ひょうたんじじい備忘録

ファイナルカウントダウンに向けて

三島由紀夫の対談から

2021-06-21 17:06:28 | 日記・エッセイ・コラム
以前から三島由紀夫には興味・関心を持っていたが、芸術新潮の2020.12号は『特集没後50年 21世紀のための三島由紀夫入門』ということで、改めて読んでみようと思った。三島文学の案内人・平野啓一郎さんの案内が抜群だ。
その中で、『三島由紀夫全集』補1に、石原慎太郎さんや野坂昭如さんなどとの対談が載っているというようなことがあり、図書館でそれを借りてきた。このうち石原さんとの対談は昭和44年11月の「月刊ペン」に載ったもの。テーマは「守るべきものの価値ーわれわれは何を選択するか」である。正直、彼らの対談の中身は、雰囲気はなんとなく感じられるものの、正確に理解することは非常に難しいものであった。ただ、対談の途中で、三島の居合抜きの話が出てきた時には思わずにんまりとしてしまった。というのは、石原さんは自分の発言や作品の中で、三島の市ヶ谷駐屯地突入を批判的であったが、この居合抜きで刃こぼれをしたこと、修理に費用がかかることを三島がこぼしていたことなどを書いていたからである。とかく作家は面白い人たちなのである。