まさおレポート

バリ「ミケランジェロ」馬を彫る

カエル March 4, 2009

 

ウブド木彫り職人の技 2010-12-31

11月1日に滞在ホテルで伸びすぎた大木の枝を伐採していた。その後で伐採した枝、といっても直径30センチ以上あるものの中の一つが荒削りに鰐の形になっていた。どうするのだろうと思っているうちに姿を消していた。昨日ふとロビーで立派な鰐の木彫りが完成しているのを見た。尋ねてみるとやはりあの荒削りの鰐が完成して持ち込まれたという。

近くに荒削りを制作していた見覚えのある職人がいたので出来栄えを誉めた。背中のゴツゴツが接着剤で貼ったのではなく掘り起こされている。足も尻尾も寄木ではなく一木造である。この職人はウブドから来たという。やはり凄い木彫り職人がいるのだとその層の厚さと腕の確かさに改めて感心した。

職人は枝を切り落とした現場で荒削りを行うことで、完成後の出来栄えの感触を確認していたことを理解した。つまり荒削りでものにならないことがわかれば仕事を断るのだろう。このあたりの感覚もいいものしか作らないという、昔懐かしい職人気質を感じてしまった。

「ミケランジェロ」馬を彫る 2011-01-11

年末に鰐を彫りあげたウブドの木彫り職人は新年早々1月5日に新しい作品に取り組みはじめた。群走する野生馬がモチーフだ。一本の太い枝から個々の動きをとらえた野生馬が生まれる萌芽に立ち会う。簡単にチョークで輪郭ともいえぬものを書きこんで大小ののみをふるいイメージだけを頼りに木の塊から動きのある馬を彫り起こしていく。この写真は名人が仕事にかかった初日のもので、形になりかけの様子が生命の誕生を想起させる。

今日、1月11日つまり6日目にして躍動感のある馬がかなり姿を現している。私はこのウブド職人にひそかにミケランジェロとニックネームをつけた。

17頭の馬が姿を現した 木彫りの制作 2011-01-23

毎日木彫りの完成過程を楽しんでいる。今日で23日目、17頭の馬が姿を現し、細部の完成を待っている。2人の職人は朝から晩まで根を詰めて彫り続ける。実に勤勉で、技術も確か。そんな目で見るせいか、職人の顔つきもよい。

ガジャマダ(Gadjah Mada)の木像2011-06-17

この像は、1343年にバリはマジャパイト王国に支配されるがその時の将軍ガジャマダの雄姿だという。日本の仁王さんのルーツかとも思ったが、それよりずっと新しい。右手にクリスという波をうった短刀、左手にカンパックという斧を持っている。

ビラの古くなった木を倒して像の頭から台座まで一材で掘り出している。彫り師はマス村の住人で、私がバリのミケランジェロとニックネームをつけた彫り師である。写真一枚をもとにいきなり掘り出していく腕には感心してしまう。

右手にクリスという波をうった短刀を持っているがこれについてちょっとしたエピソードがある。バリにはクリスを打つ鍛冶屋集団パンデが存在するが、この一人がたまたまこの前を通りかかり、クリスの上下が逆だと指摘した。彫り師は冷や汗もので修正した。

バリのミケランジェロ 2011-06-19 

日曜日だと言うのにそんなことはお構いなしにバリのミケランジェロ氏は3メートルほどの足場に腰かけて鑿をふるい、ガジャマダ像を彫り続けている。乗ってきたところで一気に完成に持っていこうとしているのか。背中の方は助手が彫る。隣には知り合いが座り込んでタバコをふかして世間話をしている。これで全体のバランスが取れた像が出来上がる。改めて職人の能力はたいしたものだと思う。あるいは人の能力というべきか。脳のメモリーに立体像が正確に保存されているのだろう、若い時からの修練によって身につくものらしい。

少年ダンサー像

バイパス通り 中央分離帯に立つ少年ダンサー像。肩と手の指に注目。

漁師像 2012-02-01

いつもの漁師像もガルンガンの日はなぜかさっぱりとしている。

タイレストランで見かけた彫像

ネカ美術館 2013-08-25

 ガルーダ1

ガルーダ2

ガルーダ3

面一対

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