Paradise for Stupids

愚者の楽園たるこの国周辺で起こる愉快なことをつぶやきます

高等教育での学位について思うこと

2013-05-27 21:04:18 | 教育
外資系企業で長年働いており、世界各国のビジネスマンと付き合いがある。ビジネスを離れランチやディナーでしばしば話題に上るのが学生時代の話であるが、私はこれが苦手だ。その理由は、私の大学時代の専攻と現在の職務の間に大きな乖離があることだ。

学位と現在の職務がマッチしないことは、日本では珍しいことではないが、日本以外では非常識的なことである(少なくともインテリジェンスを要求される職務では)。この日本の非常識を毎度説明するのが面倒くさいのだ。また、海外では、高等教育で学んでこそのプロフェッショナルという意識がある。高等教育として法学部で学んだからプロフェッショナルとして弁護士になりましたというのは通るのだが、法学士ですが今はマーケティングをやっています、というのは理解されにくいし、新卒であろうが中途採用であろうが書類選考で落とされる可能性が大きい。高等教育として専門的知識を備えていない者は、学位無しでも遂行できる(そして給与も低い)一般的な業務につかざるを得ない。大学名は関係ない。何を学んだかが大切なのだ。つまり、私が自分の大学時代の専攻を語ることは、すなわち、プロフェッショナルとして当然納めているべき高等教育の経験が無いと、自ら示していることになる。そこに大いなるコンプレックスを感じてしまうのだ。若き日の浅はかな自分を恥じ入るほかはない。

海外でどれだけ学位が重視されているか一つエピソードをご紹介しよう。私が米国の現地法人で働いていたころの話だ。製品開発部門の男が、近隣にある超有名私立大学のMBAプログラムに参加することになった。彼はVirginia Tech(学士)を卒業したエンジニアだったが、製造・開発部門の一部がアジア諸国に移管されることを見越して製品開発に見切りをつけ、製造・開発部門の中の製品計画担当に異動を希望したのだった。しかし、同じ製造・開発部門とはいえ、製品開発と製品計画は必要とする専門知識が異なる。そこで彼は、数百万円の学資と約二年間の変則勤務を代償に大学院に入ることを決めたのである。努力のかいあって、彼はMBAを取得し、現在は製品計画のマネジメントについている。

一方で、今年私の部署に新たに配属された新人約10名の履歴を聞いてみたのだが、揃いも揃って大学時代の専攻と職務が全くマッチしていない。何故なのか。

企業側の問題としては、学生に専門知識を求めていないという点がある。そこには、所詮学生ごときに何が分かる、我々企業側が教育してやる、という驕りがある。しかし企業が教育するということはそれだけコストがかかる。こんなことで新興国とのコスト競争に勝てるとは思えない。企業側もプロなのだから、新卒であってもプロに適した専門知識を有する学生を優先的に採用するべきである。

大学側の問題としては、最終的に大半がビジネスに携わることになる学生の将来からかけ離れたカリキュラムを営々と続けている点がある。その背景には、大学の運営側である教職員や事務員は社会経験が乏しく、ビジネス・センスが皆無であることが要因として考えられる。大学に求められるのは、2点。まずは、ビジネス指向に舵を切り、産学共同のプロジェクトなど増やす。そして教職員や事務員に、実際にビジネスに携わってきたエキスパートをこれまで以上に増員し、彼らとは期間限定の雇用契約とする。成果主義を導入するためだ。

そして学生側、これはやはり幼いと言わざるを得ない。大学を学校名で選んでいる側面もあるだろう。将来の職業、それが無理ならばより抽象的でよいので、人生のビジョンに費やす時間と労力を増やすべきだろう。サークル活動やバイトも良い。しかし前者は楽しみのための活動だし、後者は単なる小金かせぎでしかない。留学や語学学習、資格取得など、自身への投資に励むべきだ。

偉そうに書いては見たが、私が出来なかったことばかり。そして優秀な人は昔からやっていることである。

民主党桜井充政調会長「首相、経団連米倉会長頭悪い」「アベノミクスはバブルだったことがはっきりした」

2013-05-26 20:17:51 | 政治
桜井氏を見るたびに、可哀想というか残念な思いを感じたものだ。その政策や主張がある一面しか見ていない説得力の無いもので、幾分Emotionalで論理的に説明できない青臭いものが少なくない。その上、議論が滅法弱くて、海千山千のキャスターや他党議員に余裕で押し切られてしまう。にも拘わらずテレビに登場して、今日も打ちのめされる・・・そんな冴えない彼が、参議院議員にも関わらず政調会長に祭り上げられたのは、先の衆院選における惨敗があったからに違いない。
政調会長になってマスメディアに登場することが増えた彼の発言に注目が集まるのは、一応野党第一党の幹部というポジションを考えれば自然なことだ。そしてその発言がお粗末で失笑を買うレベルであることは所詮民主党員の戯言と思えば、腹に落ちるというものだ。

24日、連合との会合の中で、雇用対策と経済政策をめぐり、安倍首相と経団連の米倉会長を批判して「(2人は)同じくらい頭が悪い」と切って捨てたという。その後、氏は「冗談半分で言った。不適切であればおわびする。」と語ったそうだ。

また、26日、NHKの日曜討論の中で、「(アベノミクスが)バブルだったことがはっきりした。投機マネーが相当入って株高をつくってきたが、実体経済が伴っていない」と現政権を批判した。

全くひどい。お前が言うな、という怨嗟の声が至る所から聞こえてきそうである。経済無策でこの3年の停滞を招いた輩に、少なくとも結果を出してきている現政権を批判する資格は無い。せめて謙虚に、現政権のやり方を見ながら勉強でもすれば良いものを、このようにEmotionalに雰囲気と勢いだけで強気の発言を続けるから支持を得られないのである。そもそも桜井氏からプロフェッショナルの仕事を感じさせる経済政策論を聞いたことがない。

「頭が悪い」とはどういう意味なのか分からない。学歴のことなのか、IQのことなのか、教養なのか、あるいは「地頭(じあたま)」とも呼ばれる現実世界で機転が効くことなのか・・・まるで子供の喧嘩である。政治家に求めるのは、政治的な実績である。実績を伴わない男が、実績を作るため奮闘努力している男をつかまえて、「頭が悪い」という意味不明の批判を加えるなんて、論外である。正に「人を馬鹿という方が馬鹿なんだよ」という図式だ。

一本調子の株高が止まったことを持ってして「バブルだったことがはっきりした」と断言するセンスも全く評価に値しない。マーケットにはヘッジ・ファンドはじめ投機筋のマネーが流入するのは今や常識であるし、彼らは5月に売りに注力することも、ネットを検索すれば容易に取得できる情報だ。たった1週間の株の値動きを以ってしてここまで言い切れるということは、逆に言えばハッタリ以外の何物でもないということである。今のレベルの株価に問題があるのか、株価が低いほうが良いのか、そして投機筋の流入しないマーケットにそもそも存在意義があるのか問うてみたい。景気の気は気分の気である。野党とはいえ、多少は影響力のある御仁であろうから、発言には注意していただきたい。

思い返すも、こんな輩が集う党によくも政権を渡したもんだと思う。2009年に民主党に投票した方々には、本当に責任を取っていただきたいものだ。

身障者の傲慢:この国の弱者は、弱者ではない、特権階級である

2013-05-26 12:49:51 | 道徳・モラル
今朝YouTubeをランダムに見ていたら、このビデオに行き当たった。

混雑する新幹線自由席車内で、3人で6人分の席を占有している若者と、立っている乗客とのやりとりだ。若者達は聾唖と見られ、筆談を交わしている。コメントを読むと、荷物があるので6人分の席が必要とのこと。最終的には、席を譲ってもらったらしいが、なんとも後味の悪いエピソードだ。これを見る限り、聾唖であることを言いことに、周囲とのコミュニケーションを一方的に絶ち、自分勝手な我儘を押し通しているように見える。ただし、彼らが聾唖を装っているだけかもしれないし、このビデオをたてに、聾唖の人々は自分勝手と断罪するのは、早計であることは確かである。

しかしこのビデオを見て、先週の乙武氏の一件を思い出しだのは言うまでもない。以前明石家さんま氏との談笑の中で、身障者としての自身のビジネスに影響が出るため、義手や義足はつけない主義だとのたまったとか。手足がないことはビジネスの手段だということか。出世し特権階級に登り詰めるために自ら去勢して宦官の道を選んだ近世以前の中国人を思い起こしてしまった。

余談だが、レストラン予約に際して車椅子で伺うということを自身では一度も伝えたことが無いと断言していた乙武氏だが、彼が登壇する講演会では、車椅子での入場は事前通告が必要と、アナウンスしていたようだ。率直に言えば車椅子での入場は、スペースや補助のためのワークロードの上で負担が増えることは明らかで、事前通知は極めて妥当な行為である。講演会主催者は乙武氏ではなかったようだが、皮肉な話だ。

次長課長の河本準の一件で大分様相は変わってきたが、生活保護受給者に対する疑問を追及することをタブー視する空気が未だに蔓延しているこの国では、身障者も含め弱者の非常識・非道徳・不正を糺すことも何やら躊躇われるテーマとして取られていると思う。その根底にあるのは、弱者=清く貧しく美しい助けるべき人々という日本人の優しい心根に加えて、変に刺激してトラブルを起こしたくないという事なかれ主義があるのではないか。

優しい心根で助けるという麗しい相互共助の行為は、我々健常者に経済的かつ心情的に余裕があり、弱者が謙虚に感謝の念を示す条件下で成り立つのだ。経済的に厳しい中で、このような行為を繰り返されるのであれば、健常者と身障者の間の信頼関係は崩れてゆくであろう。


"大人の対応"は世界に通用しない。しっかりと自己主張することが必要。

2013-05-23 23:15:52 | 外交
慰安婦の銅像がニュージャージーに建立され、州議会は慰安婦問題に関する日本政府の態度を弾劾する。アムネスティは、ヘイト・スピーチや某巨大掲示板での嫌韓書き込みの改善を勧告する。慰安婦問題についてカナダは韓国の立場を支持しており、G8の中にも明確に日本と距離を置く国が出てきている。こと慰安婦問題一つとってみても、日本に対する海外各国の視線は厳しく、事態を改善することは極めて困難に思える。

現在の状況は韓国による地道な活動の積み重ねであろう。国旗や時の首相の藁人形を燃やす過激なパフォーマンスから、慰安婦の生き残りと称する老婆の訴えはテレビで我が国にも報道されているし、その陰では地道なロビィ活動、米国を中心に増え続ける在外韓国人の草の根運動まで、多くの時間と労力を費やしてきたに違いない。その結果、慰安婦問題は、韓国の主張するストーリーのまま世界中に流布し、人権を無視する野蛮で異質な日本人というイメージが刷り込まれつつある。

韓国が慰安婦問題の広報活動に勤しんできたこの20年弱の間、我々日本人は何をしてきたのか。結論から言えば、何もしてこなかった。

20年弱前の韓国と言えば今よりずっと国力が小さく、世界におけるプレゼンスも小さかった。彼らが騒いだとしても、そのまま放っておいてなんら問題が無かった。

また政治家等この国のリーダーとしてみれば、かつて植民地支配をしたという日本国民の漠然とした後ろめたい感情を逆なでしても、票には結びつかないし、全く良いことは無い。むしろ慰安婦問題に蓋をしつつ、韓国に対して有形無形に気を配り、日韓外交の推進役として、自己をアピールしたいという輩ばかり目についた。

そんな中で、耳にするたびに最もいらついたのが無知で無教養なコメンテーターやキャスター、評論家達が訳知り顔で発する"大人の対応"という言葉だ。韓国の一挙手一投足にいちいち注文をつけると相手の土俵に乗って戦わなければならなくなるし、韓国の国民感情を逆なでする、先進国である我が国は大人の対応をするべきだ、という論旨であった。なんかさっぱり分からないロジックであるが、要するに慰安婦問題については何もしない、ということである。その結果どうなったかは、言うまでもない。これは我々の世代だけではなく、子や孫の世代への負の遺産になるだろう。

ではどうすれば良かったか。あるいは今からでも良い、どうすれば良いのか。5月14日のエントリーに既に書いことだが、徹底的に調査をした上で、我々の主張を正々堂々主張すると共に、陰から巧妙に働きかけることだ。そして、韓国の不適切な攻撃については、外交的にもマスメディアを利用した広報宣伝の上でも、毅然としたメッセージを示すことだ。中山成彬氏の主張するように、大半の慰安婦の実態が、単なる従軍の売春婦であったのなら、証拠と共にメッセージを発すべきである。

この種の問題に対する、今の日本人のメンタリティは、残念ながらグローバル化から取り残された島国特有のナイーブなもので、極めて脆弱である。私にとっての日本人の印象は、いつまでも純粋な箱入り息子・娘たち、滅びゆく善人、というものである。

日本人には目を覚ませと言いたい。自己主張しない限り、世界は誰も我々には目もくれない。非難に対して寡黙を貫くことは、その非難に同意し受け入れることを意味する。非難され、それが不適切であるなら、即座に、タイムリーにカウンター・クレイムを返さなければならないのだ。そうでもしない限り国際社会では生き残ることはできない。

燃料費高騰は円安のせいなのか?円安ゴロの跋扈が始まりそうで怖い

2013-05-23 23:14:08 | 政治
全日本トラック協会は、23日自民党本部で決起大会を開き、燃料費を補填する補助金創設の決議を採択したという。円安のせいで燃料価格が高騰したというのだ。


これはきな臭い話だ。そもそも円安のせいで燃料価格が高騰というのは本当なのか。私は為替よりもそもそもの原油価格高騰が影響していると思う。

こちらのリンクをご覧いただきたい。円高であった2011年であっても、ガソリン価格は今と同程度であるし、1ドル117円をつけた2007年であっても現在と同程度か、あるいは安い。こちらの原油価格の推移のグラフを見ると、むしろガソリン価格は原油価格により大きな影響を受けているように見える。

その上で、全日本トラック協会の補助金創設決議を眺めてみると、非常にいやらしい思惑が透けて見える。全日本トラック協会という団体、協会というくらいだから組織票が期待できるであろう。安倍政権の施策の一つである為替適正化の結果生じた円安によって、被害を蒙っているのだから補助金くださいよ、選挙の際は協力しますから・・・という妄想を抱かせてしまうのである。

そもそも2006年~2007年は1ドル120円超えもあったし、リーマンブラザーズ破たんの前は110円程度であった。わずか5年前の話である。その頃、彼らはどうやってトラックを走らせていたのだろう。円安を口実に、時の政府にたかっているだけではないか。こんなことをするから業界団体のイメージは悪くなるし、それに阿る政党・政治家の印象が損なわれるのだ。

日本の標準時を2時間早く・・・猪瀬知事が提案

2013-05-22 23:54:19 | 政治
「産業競争力強化法案(仮称)」に纏わる有識者として招かれた猪瀬知事が提案したようだ。世界で最初に開くマーケットにするのが目的だとか。読売新聞の記事はこちら

かつてシンガポールが標準時を早めた事例はあるらしいが、その狙いと効果はよく分からない。この目論見が効果的かどうかは、やってみないと分からないというところだろう。

私の意見はどうかといえば賛成である。理由は3つ。

長期低落傾向にある日本のマーケットを再び活性化させるには、他との差別化を図る分かりやすいメッセージが必要である。これ一つだけでは弱すぎるが、"世界で最初に開くマーケット"というメッセージは分かりやすい。日本の動向がその日1日の世界の動きをけん引するという認識が広がれば、日本のマーケットの(あくまで)一つのユニークネスに繋がるだろう。ユニークネスは存在意義につながる重要な要素だ。

2点目は、少しでも可能性を感じる施策は、まずはアクションするという積極性が大切と考えるからだ。私の目から見たここ20年の日本のイメージは、石橋を叩いて渡らず引き返す、後ろ向きなもので、それが長期低落傾向に歯止めをかけられなかった一因だと思うのだ。この傾向を打破するにはアグレッシブにチャレンジするというマインドだ。今まさに、アベノミクスの名のもとに、景気は気分次第ということを我々は体験しているところだ。ダメならやめればいい。人心を一新できるものならば一度試してみれば良いのだ。
標準時を2時間早めるというこの提案が季節限定のDaylight Saving Time(所謂サマータイム)導入となるのか、単純に標準時間を2時間シフトするのか分からない。ネットでは、コンピュータ・システム障害や残業時間長期化を懸念した声が大勢を占めるが、逆に言えばそこに新たなビジネス・チャンスが生まれる。また、定時に退社することが出来た日には、長い午後を楽しむことも出来るのだ。退社後、ゴルフのハーフやテニス、夕日を眺めながらのビール等アフター5の需要も喚起出来るだろう。

最後の理由は、アメリカ在住時にDaylight Saving Timeを経験して、非常に気に入ったからだ。夏季、Daylight Saving Time実施中の米国は、日本よりだいたい2時間弱早いイメージだ。私は朝8:30にオフィスに出社していたのだが、日本の感覚だと朝6:30にオフィスに着く感じである。その時間帯の街の雰囲気の新鮮なこと。真夏でも日光は柔らかく、空気は清々しく幾分冷涼で、気分よく仕事を始められる。そして退社してもおよそ20:30まで外は明るい。早く帰宅できた日にはゴルフにいったり、息子とキャッチボールやサイクリングを楽しむことが出来た。個人的な好みもあるだろうが、太陽が昇ったらなるべく早く活動を始めたほうが、健康的で、生活を楽しむことが出来るような気がするのである。

恐らく、反対論が強いのではないかと推察するのだが、一度やってみませんか?と申し上げたい。朝早くから活動始めるのは、なにしろ気持ちが良いですよ。

乙武洋匡氏:入店拒否されたレストランを名指しで批判

2013-05-20 23:24:01 | セレブリティ
車椅子での入店は事前予約の際にその旨通知するのがこのレストランの流儀であるらしく、レストランのWebページにも明記されているとのこと。車椅子での入店を事前通告していなかったため、入店拒否されたというのが事の顛末らしい。気分を害した乙武氏がレストラン名を明記のうえTweetしたため、ちょっとした騒ぎになったようだ。詳しくはこちら

店の対応にも問題があったのかもしれないが、乙武氏の反応については支持できないし、嫌悪感を抱いた。その理由は、彼の持つ、有名人であり身障者であるという、2つの属性に所以する。

気になるのが、有名人が、その知名度を活かして、他者を非難し、それをnetを使って広げている点だ。レストラン・オーナーはその世界では有名らしいが、一般的尺度で言えば無名であり、乙武氏と比較して相対的に弱者である。これは権力者の弱者いじめを想起させる。

身障者は皆で助けるべきである、というのが社会一般の"正しい"態度であるとは思う。しかし健常者は身障者を助けなければならない、更に、健常者より優先されなければならないと、身障者に上から目線で言われたらどうだろう。乙武氏はこんなことを言ってはいないのだが、上記リンク先の記事を読んだ印象は、身障者という属性をたてとした、乙武氏の傲慢さである。弱者を助けるのは当たり前であるが、助けられる側には感謝の念や謙遜さが無いことには、社会は納得しないのではないか。しかも乙武氏は身障者ではあるが、有名人であり、弱者とは言えない(とある劇場で、Audienceとしてやってきた彼を見かけたことがあるが、セレブとして特別扱いされていた)。

とくダネ!田中大貴氏、加藤百合子氏の不見識とプロ意識の欠如。これも偏向報道の一形態か?

2013-05-20 22:35:31 | 政治
通勤する場合は大抵車通勤で、その間様々なテレビ番組の音声を楽しみながらオフィスに向かう。本日5月20日はとくダネ!を聞いていたのだが、例の橋下氏の慰安婦・風俗報道に関するスタジオの反応を耳にして驚いた。

マスメディアを利用し、囲み取材(ぶらさがり取材)に積極的に応じてきた橋下氏が、金曜日に一転、囲み取材に応じないとしたことを問題視していた。何故マスメディアに対する姿勢を180度変えたのか問うたメイン・キャスターの小倉氏に対し、このニュースを伝えていたフジテレビ局アナの田中大貴氏は、何ということか"分かりません"と答えたのだ。あれだけ週末に各局報道番組で、朝日新聞記者の偏向(というか虚偽)報道に対する応えが、囲み拒否であると、事の顛末が報じられているというのに、このアナウンサーはそんなことも知らないようだ。だとしたら不勉強が過ぎる。少なくともマスメディアのプロフェッショナルではない。

この田中氏の発言で、スタジオの雰囲気は、何の理由もなく一方的に逆ギレした橋下氏、何なのこと人、的な雰囲気に包まれてしまった。小倉氏にコメントを求められた加藤百合子とかいうコメンテーターは、事の顛末はよく分からないとしながらも、"何の理由もなく一方的に逆ギレした橋下氏"に対して批判を加え始めた。事実関係がよく分からないにも関わらずよくも、人を貶める発言が出来るものだ。むしろ加藤氏の品性を疑う。

冷静に考えてみると、そもそも田中氏が、橋下氏が囲み取材をやめる理由が分からないことがおかしい。仮に田中氏がスポーツ馬鹿のおバカさんだったとしても(大学まで野球部に所属していたらしい)、番組は制作会社含め多くのスタッフの共同作業で作成されるものだし、本番前にどのような段取りで話を進めてゆくか事前に打ち合わせをしているからだ。そのように考えると、これは"橋下氏が囲み取材をやめる理由が分からない"という発言は、何の理由も無く逆ギレする橋下氏というイメージを意識の低い視聴者にするこむためのお芝居だったのかもしれない。

いずれにしても、この番組が公平な報道をしていない事実をまた一つ重ねたことは確かである。

オスプレイ反対派の無知と、反対活動の滑稽さ

2013-05-19 16:42:37 | 政治
オスプレイ配備に対する反対が根強い。

反対の論拠は、未亡人製造機と揶揄されるに至った開発局面での事故である。
確かに未亡人製造機のエピソードを耳にすると空恐ろしく感じられるが、開発から25年経過した現在のオスプレイの品質と安全性はどんなものなのか。こちらの記事を参照いただきたい。

結論から言えば、事実として、飛行時間10万時間当たりの事故率は1.93件で、海兵隊軍用機全体の平均2.45と比較して、より安全と言えるらしい。

となると反対派の方々の論拠は何だろうか。目的は何なのだろうか。そして、オスプレイを配備しない場合の、対案(埋め合わせ)は何であろうか。反対するという振る舞いそのものについては異論は無いが、大人の議論として成立させるべく、最低限のロジックは用意いただきたいものである。

韓国籍女性:生活保護費不正受給

2013-05-19 16:14:27 | 事件
あるあると言われていたが、やはりそうか、と思わせるに十分な事件であった。
駐留米軍が事件を起こすと、American, Go Home的な報道をするが、この件についてはどうだろうか。テレビ等のマスメディアの論調が気になるところである。小さな扱いで淡々と事実のみ報道するだけのような気がする。

詐欺容疑で逮捕されたのは、許愛栄、54歳。在日ではなかったのか、通名でなくて、良かった。とても分かりやすい。

自由には義務が伴う。言論と報道の自由も例外ではない。

2013-05-19 16:02:26 | 政治
一昨日の出来事であるが、朝日新聞による橋下氏の慰安婦発言についての意図的な偏向報道("誤報"と報道されているが、これは意図的に操作された偏向報道、あるいは虚偽の報道である)を契機に、橋下氏がぶらさがり取材の取りやめを宣言した。

正にその件の報道映像が多数Webサイトにアップされているので確認いただきたい。例えばこのビデオ映像においては、28分48秒以降が、意図的な偏向報道についてのやり取りとなっている。

事実の流れはこうだ。朝日新聞の記者が、橋下氏の発言の一字一句を操作し、恣意的に解釈して、橋下氏の意図とは正反対の報道、つまり(橋下氏は)"慰安婦は必要"(との見解を示した)と報道した。しかし彼の主張は首尾一貫、第二次大戦中の日本軍は慰安婦は必要と考えていたが、自分は慰安婦は良くないと考えている、という方向で一致している。これに関する朝日新聞の言い分は、(あまりに細かい話なのでよく覚えていないのだが)"てにをは"レベルの使い方が正確では無いので誤って捉えられても不思議ではない、公党の党首であれば完璧な文章で発言するべき、というものであった。橋下氏は、これに反応し、ぶらさがり取材にあたって自分は原稿も何も用意せず話している、朝日新聞がそのような主張をするのであれば、(党側で用意した校閲済の原稿を下に)記者会見で応じるしかない、よってぶらさがり取材は本日でやめましょうと、述べた。

これは、橋下氏が全く正しい。と同時に、マスメディアの倫理観、更には存在意義に疑問を抱かせるに十分なエピソードであった。

報道機関がそれぞれ各社の主義主張に基づいて報道することは健全であるし、全く問題は無い。しかし事実を歪曲し、個人を陥れ、国益に反する行為を主導していたとしたらどうだろう。これは立派な犯罪である。そもそも、今問題となっている慰安婦問題をここまでメジャーな外交問題に仕立て上げたのは、朝日新聞の意図的な虚偽報道によるという主張もある。この新聞社のやってきたことを振り返ると、国家転覆とか騒乱とか穏やかではない状況を導こうとしているように感じられる。

ちょっと前に自民党の憲法改正素案が話題となっていた。憲法96条や9条だけではなく、表現の自由に関する21条の改正案が問題視されており、要するに新たに秩序を乱す行為を禁止する条文が入るのがけしからんというのである。

しかし、今回の朝日新聞のようなマスメディアの出鱈目な振る舞いを目にすると、このままではいけないことは明らかである。マスメディアは報道の自由を権利として主張し、やりたい放題である。誤報や恣意的な偏向報道、虚偽報道に対する責任はない。こでは全く公平ではない。自由と引き換えに、責任と義務を課すべきである。

少なくとも憲法に報道の自由に伴う制約や義務の条文を加えると共に、誤報や恣意的な偏向報道、虚偽報道について、懲役も含めた罰則規定を盛り込んだ法整備を進めるべきだと考える。

ちなみに、日本人が大好きな国連による市民的及び政治的権利に関する国際規約において、表現の自由の行使は「特別の義務と責任」を以て為されなくてはならず、「他の者の権利、国の安全、公衆の健康や道徳の保護の目的のため、一定の制限を科すことができる」ことが明記されているようだ。日本国は、これを批准している。

建前を振りかざす滑稽さ

2013-05-18 16:19:45 | 政治
5月13日の週は、橋下氏の慰安婦・風俗産業発言に終始した感がある。日を追うごとに状況は深刻化し、少なくとも日本維新の会に対するダメージは甚大だ。さて今回の橋下氏の発言については5/14に既に触れたので、今回はそれを取り巻く人々の反応について論評したい

容易に想像できたことであるが、橋下氏発言全否定の大合唱である。女性の人権に対する重大なる侵害である、男性の人権に対する侵害でもある、国会議員の資格なし、大阪の恥・・・どんな大悪人なのだろう、橋下氏はと思わせる。

しかし風俗業に従事している女性、合法とされている国で売春業に従事している女性が相当数いるである現実世界で、なぜ女性の人権に対する侵害になるのか全く意味が分からない。男性の人権云々に至っては、世の男性の共感を得るための伏線としか思えない。仮に国会議員の発言としてみたら全く不適切であるのは確かではあるが、国会議員の資格が無いとまで言い切るとは穏やかではない。人格否定ではないか。大阪の恥って一体なんなんだ、この感情的な言い草は・・・ヒステリックに騒ぎ立てて、この機に乗じて自身の立場を有利に導こうとしているかのように見えて、とても可笑しかった。

そもそも橋下氏は初めから慰安婦はよくないと断言した上で、当時の倫理観に基づいて発言していたのである。それが分からないほど、皆さんおバカさんではあるまい。思うにアンチ橋下発言は2つのパターンに分類できると思う。

1.私は全く関係ないパターン
橋下氏に関係していたあるいは近い考え方を持つ人々あるいは団体、軍人の性処理にあたってグレーあるい犯罪的行為に関与した人々あるいは団体、巻き込まれるのが嫌な人々あるいは団体がこのパターンに分類される。具体的には2.以外の政治家・政党、アメリカ政府などである。

2.この機に乗じてパターン
橋下氏を非難するだけでなく、そもそも戦争が良くないというコンテキストで近頃活発な改憲論議に水を差したり、そもそも保守的な考え方は良くないという観点からそれぞれの党勢拡大を狙う一派。
民主党、社民党、生活の党、みどりの風などがこのパターンに当てはまる。

いずれにしても、皆、若い男性にとって性の欲求にまつわる問題は無い、と臭いモノに蓋をした上で、美辞麗句いっぱいの空理空論を訴えている。現実を無視し、"建前"を真剣に振りかざす浅はかな姿は、滑稽である。

ただ、今回のドタバタ劇をシニカルに眺めてばかりもいられない。この結果、慰安婦問題についての検証や議論がタブー化される恐れがある。橋下氏は未だに何やら呟いたり吠えたりしているようであるが、事の重大さを認識し、十分に責任を感じていたいたうえで、事態の復旧と改善をお願いしたい。

西村慎吾氏・・・

2013-05-18 15:42:43 | 政治
面白いおっちゃんである。行き過ぎの感が止むことはないが、保守的な考えを抱く方々にとって、この方の型破りの本音発言は、胸のすく思いを抱かせたに違いない。私自身そうである。

しかし、今回の発言はまずかった。彼の意図するところは理解するし、もしかしたら部分的に当たっているかもしれない。完全プライベートで気の置けない仲間と、クローズドな環境で発せられた発言なら酔っ払いの戯言と、笑い飛ばせる会話だろう。しかし、国会議員という立場、マイノリティである在日韓国・朝鮮人の感情(真面目にやっている人も多数いるであろう)、米国も含め波紋の広がる国際世論を考えれば、全く肯定できない。日本維新の会を除籍となり、議員辞職勧告の話もあるようだが、やむを得ないかもしれない。

ところで、問題発言のビデオをニュース番組で目にしたのだが、頬が赤らんでいた。ひょっとしたら酔っていたのだろうか・・・だとしたら正に酔っ払いの戯言であるが、それこそ救いようがない状況である。

日本復古の会♪

2013-05-18 15:25:53 | 政治
慰安婦・風俗産業・韓国人売春婦発言を機に日本維新の会の面々をメディアで目にする機会が増えた。最近の政治家は、政党や自治体・省庁など所属団体のメッセージを散りばめたパネルを背に発言することが多いが、今回気づいたこと、それは日本維新の会の英語名称だ。

日本維新の会の英語名称は、Japan Restoration Partyというらしい。結論から言えば、これでは「日本"復古"の会」と読めてしまう。党員の中には復古的な方もいらっしゃるかもしれないが、復古の会というネーミングは橋下氏はじめ主要メンバーの意図するところではないと思う。英語名称の改名をお勧めする。

推察するに、Japan Restoration Partyという英語名称は、明治維新の英訳であるMeiji Restorationを参考しているものと思う。明治維新は、言い換えれば王政への"復古"であり、よってRestorationというネーミングは適切である。Restorationは復元、復旧という意味であり、それが転じて、政治体制の王政復古をも指すようになった。"維新"の持つ政治体制や社会の革新という意味を、Restorationは持っていない。

つまり、海外では、"日本王政復古の会の党首が、第二次大戦中の日本軍の戦争犯罪を肯定するかのような発言を繰り返している"と報道されているのだ。これでは何かとんでもないことがこの国で起こっているかの印象を与えてしまう。たかが名前と思われるかもしれないが、政党名はその党の理念を表現したものと一般に理解されるのだから、もう少し注意するべきであろう。

橋下徹の慰安婦発言:TPOを弁えてはどうか

2013-05-14 23:55:11 | 政治
橋下氏の慰安婦発言が話題になっている。どのようなコンテキストで発せられたのか詳しくは知らないのだが、要旨は次の3点に集約できそうだ。

1.第二次大戦中、慰安婦としての従事を強制させられた韓国女性には謝罪するべきである。
2.高度のストレスの中、軍務に従事する兵士にとって慰安施設は必要である。
3.沖縄駐留米軍は、日本の合法的な風俗産業を利用してはどうか。

仮に慰安行為の強制が事実なのであれば、1.に関しては基本的に同意である。ただし金銭を含む補償という点については、日韓基本条約との整合性が求められるのは言うまでもない。

2.に関しても、基本的に共感できる。一般論として、若い健康な男性が強い性欲を抱いていることは否定のしようがない(その結果として我々人類は営々として子孫を紡いで来たのである)。戦争という異常な状態の下、抑圧され続ける中で、健康な男性が、理性に反して性欲を暴発させてしまう可能性は容易に想像し得る。実例はいくらでもある。歴史を紐解けば、洋の東西を問わず、兵士による強姦は枚挙に暇がないのだ。戦争という無秩序状態においても、少しでも一般市民への損害を軽減するためには慰安施設により性欲の充足を図ることは理にかなった対策といえる。

3.に関しても、同じく共感できる。本国を遠く離れた兵士達には欲求の捌け口が必要である。相手の合意の上に成り立つ合法行為であれば、それを否定する理由はない。特に日本のマスメディアは米兵による性犯罪を含む犯罪行為については敏感である。ともすれば、このような犯罪行為を繰り返す米軍の駐留は許せないと言った論調で、日本のNational Securityの根幹である日米安保条約に否定的な論陣を張る。日本の国益を擁護するうえでも、性犯罪未然防止のため、合法的風俗産業を活用するという考え方は、あり、だと思う。

つまり、私は橋下氏のこれらの発言に共感できるのであるが、それであっても、彼は今このタイミングでこのようなことは言うべきでは無かったと考える。

その理由として、特に2.と3.に関しては、論争を巻き起こしかねない(controversial)、微妙な話題であること。そして今それを口にすることで、我が国(あるいは日本維新の会)にとっての恩恵は期待できないことである。

容易に想像できたことではあるが、福島瑞穂等女性議員は、2.に関して、女性の人権を否定した発言である、として、橋下氏を強く非難している。慰安行為、すなわち売春は人類最古のビジネスの一つとも言われており、今も多くの国で合法的ビジネスである。慰安行為全般を女性人権の否定と断ずることは、合法的売春行為に従事する女性の存在を無視、ないしは否定するもので、取るに足りない浅はかな発言である。しかし、国内ですら慰安婦問題については国論が二分されている上に、海外では、慰安婦強制連行を認めない恥知らずな日本という感情論も根強い。このような状況下で、いきなりこのような発言をしても、慰安婦問題を正当化するための見苦しい言訳と、受け止められるのが関の山であろう。

また、3.に関して米軍の立場から言えば、余計なお世話である。それどころか米軍を侮辱する発言として捉えられてもおかしくない。軍という組織を維持していくうえで規律遵守は絶対である。規律違反を許していたら軍隊は成り立たない。そして彼らは買春を禁止しているのである。そんな彼らに、性犯罪を抑止するために買春するべきである、と言っているのだ、橋下氏は。軍組織の(犯罪抑止の)ガバナンスを疑い、規律の改悪を一方的に放言しているのである。これでは、軍関係者のみならず米国政府の面目丸つぶれである。正論かもしれないが、これでは誰も耳を傾けない。

では、どうすれば良かったのか。

まず第一に、このような発言は慎むべきであった。日本は国際社会に対して、このような発言(特に2.)を発信する準備をしてこなかったし、相手方にも受け止める土壌はない。

二点目として、慰安婦問題を徹底的に調査し、事実関係を明確にするべきである。その上で、国民に対し、日本国の立場を開示し、啓蒙する。

そして、最後に、海外諸国(政府、議員、メディア)に対して慰安婦問題に対する日本の立場の理解に努める。ここまでしてようやく、今回の橋下氏の発言に公平に耳を傾けようという準備が整ったといえる。

橋下氏は、米国はずるい等々、お得意のTwitterで情報発信しているようだが、残念ながら子供っぽいという印象を抱かざるを得ない。ある種やんちゃ坊主的なキャラでこれまで売ってきた訳だが、複雑な利害関係が絡みあうこの種の問題については、マネジする能力が不足していると言わざるを得ない。国会議員の一人が、橋下氏には国政に参加する資格は無いと非難していた。資格は無いというのは言い過ぎであるが、少なくとも国政を担うためには、自身の発言や行動に先を見据えた戦略が求められると考える。