ごみ処分については統合化する体制を整えたこと、
など州政府側の現状が伝えられましたが、
ごみの収集から処分場までの現場処理についてはそれぞれの自治体の責任で運営する
ことが伝えられと、そのことが最大の議論になりました。

4自治体に対する2台の収集車の配分は、基本的には各自治体が1台ずつ所有したい
との要望があったものの、取り敢えず2自治体で1台を共有することになりました。
オペレータ、コレクターへの給与、燃料の負担など自治体の財政的な課題もあり、
ごみ収集については一斉にスタートとはならないものの、一歩一歩自治体の住民の
理解と協力を得ながら進むことが大切なことと思えます。

2)ごみ収集車の引き取り!
4月15日(木)どしゃぶりの雨の中、コスラエ州埠頭へ職場の職員3名と、
未だ輸送トランクに入っている車の引き取り」に行きました。

2号車(江南車)は車の機能上は何の問題もなく、航路での長旅にも係らず、
格納トランクから自走して陸上に移送できました。

しかし1号車(横浜車)は、長旅に疲れたのか、バッテリーに問題があり、
そのためエンジンがかからず、自走することができませんでした。

急遽、事務所から「鎖」と「補助バッテリー」を取り寄せることになり、
鎖の到着後、鎖を車体に引っ掛けて、無理やり引っ張り出すことで格納トランクから
陸上へ移送させました。
担当者はどしゃぶりの雨の中での作業に加え、予期せぬ対応にぐったりしていました。


(上陸した2台のごみ収集車。どしゃぶりの雨の中です一見元気そうですが‐‐‐)


3)オペレータへの訓練開始!
4月19日(月)、20日の二日間、車のチェックとオペレータの訓練を行いました。
各種操作ボタンの押下による動作のチェックを行い、
2台とも機能上問題がないことを確認しました。

埠頭で駄々をこねていた1号車も、コスラエが気に入ったのか機嫌が直り、
手当後は機能上問題ないことも確認しました。

操作マニュアルは汎用英文マニュアルがあるものの、個別の操作ボタンは日本語で
表示されているため、英語に翻訳して教官と共に説明を加えながら対処しました。


(ごみ収集車の運転席ー日本語の表示です。後日、英文化したシールを貼る予定です、
 「チョットした配慮があればなあ~!」との思いです)


操作訓練には3自治体のオペレータが参加したものの、残る1自治体のオペレータは
不参加でした。
参加した3名は操作方法を習得し、本番ができるようになりました。


(ごみ収集車の操作訓練)


訓練終了の証しとして「License Certificate」を出すことにしました。
本件の操作資格は、コスラエ州条例(Code17-302 )に該当し
「Trucks to 5 ton の資格でClassCに相当します。

これに沿って、今回の訓練終了生3名に正式の
「Class C License Certificate」を渡すようになりました。
ちょっとしたことかもしれませんが、この証文で本人達は誇りを持って
ごみ収集作業に入るものと期待されます。

4)パーツの全件チェック!
4月26日(月)、27日(火)の両日、取り換えパーツの全件チェックを行いました。
予め締結された「パーツリスト」と実物との一品一品の突合チェックです。

パーツは大きく自動車部と収集部(コンパクト)の二種類に分かれています。
チェックの結果、自動車部はリスト通りのパーツが送られており、問題はありませんでした
が、収集部(コンパクト)のパーツは課題があることがわかりました。
この課題については今後関係者間で協議することになるでしょう。

5)今後の予定
駐FSM日本大使が5月20日(木)に引き渡しのセレモニーのため
来島することになっています。

合わせて4自治体のオープンダンプサイトの閉鎖と新収集方式への
切り替えの実施が今後の課題です。

4つの自治体全部が一斉にスタートできないかもしれませんが、
実施できる自治体からスタートし、時間をかけながらでも一歩一歩着実に
州内に根を張っていくことが重要だと思っています。