Paradise for Stupids

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ソーシャル・ディスタンスは不要

2020-07-13 14:36:23 | Covid-19
"マスクをしていたらソーシャル・ディスタンスは不要"

7/12 Sun TVタックルにて、宮沢隆幸氏はこのように発言した。氏によると、マスクをしていない場合のみソーシャル・ディスタンスを維持すればよい、それで感染は防げるそうである。映画館で両隣を他人に囲まれても問題ないとも。人間は群れるとどうしても会話をする(し、より密なコミュニケーションを取る)生き物だ、と食い下がる愛知医科大学教授の三鴨氏をも一蹴。

"1人でも自殺者を減らしたいんですよ、自殺者のほうが悲しいことです。"

このように宮沢氏は論点をずらして嘯き、これに木村盛世氏が同意する。どうやらお二人による「マスクをしていればソーシャル・ディスタンスは要らない」説は、経済を活性化して自殺者を増やさないための主張らしい。

緊急事態制限解除後、出歩く人は増えたが、飲食店の大半は空いている。政府がいくら安全だと言っても、その裏付けの統計情報を見せられても、不安を拭うことは出来ない。経済活動は、人の心理に左右されるものであり、それが故に、行動経済学なんていう流派もある。なんらかの意図を以て人々の振舞いを変えさせるのは容易なことではない。経済活動を回復し、活性化させるには、人々を心理的に安心、納得させる何かが、必要だ。PCR検査、ワクチン、特効薬等はそのような文脈で注目されている訳だが、それらを無視・軽視・揶揄するお二人が多くの人の支持を得るのは難しいだろう。
また、警察庁の統計によると、自殺者は増えてはいないようだ。むしろ減っている。その理由は判然としないが、少なくとも、現時点では、自殺者を減らすための施策として「マスクをしていればソーシャル・ディスタンスは要らない」説を主張するのは合理性に欠けると言わざるを得ない。

宮沢氏は京都大学ウィルス・再生医科学研究所所属の准教授で、ウィルスの専門家だという。木村氏の今の所属は分からないが、医師免許はまだ保有しているようだ。いずれにしても経済政策は彼らの専門分野ではない。専門外には口を出さない方が良さそうだ。


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