前回も使った2015年・大学入試センター試験(本試験)の「地理A」の他の問題を、気分転換に解いて見ました。
まず、第1問。下の地図をみて、いろいろ答える問題。
問1.東京と地図のA地点(アメリカ東海岸、ニューヨークか?)との間の時差を問う問題。お決まりの出題という感じ。こういうの、高校生はどういうふうに解くのでしょう?
東京を11:30に出発して、所要時間が12時間45分というのだから、Aに着いたときには東京時間で24:15(つまり翌日の0:15)、このとき現地では10:15ということだけど・・・東京とAでは東京の方が日時が早いわけだから、現地の10:15は東京の24:15よりも時刻は遅れているという関係になる。10:15が翌日24:15になるには14時間かかるので、時差は14時間(③)ということに。
「東京の方が日時が早い」というのがポイント? 地球の自転の向きと日付変更線がどのへんを通ってるかがわかってれば、ちょっと考えれば良いことなのでしょうが・・・・
問2.図1のア~エのうち、火山が多く分布するものとして適当でないのは(つまり火山が多くは分布しないものは)、「エ」(④)。
「ア」のアリューシャン列島は島弧・海溝系なので、実際に火山があるのかどうかは知らないけれど、火山フロントはあるでしょう。「島弧・海溝系」や「火山フロント」という語は高校では習わないかな? でも、ことばは知らなくても、学習してるうちにそういう関係になんとなく気づくことを期待したい。
「イ」はアイスランド、大西洋の中央海嶺が海面上にのぞいているところですね。ここの「大地の裂け目」はあまりにも有名。溶岩を噴出している写真や映像はどこかで見たことあるでしょう。
「ウ」は「(東)リフト・バレー」の一部で、ここも「大地の裂け目」。
「エ」はヒマラヤ山脈、変動帯であり、新期造山帯の一つの「アルプス・ヒマラヤ造山帯」にあたるので、同じく新期造山帯として紹介される環太平洋造山帯に火山が多いことから、ヒマラヤも火山があると考えてしまう受験生もいるでしょうか? 実際はアルプス・ヒマラヤ造山帯は大陸プレート同士の衝突による褶曲がメインなので、火山は少ないですね。西アジアから地中海沿岸(イタリアなど)にかけては、いくつか火山がありますが。
問3.図1のE~Hのいずれかに生息し、絶滅が危惧される動物についての問題。誤りなのは、④かな?
オーストラリアのグレート・ディバイディング山脈周辺の環境悪化は、酸性雨によるものというよりは、都市や農地の開発による森林伐採でしょう。
問4.図1のM地点(雨温図は下)の植生について。
グラフから雨季と乾季(冬)の差が明瞭だけど、雨季の雨量は十分多いので、砂漠(①)やステップ(②)になることは考えにくい。
素直に、夏には雨が十分降って、日光をたくさん浴びて成長できるのだから、冬は雨が少ないなら葉からの蒸散を抑えるためにも葉を落としても良いよね、ってことで③がピッタリ。
④の硬葉樹林は、日射量が多い時期(樹の成長が最も期待される時期)に雨が少ないような場合に合理的(葉を硬くして蒸散量を抑えてる)。つまりCs気候だとか。
問5.図1のP~Sのうち、下の写真のような灌漑施設が見られる地域は?
これ、「カナート」(地域によって「カレーズ」とか「フォガラ」、だったかな?)ですね。見づらいけれど、高校地理で紹介される「灌漑施設」って限定されますから。
図1中でこのタイプの灌漑施設があるのは、QやR、よって正解は④.
図1のPはオガララ帯水層の地下水を利用したセンターピボット、Sは被圧地下水による自噴井(グレートアーテジアン盆地)。
問6.著作権上の問題で写真が無いけど、「20世紀初めから発展した音楽で、西洋音楽とアフリカ音楽の組合わせによって生まれた独特の響きやリズムが特徴」ってジャズのことだってすぐ判りますね。ジャズの発祥はニューオーリンズとされてますのでW(①)が答え。受験生は、ニューオーリンズまで特定できなくても、アメリカ合衆国発祥だという知識くらいは欲しいところ。
問7.図1とは直接関係無い問題になってしまいました。表2(下)の宗教人口割合組み合わせから、①~④がアジア、アフリカ、北アメリカ、ヨーロッパのいずれかを特定する問題。
いま気づきましたが、この問題中、ちゃんと図の場合は「図**」を下側に、表の場合は「表**」を上側に記載してますね。
4つの宗教のなかで、人口分布がいちばん限定的なのはヒンドゥー教でインドに大半の何億人もが集まっている。なので、ヒンドゥー教の割合が最も高い②がアジア。
キリスト教(カトリック、プロテスタント)はヨーロッパやアメリカに広がっているので、③と④がこれにあたる。また、カトリックとプロテスタントの比から、③がヨーロッパ、④が北アメリカと判別できる。なお、ヨーロッパはオスマン帝国(オスマントルコ)の旧領(旧ユーゴとか)を含んでいたり、中東や北アフリカ(かつての植民地含む)から労働者受け入れをしてきた歴史があるので、イスラム教の割合が高めであることも判別のポイント。
ということで、消去法的に①がアフリカだと判断しても良いでしょうけど、アフリカってイスラム教徒が多いということは知っておいても良いでしょうね。
まず、第1問。下の地図をみて、いろいろ答える問題。
問1.東京と地図のA地点(アメリカ東海岸、ニューヨークか?)との間の時差を問う問題。お決まりの出題という感じ。こういうの、高校生はどういうふうに解くのでしょう?
東京を11:30に出発して、所要時間が12時間45分というのだから、Aに着いたときには東京時間で24:15(つまり翌日の0:15)、このとき現地では10:15ということだけど・・・東京とAでは東京の方が日時が早いわけだから、現地の10:15は東京の24:15よりも時刻は遅れているという関係になる。10:15が翌日24:15になるには14時間かかるので、時差は14時間(③)ということに。
「東京の方が日時が早い」というのがポイント? 地球の自転の向きと日付変更線がどのへんを通ってるかがわかってれば、ちょっと考えれば良いことなのでしょうが・・・・
問2.図1のア~エのうち、火山が多く分布するものとして適当でないのは(つまり火山が多くは分布しないものは)、「エ」(④)。
「ア」のアリューシャン列島は島弧・海溝系なので、実際に火山があるのかどうかは知らないけれど、火山フロントはあるでしょう。「島弧・海溝系」や「火山フロント」という語は高校では習わないかな? でも、ことばは知らなくても、学習してるうちにそういう関係になんとなく気づくことを期待したい。
「イ」はアイスランド、大西洋の中央海嶺が海面上にのぞいているところですね。ここの「大地の裂け目」はあまりにも有名。溶岩を噴出している写真や映像はどこかで見たことあるでしょう。
「ウ」は「(東)リフト・バレー」の一部で、ここも「大地の裂け目」。
「エ」はヒマラヤ山脈、変動帯であり、新期造山帯の一つの「アルプス・ヒマラヤ造山帯」にあたるので、同じく新期造山帯として紹介される環太平洋造山帯に火山が多いことから、ヒマラヤも火山があると考えてしまう受験生もいるでしょうか? 実際はアルプス・ヒマラヤ造山帯は大陸プレート同士の衝突による褶曲がメインなので、火山は少ないですね。西アジアから地中海沿岸(イタリアなど)にかけては、いくつか火山がありますが。
問3.図1のE~Hのいずれかに生息し、絶滅が危惧される動物についての問題。誤りなのは、④かな?
オーストラリアのグレート・ディバイディング山脈周辺の環境悪化は、酸性雨によるものというよりは、都市や農地の開発による森林伐採でしょう。
問4.図1のM地点(雨温図は下)の植生について。
グラフから雨季と乾季(冬)の差が明瞭だけど、雨季の雨量は十分多いので、砂漠(①)やステップ(②)になることは考えにくい。
素直に、夏には雨が十分降って、日光をたくさん浴びて成長できるのだから、冬は雨が少ないなら葉からの蒸散を抑えるためにも葉を落としても良いよね、ってことで③がピッタリ。
④の硬葉樹林は、日射量が多い時期(樹の成長が最も期待される時期)に雨が少ないような場合に合理的(葉を硬くして蒸散量を抑えてる)。つまりCs気候だとか。
問5.図1のP~Sのうち、下の写真のような灌漑施設が見られる地域は?
これ、「カナート」(地域によって「カレーズ」とか「フォガラ」、だったかな?)ですね。見づらいけれど、高校地理で紹介される「灌漑施設」って限定されますから。
図1中でこのタイプの灌漑施設があるのは、QやR、よって正解は④.
図1のPはオガララ帯水層の地下水を利用したセンターピボット、Sは被圧地下水による自噴井(グレートアーテジアン盆地)。
問6.著作権上の問題で写真が無いけど、「20世紀初めから発展した音楽で、西洋音楽とアフリカ音楽の組合わせによって生まれた独特の響きやリズムが特徴」ってジャズのことだってすぐ判りますね。ジャズの発祥はニューオーリンズとされてますのでW(①)が答え。受験生は、ニューオーリンズまで特定できなくても、アメリカ合衆国発祥だという知識くらいは欲しいところ。
問7.図1とは直接関係無い問題になってしまいました。表2(下)の宗教人口割合組み合わせから、①~④がアジア、アフリカ、北アメリカ、ヨーロッパのいずれかを特定する問題。
いま気づきましたが、この問題中、ちゃんと図の場合は「図**」を下側に、表の場合は「表**」を上側に記載してますね。
4つの宗教のなかで、人口分布がいちばん限定的なのはヒンドゥー教でインドに大半の何億人もが集まっている。なので、ヒンドゥー教の割合が最も高い②がアジア。
キリスト教(カトリック、プロテスタント)はヨーロッパやアメリカに広がっているので、③と④がこれにあたる。また、カトリックとプロテスタントの比から、③がヨーロッパ、④が北アメリカと判別できる。なお、ヨーロッパはオスマン帝国(オスマントルコ)の旧領(旧ユーゴとか)を含んでいたり、中東や北アフリカ(かつての植民地含む)から労働者受け入れをしてきた歴史があるので、イスラム教の割合が高めであることも判別のポイント。
ということで、消去法的に①がアフリカだと判断しても良いでしょうけど、アフリカってイスラム教徒が多いということは知っておいても良いでしょうね。
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