わが輩も猫である

「うらはら」は心にあるもの、「まぼろし」はことばがつくるもの。

生涯モーグルの道=佐々木泰造

2009-02-08 | Weblog



 トキめき新潟国体のモーグル競技(2月17~19日、十日町市)に出場する。国体のモーグル開催は7年ぶり2回目。W杯出場選手を含む滋賀県代表4人の1人となる幸運に恵まれた。

 41歳でモーグルを始めて10年になる。ストレスで仕事を休んでしまい、トンネルの出口を探して、39歳で初めてスキー場に行ったのがきっかけだった。

 こぶが連続する急斜面を滑り、途中で2回、ジャンプしてエア(空中演技)をする。競技としての歴史が浅いから、誰も気づいていない上手なターンやエアのやり方があるかもしれない。努力と工夫次第で上位進出の可能性があると信じ、物理の受験参考書も引っ張り出して、技術革新に取り組んでいる。

 現在、モーグルなどのフリースタイルスキーの競技者として全日本スキー連盟に登録しているのは男子591人、女子146人。男子は半数が30代だ。さすがに50代以上は私1人だが、40代は61人いる。女子も30代が3分の1を占めている。多くの選手が私と同じように仕事を持ちながら、休日だけの練習で競技を続けている。

 生涯スポーツに出合ったおかげで、51歳の私の体は20代よりたくましい。年とともに衰えると思っていた肉体で、20代にはできなかった宙返りもできる。何より、どんな難題にも立ち向かおうと気持ちが前向きになり、仕事に対する意欲がわいた。

 新潟国体は度重なる災害を乗り越えて元気な新潟の姿と、全国から寄せられた温かい支援に対する感謝の心を伝えようと開催される。その場に立てることに感謝しつつ、生涯スポーツの道が広がるよう、今持てる力のすべてを出しきりたい。(学芸部)




毎日新聞 2009年2月1日 大阪朝刊


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