龍神村に生まれて

僕は和歌山県龍神村に生まれ、13歳まで龍神村で育った。大人になって、龍神村について何も知らないことに気がついた。

ケン 2

2008-12-16 07:08:00 | Weblog
ケンはメンコの分類によれば、紙メンコのちびめんになる。

いま思うと、ケンとは“券”のことだったのではないか?


5ちんで5人でケンを始める。
この時は25枚のケンがテーブルの上にあるが、ゲームが進むにつれ、徐々に罰金が増えていく。

アオチで5枚のケンがテーブルから落とされて下で5枚重なったら、5枚の罰金を払って、下に落ちた5枚は地面にきれいに並べられる。

ケンが重なっていて、一気に30枚くらいテーブルから落とされることがある。
それだけならいいが、その30枚が地面にきれいに並んでいる20枚のケンと重なったとすると、罰金は50枚となる。

そのうちにテーブルの周りには何百枚のケンが並ぶこともあった。


そうなるともう子供達は必死や!
鼻の穴が最大限広がった。


ある子がケンを一枚テーブルから落とす。
それが、下にあるケンときれいに二枚だけ重なれば、全部取りになる。
しかし、問題になるのは重なっているか重なっていないか微妙な時。

この時に子供達の本性がむき出しになり、力関係が露出する。

重なって欲しい奴はは「乗っとる!乗っとるでぇ!」と言う。
額から汗を飛ばしながら。

重なってほしくない奴は「でったい、乗ってないでぇ!」と言う。


そういう時は、そっと上になっているケンを上から圧迫する。


その時!その時です!
その時時代は動いたのです!

・・・じゃない。
その時に下にあるケンが少しでも動いたら「乗っとる!」。
その時に、下にあるケンが動かなければ「乗ってない!」と言うことになる。

一番年上か一番力関係の強い人が判断して、みんなは意外と素直に従ったように思う。

そうやって、ケンの枚数を多く集める人は“ケンがうまい”と言われたのであった。


そういう遊びを通して、みんなは“和”を学ぶのであった。



な~んつって。




そんなケンは今でもありますか? 龍神村!



最新の画像もっと見る

コメントを投稿