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久しぶりの愛知出張から帰ってきた。
刈谷にも寄ったのだが、ここの駅前には、耐震強度不足で営業を中止して、年明けから解体着手している「名鉄イン刈谷」がある。
同ホテルは姉歯・平成設計・木村建設という非の打ちどころのない「黄金トリオ」の設計・施工物件であるが、営業開始は平成15年4月というから、まだ新しい。建設に携わった人や、同ホテルの従業員の心情を思うと胸が痛む。
私は宿泊したことはなかったが、刈谷はトヨタグループのデンソーやアイシン精機など世界的企業が本社を構える地ということもあり、商談に訪れるビジネスマン御用達のホテルではなかったかと推察する。稼働率も上々だったようだ。刈谷のロケーションは名古屋駅から快速で20分足らずと至便で、昨年の万博開催期間後半は名駅や栄近辺からも宿泊客が流れたとみえ、満室で予約が取れなかったことを憶えている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/55/762ce544db8533bccb58e89f2a540982.jpg)
同ホテルは、名鉄・JRの刈谷駅直結で、特に名鉄駅とは一体の構造になっており、さらには、名鉄と並行するJR東海道線の線路からも30mと離れていない。そのため、地震が来て、もしも崩落などということになれば、交通機関にも甚大な影響が出ることが予想されるので、早急に取り壊す必要に迫られたのであろう。
同ホテルに限らず、今回発覚した耐震強度不足のホテルの多くが、内河健氏率いる総合経営研究所のプロデュースによるものであることがわかっている。私は前のエントリーでも書いたが、耐震偽装問題で被害者となったマンション住民には同情的だが、ホテルについては少し違う見方をしている。
先日のニュースで、先代から続く家業をたたんで、乾坤一擲の業態変換への挑戦で、その地所にホテルを建てたものの、今回の問題で突然営業中止に追い込まれたオーナー経営者に密着取材しているレポートを見た。内河健氏から届いた、通り一遍のお詫びの手紙を握りしめながら、「どうしてこんなことになったのか?」「これからどうすればよいのか?」と顔面蒼白で語る社長が、後片づけで雑然としたホテルのロビーを会場にした解散式で、路頭に迷わせた従業員と共にさめざめと泣いているシーンがあった。
何だかなあ・・・。少々厳しいかもしれないが、事業に向かう姿勢が甘いんじゃないかと思ってしまう。京王や名鉄などの大企業から、このような個人オーナー経営者に至るまで、他人の命を預かるホテル事業で、皆が皆、インチキコンサルタントに漫然と丸投げしていたことに驚かされる。いや、総研のFCにでもなるというのなら別だが・・・。たかがコンサルじゃないか。本来コンサルタントというのは、事業成功のため、うまく活用する存在であって、それ以上のものではないはずだ。だが、なぜか内河氏は斯界では神様のように崇め奉られていて、総研が主催する開業及び経営指導のセミナーは常に大盛況だったらしい。。。
例えばラーメン屋であっても、店を自ら立ち上げ、繁盛店に育てたような人は、大変な苦労をしている。スープ、麺、具などに工夫と試行錯誤を重ね、立地選択や店構えのデザインにも全人格とセンスを懸けて取り組んでいるはずだ。それがたとえ10坪程度の小さな店であってもだ。店主が能動的・自律的な努力をすることなく、ラーメンコンサルタントなぞに開業と経営の全てを頼ったとしても、短期的にはともかく、中長期的な繁盛は決して望めないだろう。
もし仮に、自分が虎の子の地所と私財の一切合切をつぎこんで、ホテル経営に乗り出すのであれば、ありとあらゆる文献やネット情報を漁り研究し、可能な限り複数の専門家に教えを乞い、多くの協力者のネットワーク構築を試みるだろう。いやその前に、どこかのホテルのたとえ末端でも従業員として潜り込んで、外からはわからないホテル業界の事情を知り、ノウハウを体得しようとしたかもしれない。
市場調査やプラン・設備についてのアドバイスというのならまだわかるが、後に国会で「うちには構造の専門家はいない」などとトップがうそぶくような、ただの「経営コンサルタント会社」に、建築の部資材調達から構造設計、業者選定まで、事業の根幹に関することのほとんど全てを依存し、その指示に従ってきたという見識のなさと意識の低さに驚く。何億という資本を投下し、人の生命を預かる事業を展開しようというのに、ここまで特定のコンサルタントを盲信するというのは、どういう事情なのだろうか。
一級建築士、公認会計士、弁護士、税理士(宮内某)、、、医師や教師も含めて「士」業という国家資格を持つ専門家たちの、資質や職業倫理が問われる事件が最近相次いでいる。それでも、まだ「士」業は資格試験という関門があるだけましかもしれない。免許も必要なく、自分で名乗りさえすれば、その日から誰でもすぐになれてしまう○○コンサルタント・・・。
思わずコンサルタントとは何ぞや?と考えてしまったので、次回はそれを書きたい。
刈谷にも寄ったのだが、ここの駅前には、耐震強度不足で営業を中止して、年明けから解体着手している「名鉄イン刈谷」がある。
同ホテルは姉歯・平成設計・木村建設という非の打ちどころのない「黄金トリオ」の設計・施工物件であるが、営業開始は平成15年4月というから、まだ新しい。建設に携わった人や、同ホテルの従業員の心情を思うと胸が痛む。
私は宿泊したことはなかったが、刈谷はトヨタグループのデンソーやアイシン精機など世界的企業が本社を構える地ということもあり、商談に訪れるビジネスマン御用達のホテルではなかったかと推察する。稼働率も上々だったようだ。刈谷のロケーションは名古屋駅から快速で20分足らずと至便で、昨年の万博開催期間後半は名駅や栄近辺からも宿泊客が流れたとみえ、満室で予約が取れなかったことを憶えている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/55/762ce544db8533bccb58e89f2a540982.jpg)
同ホテルは、名鉄・JRの刈谷駅直結で、特に名鉄駅とは一体の構造になっており、さらには、名鉄と並行するJR東海道線の線路からも30mと離れていない。そのため、地震が来て、もしも崩落などということになれば、交通機関にも甚大な影響が出ることが予想されるので、早急に取り壊す必要に迫られたのであろう。
同ホテルに限らず、今回発覚した耐震強度不足のホテルの多くが、内河健氏率いる総合経営研究所のプロデュースによるものであることがわかっている。私は前のエントリーでも書いたが、耐震偽装問題で被害者となったマンション住民には同情的だが、ホテルについては少し違う見方をしている。
先日のニュースで、先代から続く家業をたたんで、乾坤一擲の業態変換への挑戦で、その地所にホテルを建てたものの、今回の問題で突然営業中止に追い込まれたオーナー経営者に密着取材しているレポートを見た。内河健氏から届いた、通り一遍のお詫びの手紙を握りしめながら、「どうしてこんなことになったのか?」「これからどうすればよいのか?」と顔面蒼白で語る社長が、後片づけで雑然としたホテルのロビーを会場にした解散式で、路頭に迷わせた従業員と共にさめざめと泣いているシーンがあった。
何だかなあ・・・。少々厳しいかもしれないが、事業に向かう姿勢が甘いんじゃないかと思ってしまう。京王や名鉄などの大企業から、このような個人オーナー経営者に至るまで、他人の命を預かるホテル事業で、皆が皆、インチキコンサルタントに漫然と丸投げしていたことに驚かされる。いや、総研のFCにでもなるというのなら別だが・・・。たかがコンサルじゃないか。本来コンサルタントというのは、事業成功のため、うまく活用する存在であって、それ以上のものではないはずだ。だが、なぜか内河氏は斯界では神様のように崇め奉られていて、総研が主催する開業及び経営指導のセミナーは常に大盛況だったらしい。。。
例えばラーメン屋であっても、店を自ら立ち上げ、繁盛店に育てたような人は、大変な苦労をしている。スープ、麺、具などに工夫と試行錯誤を重ね、立地選択や店構えのデザインにも全人格とセンスを懸けて取り組んでいるはずだ。それがたとえ10坪程度の小さな店であってもだ。店主が能動的・自律的な努力をすることなく、ラーメンコンサルタントなぞに開業と経営の全てを頼ったとしても、短期的にはともかく、中長期的な繁盛は決して望めないだろう。
もし仮に、自分が虎の子の地所と私財の一切合切をつぎこんで、ホテル経営に乗り出すのであれば、ありとあらゆる文献やネット情報を漁り研究し、可能な限り複数の専門家に教えを乞い、多くの協力者のネットワーク構築を試みるだろう。いやその前に、どこかのホテルのたとえ末端でも従業員として潜り込んで、外からはわからないホテル業界の事情を知り、ノウハウを体得しようとしたかもしれない。
市場調査やプラン・設備についてのアドバイスというのならまだわかるが、後に国会で「うちには構造の専門家はいない」などとトップがうそぶくような、ただの「経営コンサルタント会社」に、建築の部資材調達から構造設計、業者選定まで、事業の根幹に関することのほとんど全てを依存し、その指示に従ってきたという見識のなさと意識の低さに驚く。何億という資本を投下し、人の生命を預かる事業を展開しようというのに、ここまで特定のコンサルタントを盲信するというのは、どういう事情なのだろうか。
一級建築士、公認会計士、弁護士、税理士(宮内某)、、、医師や教師も含めて「士」業という国家資格を持つ専門家たちの、資質や職業倫理が問われる事件が最近相次いでいる。それでも、まだ「士」業は資格試験という関門があるだけましかもしれない。免許も必要なく、自分で名乗りさえすれば、その日から誰でもすぐになれてしまう○○コンサルタント・・・。
思わずコンサルタントとは何ぞや?と考えてしまったので、次回はそれを書きたい。
はもっともだと思います。いわゆる「士」業というものは、その分野における法律等のチェックをすること等を担保する責任を負うことも
重要な仕事である訳ですが、対して○○コンサルタントっていうのは
何を担保することで価値を創造しているのかがわからない時があります...。勿論、○○コンサルタントっていうのも玉石混交なのかと思いますが...。○○コンサルタントとは何ぞやのエントリー楽しみにしています。