スペインでは、 『アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)』 は 『モデルニスモ(Modernismo)』 という言葉で表現されました。
『モデルニスモ』 は、ベルギーやフランスでアール・ヌーヴォーが全盛期だった同時期の19世紀末から20世紀初頭にかけ、とりわけバルセロナを中心とするカタルーニャ州で流行しました。
スペインの カタルーニャ州 は現在でも独立意識が強い州ですが、当時も首都マドリードに対抗して思想的、民族的な活動の意味合いを含めた州独自のアイデンティティを表現する近代建築運動・芸術運動として 『モデルニスモ』 が開始したとも言えます。
スペインの 『モデルニスモ』 は、他のヨーロッパの諸国同様、優美な曲線、華やかな装飾で構成されます。
そして、長らくスペインを統治していたイスラムの影響と言えなくもない色鮮やかなタイルの使用、繊細で緻密な装飾が施されたのが特徴です。。
左は、モデルニスモ時代を代表する建築家ドメネク・イ・モンタネール(1850-1923 Domenech i Montaner)の代表作品のひとつ、 『カタルーニャ音楽堂(1908 Palau de la Musica Catalana)』 の内装です。
壁面の装飾、天蓋トップライトのガラス細工の色彩、細工共にイスラム建築の影響を感じ取ることが出来ます。