「米国がくしゃみすると、日本は風邪をひく」
米国への輸出依存度が高かった時期によく使われたジョークだ。しかし、政治的には依然として「米国が風邪をひくと、日本も風邪をひく」関係が続いているようだ。
11月の米大統領選に向け民主、共和両党予備選は大詰めを迎えている。ブッシュ政権の不人気ぶりから本選は民主党有利との見方が一般的だ。
共和、民主党間で政権交代が起きると日本もその前後に決まって政変が起きている。近くは共和党のブッシュ現政権が発足直後の01年春、森喜朗首相は任期途中で退陣、小泉純一郎首相が登場した。
父・ブッシュ大統領の再選を阻んだクリントン政権(民主)がスタートした93年は、55年体制以後、初の非自民党政権となった細川護煕政権が誕生している。
80年の大統領選は、共和党のレーガン候補がカーター大統領(民主)に勝利した。自民党反主流派の造反で内閣不信任案が成立。大平正芳首相は解散に踏み切り、初の衆参同日選になった。しかも選挙中に急死した大平首相への同情票で、自民党が大勝した。
その4年前の大統領選では民主党が政権を奪還した。日本でも初の任期満了の総選挙が行われ、自民党は後退。三木武夫首相に代わって福田赳夫首相が選出された。
戦後政治を生き抜いた中曽根康弘元首相は「偶然の一致だ」と解説する一方で、レーガン大統領との「ロン-ヤス」関係を引き合いに「対日関係を重視するのは共和党政権だ」と、強調する。民主党政権となれば、福田政権の前途は一段と容易ではなくなる。(論説室)
毎日新聞 2008年3月1日 東京朝刊
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