イギリスゆめだより

日本の外に出ることは自分自身を見つめ直すこと

ローデンバックと出会う

2008-02-23 01:58:19 | 外国語
先日、学生時代よりずっと読みたいと思っていた本をついに手に入れた。あるとき急に読みたいと思い、またしばらくその「情熱」が忘れ去られる・・・その繰り返しだった。しかし、ついに先日15年越しの「想い」を手にしたのだ。その本はベルギーの作家ローデンバックの「死都ブリュージュ」。仏文の後輩がかつて読んでいると話をしてくれ、そのタイトルの「暗さ」から、ぜひ読みたいと想った。しかし、なかなかその最後の行動に移ることができないまま、「ブリュージュ」への思いだけが先行し、5年前にはその街を訪問し、まだ読まぬ小説「死都ブリュージュ」の雰囲気を想像した。これが「死都」の雰囲気か・・・なるほど・・・6月訪れたのだが、確かにブリュージュの街にはどことなく「暗さ」が漂っていた。しかし、何となく落ち着ける街であり、川下りのツアーを楽しんだ以外は、川の畔のベンチで昼寝をするなどしたのんびり過ごすことができた。
そして、いよいよ「死都ブリュージュ」を読み始めた。数ページ読んだだけで、なるほど想像したとおりの雰囲気を持つ小説だった。これは私好みの「暗くて心地よい」小説だ。それは本を読むより前に街の雰囲気を経験したことで、さらに強く実感された。本の途中途中に出てくる挿絵も、現在のブリュージュの町並みそのままである。ローデンバックの頃から、百数十年経った今でも、当時の町並みの雰囲気がそのままなのだ。
ある本と出会うタイミング、ある本を手にするタイミング。この本ほど、このタイミングが「宿命的」だった本はない。おそらく15年前に手に取るよりも、今手に取れたことが、さらにこの本への興味を深めてくれることだろう。

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