メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

デサフィオス・マエストロス 4

2009年03月05日 07時54分51秒 | プラクティカ X
ついに今年もXで 「デサフィオス・マエストロス」が始まった。

http://www.practicax.blogspot.com/



オレ的には数あるブエノスのタンゴイベントの中で一番おもしろい企画だ。



毎週2組の人気ダンサー達が対決する。

去年レポッタのを覚えている人も多いと思う。
http://blog.goo.ne.jp/menpintango/e/e03e1448f30bc17fed7e2a211da3bd5b







簡単に説明すると毎週2組のパレハが同じテーマでクラスをやる。

持ち時間 があって最初30分ずつ、あとで10分ずつが与えられる。

このクラス自体でもすでに先生としての力量を比べられ面白いのだが、メインはデモ。



デサフィオの期間中は入口で紙をわたされる。
そこには質問が書いてあって、




どちらのパレハに先に踊って欲しいか?

と、

どのオルケスタで踊って欲しいか?(2つ)




を客が選べるのだ。
もちろん集計して多数決を取るので自分が選んだとおりになるとは限らないが。



つまり観客はもちろんダンサー自身も
音楽がかかるまで何を踊るのか分からない


ほんとに完全即興のダンサーのミュージカリティーを試される企画なのだ。


そして最後にカンビオ・デ・パレハ(パートナーチェンジ)して踊るのも見もの。
ほんとにリード出来てるのかフォロー出来てるのかが良く分かる。 








最初の対決は  (昨日)

アドリアン&アレハンドラ    オラシオ&セシリア

いきなりオラシオ&セシー登場。
最近ヨーロッパで人気上昇中のアドリアン&アレハンドラ。




2週目は  

ガストン&モイラ    パブロ・インサ&マリエラ

去年まんまカンビオ・デ・パレハをした2組。
パブロ・インサもおもろいこと考えるなー。
やっぱり見たい! ガストン&マリエラ パブロ&モイラ!!




3週目

パブロ&ノエリア    フェデリコ&イネス

現在「タンゴ・サロン」と言えば パブロ&ノエリア。
イネスは'07年サロン世界チャンピオン。
でも2組ともカンペオナトの時みたいにウルキサ系ではない。
前傾V字モデルノ系サロン対決。
これもおもしろい。
 



4週目

マリオ&アナベラ    エステバン&クラウディア

一昨年も対決した2組。
レポったの覚えてる人は少ないかな。
大変なことになってた。
リベンジ出来るのか?




最後の対決は

チチョ&フアナ    フリオ&コリーナ

巨体対決。
3、4年前全盛期だった超人気ダンサー2組。(フアナは除く)
「ヌエボ」と「サロン」と呼べばまったく違う踊りのように聞こえるが、互いに仲が良く情報交換もしているので踊り方は似ている。
違いはクローズの時が多いか、オープンの時が多いか、くらいである。
これもおもしろそうな対決だ。






と、勿体ぶっといてもうレポはしないのでダンサー紹介だけ(ときどき)していくよん。




タンゴ・ヌエボ その2 マニアック・タンゴ用語辞典

2009年03月02日 00時54分29秒 | マニアック タンゴ辞典
「タンゴ・ヌエボ」

どうやら 「アストール・ピアソラ」 から使われだした言葉らしい。





ピアソラは天才だった(ちょっと変わってた?)ので、もともとあったタンゴと外国で習ってきたジャズやクラシックなどの音楽をくっつけて曲を作ったわけだ。

つまりタンゴのリズムを取りつつもジャズで良く使うリズムパターン、クラシックで使うようなメロディーなんかを盛り込んだりして曲を作っていった。





ピアソラが出てきた当時は誰もこんな音楽聴いたことなかったわけだから、

「こんなのタンゴじゃねぇ!」 

と、みんなが言ったのもむりはない。普通には踊れないし。






かなり斬新だったもんで、「タンゴ・ヌエボ(新しいタンゴ)」と呼ばれるようになったわけだ。





彼の影響を受けたプグリエセ  も

「こんなのタンゴじゃね~っ!」 

と言われていたようだが、
(明らかにそれまでのダリエンソやディサルリなどのタンゴとは違っていた)

プグリエセのはピアソラほどぶっ飛んでなかったので「タンゴ・ヌエボ」とは呼ばれないでいつの間にか「トラディショナル」になったようである。











ピアソラが認められ始めるのは20数年前、リバローラたちがバレエの要素などを盛り込んで新しいショータンゴの基礎を築いた「タンゴ・アルヘンティーノ」以降の話。

世界的にヒットしたこのショーのお陰でアルゼンチンでもピアソラが「タンゴ」だと認められ、逆に現在のショータンゴではこのピアソラと派手なガンチョやサルトなどのある新しい踊りが定番となった。 





20数年前当時はこういう踊りも

「あんなのタンゴじゃねぇ!」 

と呼ばれたが当時日本を含む多くの国に輸出されたのはこの踊りであった。




そしてたったの20年の間にこのタイプの踊りはショータンゴでは「トラディショナル」と呼ばれるようになっている。









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踊りの中で音楽用語だった「タンゴ・ヌエボ」という言葉が使われだしたのは10年ほど前からのようだ。



ファビアン・サラスなどがデモでピアソラやタンゴ・エレクトリコを使い始めてからのこと。
(ファビアンが呼び出したという説と外国人達が呼び出したという説があるが不明)






前記したようにナベイラは否定しているが実際にはナベイラやファビアンたちの踊りがそう呼ばれるようになってしまった。




ナベイラはトラディショナルな音楽でしかデモらない。

よって使う音楽ではなく、彼らの踊り自体が上記のショータンゴやそれまでの現在トラディショナルと呼ばれているタンゴと違うところを探すと、


昔は使わなかったような技 を振り付けではなく、
前回のタンゴの基礎に基づいたリードで行っているということくらいである。





つまりそういう技、彼らが使い始めた技や彼ら以降に新しく発見された技が「ヌエボ」な技と呼ばれているということになる。
(実際には昔から使われていたのにヌエボな技と思われているものもある)








簡単にリストを上げてみると、




コルガーダやボルカーダ、
ソルターダ、
4ta.サカーダ、
ガンチョ・ア・ファボール、
ボレオ・ア・ファボール、
フリーズ、
アトラパーダ            etc…




などが現在「ヌエボ」と呼ばれているような技である。
(もちろん全て前回の基本ルールに基づいて作られている。
             つまりトラディショナルの応用技)








一般的な認識や前述の服装などでのダンサーのイメージなども考慮に入れて

このブログでは、





上記のような技を 「ヌエボ技」


ヌエボな技を多用するダンサーを 「ヌエボ系ダンサー」






と呼んでいる。

これがこのブログでの「タンゴ・ヌエボ」「ヌエボ」という言葉の使い方だ。















そしてこのブログではよく、「~系~」などという言葉を使っているが、
もちろん「~系」という言葉が流行っているから、ではない。

「ヌエボ系ダンサー」もヌエボ技を使わなければトラディショナルダンサーと区別が付かないからだ。



つまり、普段デモるときに どの要素を多く含んでいるか? ということ。

ヌエボ技を多用し、ウルキサの特徴も多く含んでいれば
         「ウルキサ系ヌエボダンサー」のようにもなる。

ヌエボ技を多用するか、ずっとミロンゲーロで踊るか等もその時のダンサーの気分次第。

実際すべてのダンサーが自分の好きな踊り方をしてるのだからしょうがない。
ほとんど全ての踊り方に定義がないわけだし、はっきりした分類分けも不可能だ。









去年まではガブリエル・ミッセと組んでばりばりトラディショナルな感じだったアレハンドラ・マルティニャンもヌエボな技を多様する男性と組めばこんな感じになる。
(男がショボすぎるけど。おっと批評しちゃダメなんだった









女性ダンサーは前回のタンゴの基礎にそってフォローしているので分類分けは難しい。

その時踊る男性によって変わる。
男性がトラディショナルな感じで踊ればトラディショナルだし、ヌエボ技を多様すればヌエボだ。









ただ、このブログで使っているこういう分類分けはあくまでも読者の方がクラスなどを取る時の参考になるように目印 として使っているだけで、
さっきも書いたように 全員が違う踊り方をしている し、
どう踊るかはそのとき次第 なので、
実際には 「あまり意味を持たない」  ということを覚えておいてもらいたい。






タンゴの基本システム マニアック・タンゴ辞典

2009年02月27日 00時04分38秒 | マニアック タンゴ辞典
タンゴを踊るためには タンゴのルール を理解しないと踊れない。




サルサで言えば、「123、567、」を自力でステップする、といったような基本である。
(男性がステップしているのに女性がツっ立ってたら踊りにならないでしょ?)









タンゴの「リード&フォロー」の基礎(ルール)を解析するとこうなる。







1、お互いが相手の正面を探しあう。  




2、自力で移動する。  








この2つが2人でタンゴを踊るための基本ルールだ。






たったの2つ、これだけのことなのだが実際にこれを出来るだけ上手くこなすためには、
かなりの身体のコントロールが必要になってくる。


姿勢や筋肉の使い方など、いわゆるテクニック(「ディソシアシオン」がいい例)。

みんなそれを習ってるわけだ。










この2つのルールを使うことによってタンゴの踊りは成立する。


例えば、、、
 
「ヒーロ」は、 

男性が回転することによって正面が移動する。
女性はそれを追いかけていくために男性を中心(軸)とした円運動を行うことになる。



「サカーダ」は、 

相手が現在いる場所(人)を「sacar(取り除く)」こと。
男性が女性に次の位置を正面の向きを変えることによって指示しながら、女性が動くと同時に現在女性がいる場所に移動する。
(男女反対ポジションのバージョンもあり)









このようにこれらを理解することによって様々なステップが自由に作り出すことが出来る。

出来ることは無限にある。
(「タンゴのステップに間違いはない」 某映画 より)









これを理解した素晴らしい踊り手達が独自の新しい技を発見し広め、この100年ほどの間タンゴは進化し続けてきたわけだ。


ほんの数十年前まではクロスもなかったし、ヒーロもオーチョもなかった。


現在ある「トラディショナル」なタンゴも新しい技、テクニックが少しづつ増えていって現在の踊り方になっている。 









つまりどんな踊り方のタンゴも(もちろん振り付けは除く)、
この2つの基礎(ルール)の上に成立している。








そして15年ほど前からナベイラたちがこのタンゴの基礎(ルール)を元に、コルガーダやボルカーダ、4aサカーダなどを発見していく。

(実際にはコルガーダも小さいものは前からあったし、ボルカーダはガビートの得意技、4aサカーダはサカーダをいつもと違う進行方向に入れただけでしかない)





新記録!!

2009年02月22日 18時35分40秒 | 日本旅館
オレはかなり「モノ」持ちがいい。




だいたい2年くらいのものが多い。
1年以内になくなることは珍しい。




今までの最高は4年だった。






先月初め、年明け早々 の話である。







いつもの如くごそごそと袋をあさっていると、大事にしまってあるやつが目 に止まった。

ちょっと高級品なので他のものより大事に取ってあったのである。

「そういや、これっていつからあるんやろ?」

今まで気にしたこともなかったが、とうとう日付を見る時がきた。







そこには小さく、こう記されていた。






    2004.1.15








もちろん「賞味期限」である。



商品名 「あさげ」





ほぼ5年か。
さすがのオレも た。








ブエノスに来た人たちが帰り際 に残った食材を置いていってくれる。

ここでは日本食材は高級品なので大事に取っておくのだ。
ちょっとくらい賞味期限が切れてても日本の商品ならぜんぜん問題ない。



余った食材は何でも頂きますので みなさん帰る前にはお声がけください。









インスタント味噌汁の中でも「あさげ」系の高級味噌汁は美味しいので大事に取っておき、先にビニール袋に入った10個パックの味噌汁などから食べてしまう。

いわゆる ビンボー症 である。




もちろん今までにミスを犯したこともある。



「明太子やたらこのパスタソース」は賞味期限後1年も経つと味が変わって全然美味くない。

大好物の「ちりめん山椒」(しかも瓶詰めの超高級品)はカビが生えて「すっぱく」なってしまい泣く泣くすてた。
(「すっぱい」って分かるってことはカビが生えても喰ったってことだな)








さすがにそろそろ喰ったほうがいいだろうと思い袋を開けた。




味噌が赤い、、、 





オレの記憶では「あさげ」「合わせ味噌」のはずなんだが、、、




お湯をかけて食べる。



、、、やっぱり「赤味噌」の味がする。





どうやらアルミパックでも、長年熟成すると「合わせ味噌」「赤味噌」に熟成されるようである。







「合わせ」より「赤味噌」のほうが好きなので嬉しいはずなのだが、不思議な気持ちで3パックとも食したのであった。







2009年 1月 8日

じつに「あさげ」賞味期限5年後まで、1週間 の出来事であった。







ビデオ

2009年02月19日 11時37分17秒 | イベント
「タンゴ・ヌエボ」について書くっちゅーことは「タンゴの基本」について書くっちゅーことで、タンゴの仕組み、リードシステムについての総まとめを書くっちゅーことだな。


つまりこの辺が「テクニック 巻の弐」 になるのかな。


大変なんでがんばってまとめます。








今回はこの前のデモの話の続き。




1月9日にやっと Kumita 到着 ! 



もう4回目なので慣れたもんっちゅーより、ちょっと旅行に行ってて帰ってきた感じ。
ミロンガで会う人たちも「最近ミロンガ出て来てなかったね」程度にしか思ってない人も結構いた。


しかし4ヶ月のブランクはないはずはない。
去年帰ったときは真っ白になって帰ってきたのでそれに比べれば全然マシだがやはり大分レベルダウンしてる。






今回はビデオカメラ を仕入れてきたというので早速自分達の踊りを見てみることにした。








「うげっ!」




こ、これは、見物にはならん。。。





ちびまる子ちゃんのように顔に簾をたらして固まってる Kumita はおいといて自己診断。










たしかに今回は何も考えずに踊ったというのもあるがまったく曲全体の中にドラマ性がない。

ただ踊ってるだけ。

これははっきり分かり易い見せ場を前もってどこにするか決めておいた方がいい。

ほんとに100パーセント即興型だと発想が思いつかなければ盛り上げどころがないまま終わってしまう可能性がある。
プロでもそういうデモはしょっちゅうある。



それと選んだ「Sinsabor」
踊ってる感覚より見た感じはかなり遅い。
遅いとテクニックの「アラ」がバレバレなのだ。






そして決定的なのは一つ一つの動きが微妙に音に合ってない。

ミロンガで踊っているとよく「ミュージカリティいいねー」とか「細かい音まで表現してていい」などと褒められることが多いがそれはあくまでも内面的なことでしかない。
踊ってる当人達は外からは見えない。
その瞬間の「感覚」が音楽のイメージに近いかどうかでミロンガでの音楽性が決まる。


デモでは、ミロンガで人を避けながらの小さい動きで限られた範囲での微妙な「感覚的」な音楽性とは違うのだ。



女性の身体の動き(リード)を意識しながらも自分自身の細かい動きにまで気を回さなければならない。








単体の音 の動きの表現は


1、踏む音そのもののイメージ。踏み方、体重移動の速度など。


2、音から音の間 の表現。  取った音から次に踏む音までの間。
 楽器の流れに合った動きはこの部分が特に重要。
  



どうも2から1へ移る瞬間が上手く繋げてないようだ。
それが微妙に合ってないように見える原因。


「音の繋ぎ目」はさらに滑らかな動きを「見た目」にも「感覚的」にも作りだすことができる。









「音楽性」以外でミロンガで踊っていてオレがよく女性に褒められるのは「ソフト&クリアーなリード」

ソフトリードは手リードやパワーリードを使わないので当然として、微妙な歩幅のコントロールや移動位置が確実に指定できなければ混んでるところでは人に当たってしまう。
(バイク便だったので混んでるミロンガで人に当たらないで踊るのは得意)

しかしこれも周りに人が踊っているところで、他の人がどう動くのか予想しながら空いてる場所を探して上手く踊れるということでしかない。
つまりリードの動きが小さくて済むのだ。





1組で踊るデモでは もっと大きな全身の動き が要求される。
        
身体全身の大きな動きはよく見えるというのもあるが、なおクリアーでソフトかつエネルギッシュなリードを生み出す。






その日のシークエンスのリード&フォローさえ出来てれば誉められるクラスとミロンガで踊っているのとだけでは分からないことがしっかりビデオに映ってきたわけだ。





             ぼーぜん。。。   とする二人であった。