Ques.
まだ使える家電製品を買い替えることは、環境保全に反するのでは?
Ans.
エネルギー効率の低い旧型の家電製品を使い続けることで、余分にエネルギーを使用し二酸化炭素を排出することになるため、本制度では省エネ効率の高い製品への買い替えを促進するものです。
環境省のホームページ。エコポイント制度の「よくある質問」コーナーに並ぶQ&Aの一つ。痛い質問を載せた勇気は評価するが、やはり答えに無理がある。素直に「これはエコロジカル(環境配慮)のエコでなく、エコノミック(経済配慮)のエコです」と書いてあれば、なるほドリも「!」と納得しただろうに。
何が無理があるといって、大型家電ほど付与ポイントが高いことだ。特に薄型テレビ。10年近く前の29型ブラウン管テレビを、最もポイントの高い46型以上の薄型に買い替えると、大半は消費電力が増える。42型でも同様で、ようやく32型で下回る例が多くなる。価格相応のポイントスライドだが、環境の方の「エコ」を目指すなら、思い切って一律にしてもよかった。
例えば一律2万ポイントとすれば、店頭価格6万円台の省エネ評価五つ星・26型液晶テレビは実質4万円台で買える。2人世帯で定額給付金を充てれば持ち出しは2万円を切り、共に65歳以上なら数千円で済む。ポイント対象に薄型テレビを入れたのは、残り2年余となったアナログ停波を前に、地デジ視聴テレビを普及させる目的もあるはず。買い替えが進まない高齢・年金世帯も、これなら手が出る。
一連のばらまき政策には反対だが、続けるならせめて看板と制度のずれは修正してほしい。次の内閣で見直しを検討願えないだろうか。(報道部)
毎日新聞 2009年5月24日 東京朝刊
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