観て、知る戦争

クラウドファンディングで集まった資金をもとにつくられたアニメ「この世界の片隅に」はもちろん、様々な戦争に関連する映画や動画がＧＹＡＯ！で無料配信（ここをクリック！）されています。
「この世界の片隅に」をまだご覧になっていない方は、ぜひおすすめします。
また、いくつかある映画では「戦争と人間」３部作をおすすめします。
始まりは、第一次世界大戦で戦勝国となりながら、世界恐慌のあおりで不況にあえぐ日本。
日清・日露戦争で、台湾・朝鮮を手中にし、中国東北部の権益を確保するため、財閥と結託し、陸軍が暴走していきます。

昭和３年６月４日張作霖爆殺事件を引き起こし、満州事変へ。
歴史年表をなぞるように、さまざまなドラマが展開していきます。
日活のスターが総出演で豪華な顔ぶれが揃います。
もちろん、栗原小巻さんや吉永小百合さんも出演されて、コマキスト、サユリストなら見逃せません。

３部作の終わりは、満蒙国境紛争・ノモンハン事件。
アメリカ、イギリス、ソビエト（現ロシア）を過小評価している日本陸軍がソビエトと交戦し、大敗北を喫したにもかかわらず、現地指揮官の処分に終始し、教訓を生かすことにつながらなかったのです。

重砲兵隊員としてノモンハンを体験した方の話を聞いたことがあります。
地平線の向こうに戦車の砂煙が見えていたと思ったら、あっという間に囲まれ、重砲で水平打ちをするしかなく、歩兵のように塹壕など身を隠すものがなかったために、しまいにはただ身を伏せるしかなく、状況を見ようと顔を上げれば撃ち抜かれ、伏せたまま戦車に踏みつけられるかだったそうです。
ところで「アカ」とレッテルを貼られた初年兵が上等兵に上靴（革製のスリッパ）で殴られるシーンがあります。

身長が145cmしかなく、徴兵検査で乙種だか丙種合格だった父は、赤紙が来てこう思ったそうです。
「８人兄弟の惣領として生まれて、弟・妹を負ぶいながら畑仕事を手伝ったせいで身長が伸びなかったのに、その事情も考慮しないで、甲種不合格のレッテルを貼り、お国の役立たずと陰口されたにもかかわらず、戦地に召集するというのは、日本の負けがこんで、兵隊が足らなくなったからだ」と。
戦地に行けば、厄介者扱いで、上官から上靴で叩かれ続け、いつも顔はまん丸に膨れていたそうです。
父から戦地の話は尽きませんが、母は空襲のない横須賀で海軍士官の下宿屋の娘だったので、戦争中は何ひとつ苦労することがなかったために、遺品整理したアルバムの中に下写真のような絵葉書が貼ってありました。

新型コロナウィルスとの戦争が世界的に続いています。