映画を見にいったので、その勢いで他に読むものもあったのに、こちらを先に読んだ。
周りの評判では上々だったこともあった。
先に映画を見にいってしまったので、原作や作者ファンの人とはおそらく状況が違う。
そのため、僕の評価はいくらか原作には不利になった格好だ。
ストーリーはもはや語る必要はあるまい。
手法は、複数の語り手による告白という形態をとっている。
その状況は語り手自身によって、間接的にあるいは直接的に示されているため、語りの中にトリックめいたレトリックは使われていない。
告白という語りの立ち位置のため、描写は少なめだ。
むしろ、告白というわりには、やたらときっちり描写されているので、違和感があるほどだ。
そのあたりは好き嫌いが分かれるかもしれない。
手軽に読めることは間違いないので、気になっている人は読んでも損はないだろう。
▼以下はネタバレあり▼
残念ながら、僕はおもしろくなかった。
比較しないで読むことは難しかったこともあるが、それにしても、告白という形態をとっているにもかかわらず、あるいは、語り手は読み手を意識しながら書いているはずなのに、書き手があまりにも正直すぎる。
そこまで自分自身を分析していたのなら、そもそも犯罪なんて犯さないのではないかというくらい、分析できている。
特に直樹と修哉の二人の殺人犯の告白は、その言説自体がリアリティを欠く表現が多かった。
「本当は誰か、ではなく母にだが」といった言い回しは、ちょっと説明的すぎる。
人の心は、語れないから、語る必要があるのだ。
語れるのなら、語る必要はない。
語れないから、小説になるのだ。
そのあたりを理解できていないのではないか。
もっと読者を信頼して、行間をとってもよかった気がする。
ありていに言うなら、野暮な言い回しが多い。
非常にアイディアはおもしろく、キャラクター設定も良かったのだが、期待していたよりは、という感じだ。
行間を味わわせるという意味では、映画版の方がおもしろかった気がする。
これが本屋大賞なのか、と思ってしまう。
通俗小説にそれほどの期待を寄せる僕が間違っているのかもしれないが。
周りの評判では上々だったこともあった。
先に映画を見にいってしまったので、原作や作者ファンの人とはおそらく状況が違う。
そのため、僕の評価はいくらか原作には不利になった格好だ。
ストーリーはもはや語る必要はあるまい。
手法は、複数の語り手による告白という形態をとっている。
その状況は語り手自身によって、間接的にあるいは直接的に示されているため、語りの中にトリックめいたレトリックは使われていない。
告白という語りの立ち位置のため、描写は少なめだ。
むしろ、告白というわりには、やたらときっちり描写されているので、違和感があるほどだ。
そのあたりは好き嫌いが分かれるかもしれない。
手軽に読めることは間違いないので、気になっている人は読んでも損はないだろう。
▼以下はネタバレあり▼
残念ながら、僕はおもしろくなかった。
比較しないで読むことは難しかったこともあるが、それにしても、告白という形態をとっているにもかかわらず、あるいは、語り手は読み手を意識しながら書いているはずなのに、書き手があまりにも正直すぎる。
そこまで自分自身を分析していたのなら、そもそも犯罪なんて犯さないのではないかというくらい、分析できている。
特に直樹と修哉の二人の殺人犯の告白は、その言説自体がリアリティを欠く表現が多かった。
「本当は誰か、ではなく母にだが」といった言い回しは、ちょっと説明的すぎる。
人の心は、語れないから、語る必要があるのだ。
語れるのなら、語る必要はない。
語れないから、小説になるのだ。
そのあたりを理解できていないのではないか。
もっと読者を信頼して、行間をとってもよかった気がする。
ありていに言うなら、野暮な言い回しが多い。
非常にアイディアはおもしろく、キャラクター設定も良かったのだが、期待していたよりは、という感じだ。
行間を味わわせるという意味では、映画版の方がおもしろかった気がする。
これが本屋大賞なのか、と思ってしまう。
通俗小説にそれほどの期待を寄せる僕が間違っているのかもしれないが。
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