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バーナード・リーチの世界へ

2006年03月19日 | マミム・メモ
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 彼岸の入りの18日、丹波市に義母の墓参に出かけた帰りに、立杭の地(篠山市今田)に開館して間もない兵庫陶芸美術館に立ち寄りました。その日は、開館記念特別展の第2弾としてバーナード・リーチ展が開幕するというので楽しみにしていました。午後2時に到着してすぐ、リーチに琳派の書籍を分かりやすい日本語で解説するなど、リーチの琳派研究を手伝った、武蔵野美術大学名誉教授水尾比呂志氏による「バーナード・リーチと琳派」と題する講演を聴き、その後、閉館間際まで展示を楽しみました。5室に分けて展示されていたのは、バーナード・リーチによる陶磁器作品104点、バーナード・リーチによる陶磁器以外の作品21点、リーチ以外の作家による陶磁器作品56点、リーチ以外の作家による陶磁器以外の作品8点、資料18点と、ずいぶん見ごたえのあるものでした。

Ⅰ 出会い―やきものの方へ
 1909年、高村光太郎の紹介状を携えて22歳で来日したリーチは、すぐに日本美術界の中心人物たちと交流が始まり、楽焼の絵付けを契機として陶芸に関心をもち、通訳を兼ねて交流のあった富本健吉とともに六代目尾方乾山に入門します。
Ⅱ セント・アイヴス
 1920年、リーチはいったんイギリスに帰国。濱田庄司とともにセント・アイヴスに向かい、そこで東洋とイギリスの伝統にインスピレーションをえた作品を数多く制作します。
Ⅲ 富本健吉・濱田庄司・河井寛次郎とともに
 「民藝」の名のもとにひとくくりにできない独自の境地を切り拓いた4人の個々の作品を味わいながら、そこに響きあう何かを感じることができる。
Ⅳ 民藝運動の中で―日本の民窯を訪ねて
 柳宋悦に導かれ、民藝運動に身を置くことによってリーチの芸術の本質が発揮される。
Ⅳ 民藝運動の中で―日本の民窯を訪ねて
 1950年代から1960年代の作品は、リーチの到達点といえるが、それは、けっして研ぎ澄まされ完成された作品ではない。多様な技術を駆使しながら、シンプルで力強い、陶磁器としての基本的な美を生み出し、自らを巡礼者として、作品に形を超えた意味を求めつづけた。

 各地の美術館などでこれまでに出会った作品も少なくなかったのですが、このように収集、分類、展示されることで、また新たな魅力を楽しむことが出来ました。

 兵庫陶芸美術館は、緑に包まれた広い敷地に、展示棟のほか、工房、セミナー室、茶室、レストラン、カフェ、ミュージアム・ショップなど多彩な施設を備えて、ゆったりと陶芸の世界に浸ることができるように工夫されています。このロケーションから望む山並みと今田の里の風景もまた、一幅の山水画を見るようでした。

バーナード・リーチ著、柳宋悦訳、水尾比呂志補訳
バーナード・リーチ日本絵日記

講談社

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