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OECDの学力調査結果

2005年01月09日 | 「学び」を考える
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 新しいカテゴリーを追加しました。今後とも、よろしくお願いします。

 昨年末、OECD(経済協力機構)が2003年に世界の15歳生徒を対象に実施した学習到達度調査(PISA)の結果が発表されると、マスコミはいっせいに日本の得点と順位の低下を報じ、「悲惨な結果」と「学力低下」を憂える「専門家の分析」を添えた。それは、かねてからの「ゆとり教育」批判にかっこうの根拠を提供し、拍車をかけたように見える。たしかに得点と順位は2000年の調査結果と比べて大きく低下しており、それは現場の実感とも一致する。しかし、批判はどこに向かうものか。文部科学省の「ゆとり教育」を否定し、多くの知識を教え込む教育を徹底しようというのか。かつてと比べて断片的知識の不足を憂い、機械的な計算力の低下を憂える論調の中に、そんなふうに聞こえるものも少なくはない。

 PISAにおける日本の高校生の得点と順位の低下を憂えるなら、同時に向上の方策を探らなければならない。どんな能力を向上させれば良いのか。それは調査と調査結果を見れば分かる。

 調査の目的と内容を詳しく知るには、
国立教育政策研究所翻訳『PISA2003年調査 評価の枠組み―OECD生徒の学習到達度調査』(ぎょうせい)
 調査結果を詳しく知るには、
国立教育政策研究所『生きるための知識と技能 (2) OECD生徒の学習到達度調査(PISA)-調査国際結果報告書- (2003年) 』(ぎょうせい)
 概要を知るには、インターネット上の資料がある。
「PISA(OECD生徒の学習到達度調査)2003年調査(要約)」

 以下に調査された技能とその定義を、このサイトから引用する。
数学的リテラシーとは、「数学が世界で果たす役割を見つけ、理解し、現在及び将来の個人の生活、職業生活、友人や家族や親族との社会生活、建設的で関心を持った思慮深い市民としての生活において確実な数学的根拠にもとづき判断を行い、数学に携わる能力」である。
読解力とは、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」である。
科学的リテラシーとは、「自然界及び人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定するために、科学的知識を使用し、課題を明確にし、証拠に基づく結論を導き出す能力」である。
問題解決能力とは、「問題解決の道筋が瞬時には明白でなく、応用可能と思われるリテラシー領域あるいはカリキュラム領域が数学、科学、または読解のうちの単一の領域だけには存在していない、現実の領域横断的な状況に直面した場合に、認知プロセスを用いて、問題に対処し、解決することができる能力」である。

 調査は、生徒の学力を支える学校への信頼度や教師の質と充実度についても行われている。

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