痔なんです。

快適に生きる。
その非常に重要な要素に、お尻周りの環境をよくすることにあると思う。
学生時代から授業内外を問わず、おなかのトラブルに巻き込まれてきた私にとって、それは生きることと言ってもよいくらい重要なことだと考えている。

記憶に新しいところで言えば、新婚旅行のパリでは、何度もトイレを探して――トイレのあるカフェを探して――四苦八苦したことか。
映画を鑑賞中に便意を催して、しかもその洗浄のスイッチが分からず放置したこともあった。
（今思えばよい思い出だ……）

ウォシュレットという便利な機械が開発されて、日本ではお尻の環境は非常に快適になった。
と世間ではそういう話題で持ちきりだが、私はどうも、そのウォシュレットと相性が悪い。
何度か使ったことがあるが、気持ち悪くてダメだった。
だからもっぱら「強引に紙で拭く」方法をとっている。

だが、その一方で容赦なく私の胃腸は私にトイレへ走れと告げてくる。
職場でもトイレを独占することが多々あるが、仕方がない。
あえて言うなら、食べることは生きること、と同時に、出すことも生きることである。
だから私は、出すことに一つの喜びすら感じている。

そのことに気づいた日本のモノづくりメーカーは優秀だと言わざるを得ない。
（私はまったく恩恵にあずかっていないが）

食欲について、語られることが多い世の中だが、同時に排泄欲についてももっと語られるべきだろう。