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メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

映画『天使と悪魔』

2009年05月16日 | 国外・舶来エンタメ
部長「メガヒヨさん、コンクラーベがあるから3号会議室に行ってるね。」

メガヒヨ「??」

部長「あの案件は揉めているからね。幹部が揃ってコンクラーベで根比べ!」

メガヒヨ「…はい、お戻りは未定でよろしいですね。」



ローマ法王ヨハネ・パウロⅡ世が逝去された数年前。
次期法王を決める会議「コンクラーベ」が流行語となり、上のような上司と部下の会話が日本中で交わされたものだった。

本日は見てきた映画は、楽しみにしていた『天使と悪魔』。
物議を醸した「ダ・ヴィンチコード」の続編。(小説では前作)
冒頭のコンクラーベも、この映画のモチーフの一つとなっている。

ダ・ヴィンチコードはかなりヴァチカンから反感を買ったとのこと。
続編のこの作品はもちろん、ローマのカトリック教会内部での撮影はNG。
しかし、まるで現地でロケしてきたかのような素晴らしい映像になっていた。

欧州原子核研究機構「セルン」についても同様。
巨大な実験装置は、現物をそのまま撮ったみたいだった。

そして今回のヒロイン、ヴィットリア・ヴェトラ役のアイェレット・ゾナーさんが
イメージにぴったりだったのも嬉しかった。
もちろん原作より少々年齢が上な気もするけれど、それはラングドン先生も一緒なのだから気にしない。
描写通り、細身で美しく知的な魅力のある女優さんだった。

ユアン・マックレガーも、元軍人のカメルレンゴにとてもはまっていた。
黒い法衣がよく似合っていた。
サン・ピエトロ大寺院の中を颯爽と歩く景色の美しいこと!

以下ネタバレ警報!!
OKな方は下の空白部分をドラッグしてね♪


ストーリーの流れは前作同様、ほぼ原作通り。
ただ登場人物の役職・名前が変わっている部分もあった。

殺される科学者もヴィットリアの養父でなく、同僚だった。
これはダヴィンチ・コードの設定と余りにも似ているからと思われる…(^-^;

オリヴェッティもスイス衛兵隊隊長ではなく、ヴァチカン警察の警部さんになっていた。
しかもラングドン先生にかなり協力的。
確かに揉めていたら話が進まないからね。

原作では誘拐された枢機卿はみんな殺されてしまうのだけど、
映画では一人だけ助かった。
それは原作でも比較的いい描かれ方をされていたバッジア枢機卿。
ラングドン先生ならびローマの皆さんの協力のもと、四大河の噴水から帰還した。
四人全員殺害というのは余りにもせつない話だったので、一人だけでも救助出来た映画の展開はよかったと思う。

そうそう。
中東出身の殺し屋ハサシンは、普通の白人の殺し屋になっていた。
クレジットロールもASSASSINって表記されていたし。
やっぱり人種・政治問題関わるからね。
特異なキャラクターにしても、ダヴィンチのときのアルビノの怪僧シラスとかぶるし。

殺し屋がヴィットリアを拉致監禁するシーンが無くなったのは残念だったかも。
あそこでラングドン先生との愛が生まれるのに。
ダヴィンチ・コードではヒロインと歳の差があるからあまり絡みが無かったのかなと思ったのだけど、今回も全くと言っていいほどなかった。
上映時間の関係?監督の方向性?
でも娯楽作品なんだから、少しは色気が出てもいいのではと正直思った。
せっかくトム・ハンクスとお似合いなのにね。

お借りした画像はパンテオンのシーン。
ヴィットリアと手を繋いで夫婦を装い、犯人を捜しに行くところ。
これが最大の接近シーンなんて、この映画ってばあまりにも草食的…(^-^;

そうそう。原作との最大の違いは、カルロの出生の秘密がはしょられている点。
これを省略しちゃったら、彼はただのカソリック超原理主義者ってことで終わっちゃう…。
でもやっぱりローマ法王が人工授精とはいえ、子供を持っていたというのはまずいよね。
それと「父さんSATSUGAI」ってのも、ハリウッド娯楽作品のコードに引っ掛かっちゃうかも知れない。
でもなー。これを脚本に生かせていたら作品として深みが出たのにね。
せっかくユアンがカルロ役なのに勿体無い…。

あと省かれていて当然のシーンも。
カルロと共にヘリに乗り込み上空に置き去りにされ、
モモンガのごとく飛び降りテヴェレ川にダイブして一命を取り留めるラングドン先生…。
原作を読んだとき、「そりゃムリだろー!!」と突っ込んだものだった。
でも実際に映像化したら、さぞかし面白いものになっていたに違いない。
トム・ハンクスがラジー賞を受賞するチャンスになったかも(笑)


原作を読んでいる身としては少々物足りないポイントはあったとしても、映像美や正確なシーンの再現など、大変見ごたえのある作品だった。

特にサン・ピエトロ広場なんてどう撮ったんだろうと言うぐらい、CGに見えない。
2年前の「天使と悪魔ツアー」を懐かしく思い出した。
あの時はジェラートを食べながら、小説に出てくる箇所の幾つかを回ったものだった。
その様子は4travelにアップしているので、よかったら見に来てね♪


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