Paradise for Stupids

愚者の楽園たるこの国周辺で起こる愉快なことをつぶやきます

税金って再分配なんだから、なんとか1000円行って欲しいですね。

2013-07-06 23:22:40 | 社会
盛り上がっていた話を白けさせる人ってどこにでもいる。一つのテーマがいい感じで展開して新たな知見を生んだり、共感を呼んで来たのに、その流れをぶち壊してしまう輩だ。そんな彼らの主張は、決まって取るに足らないつまらないことだったり、話の本筋と全く関係ない話だったりする。

本日2013年7月6日、TBSの情報7days ニュースキャスターでは、東京都内のビアホールの盛況ぶりを取り上げ、景気回復の兆しを報じていた。つられてスタジオの中も景気の良い話で進んでいた中で、明治大学教授の齋藤孝氏は言うのだった。

「学生は(景気回復は)まだですね。・・・中略・・・アルバイトの最低賃金1000円欲しいですけど、まだギャップあるので、何とかしてほしいですね。・・・中略・・・税金って再分配なんだから、なんとか1000円行って欲しいですね。・・・中略・・・(もともと)お金がある場所に、(お金が)集まってしまうのが問題。」

安住アナは適当に受け流し、話題は白けた雰囲気の中で終わってしまった。氏の発言が話の流れを、何か面倒くさい袋小路に追い込んだのは明らかだ。

氏の発言を言い換えれば、最低賃金と実際の賃金のギャップは、税金で埋めるべきと仰っているようだ。「お金がある場所に、(お金が)集まってしまうのが問題。」というのは分かりにくいが、投資の結果として資本の回収をするような行為を否定しているようにも読み取れる。ひょっとして資本主義を否定したいのか。

このコメント一つ取っても、氏の思想信条、そしてその浅はかさが分かる。社民党や共産党、あるいは例のマニフェスト(笑)で評判の民主党が提唱する極端な社会保障重視政策と重なることは明らかだ。私は社会保障制度を否定するものでは無いし、しっかりしたセーフティーネットを設けることは最低限の文化的生活を送るうえで必要であることは言うまでもない。しかし、度を超した社会保障とそのテクニカルな財政的裏付けである再分配機能の過度な活用は、社会から活力を奪うだけではなく国家財政の窮乏を招きかねない。なにより日本は、単純にバランスシートの観点で断じれば、財政破たんとみなされてもおかしくない状態である。この状況を脱する現実的な方策として、現政権はまずは経済を活性化し、その結果として所得向上を目指していることは、'12の衆院選以前から盛んに報道されてきた。それを受けて、言っているのがこの程度のことかと思うと、情けなくなる。

一応東京大学法学部卒で有名私大の教授職を務めているようなので、勉強は出来るのかもしれない。だが、以前論評した植草一秀氏と同様に、現実世界における物事の処し方が全く分かっていないように見受けられる。そういえば、この御仁は、かつて幼少期の英語教育不要を唱えていた。こんな現実離れした荒唐無稽なことばかり言ってるから、海千山千の政界・官界・実業界から「学者風情に何が分かる」と馬鹿にされるのだ。実業界とタッグを組んで新たなビジネスを発明・創業し、時には政治家として国をまとめる欧米の学者の爪の垢でも煎じて飲んでほしいものだ。

またTVメディアは、コメンテーターと呼ばれるロールの意義をよくよく考えるべきである。見識の低い、素人の意見など聞きたくはない。まぁ、特にTBSだから永遠に無理だと諦めてはいるが。



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