お盆には多くの龍神出身者が田舎に帰って来て、皆なんとなくウキウキしている。
ご先祖様も帰って来てくれる。
各家には盆提灯がともされる。
お盆の提灯は懐かしいねぇ。
その頃、仏壇の方向から果物の匂いがして、ふと見ると籠に包まれた果物と落雁がある。
子どもにとっては、そういう時を“お盆”という。
落雁はお盆の味、何種類か果物がまざった匂いはお盆の匂いと相場は決まっている。
果物籠 . . . 本文を読む
JAMES MATSUMOTO
私のおじです。
僕のお父ちゃんの年の離れた弟です。
叔父の本名は松本南水と言います。
何と読むかは秘密です。
龍神で生まれ、私同様小学校まで龍神にいました。
福井小学校を卒業後、田辺市の東洋中学に入学したようです。
経緯はわからないのですが、とにかく当時の田辺市の中学に入学しています。
その後、田辺高校に入学して、2年生の時に埼玉県の川越高校へ編入しました。 . . . 本文を読む
龍神の夏の昼間は暑かった。
子供達は一日中外に出ているので、真っ黒だった。
おそらく、都会の子供達には想像もつかないくらい黒かった。
肘を曲げると肘の上下がさらに黒くなった。
その中でもひろし君は特に黒かった。
昔は熱中症というのがあったのだろうか?
「熱射病になるでぇ!」と言っていたようには思う。
「日射病になるでぇ!」だったかもしれない。
そう、昔は熱射病・日射病って言ったよ . . . 本文を読む
夏の夕方、家の前の日高川(牛渕)に一人で釣りに行く。
川の向こうは切り立った山。
その山にはヒグラシの大群。
夕方、赤い光の中にヒグラシの鳴き声。
鳴き声は知っているが姿は詳しく知らなかったなぁ。
日高川の水は、大きく静かに流れる。
実は、この光景が一番好きだったかもと思う。
ヒグラシの鳴き声が非常に懐かしい。
龍神に帰ると、必ず釣りに行くが、釣りは夕方が良い。
これは、太 . . . 本文を読む
夜は花火。
昼間しずさんえー(岡本商店 静さんの家の意)で買いためていた花火を庭に持ち出す。
バケツに汲まれた水一杯。
煙を気にすることなく、火を気にすることなく、道路を気にすることなく、近所を気にすることなく花火し放題。
奥から、じいやの『おぼっちゃん、無理してはいけませんよ。』の声はするも無視。
近所のけい坊、なる坊、みき、しょう坊も加わる。
蛇花火、煙ばっかりでけむかっ . . . 本文を読む