風吹くままに

温泉県に暮らすマリの日常

家裁調査官 庵原かのん  乃南アサ

2024-01-19 16:31:25 | 




若き、家庭裁判所調査官、庵原かのんの奮闘(熱血ものではありません)

家裁が扱う「少年」の処罰は、成人に対するのとは違っている。
「将来ある彼らの可能性を信じて、問題の原因を探り、立ち直りの道筋をつける」ことが目的だ。
少年が事件を起こした場合の扱いは
簡単に言うと事件が軽く、逃亡などの恐れがない場合「在宅事件」、事件の度合いが高いと「身柄事件」。
庵原かのんは、その在宅事件を担当している。
赴任地は北九州市。
そこで担当した少年たちの話で、
7編からなる短編集。
調査面接をしても、なかなか心を開いてくれない子。
知的能力の劣る子。
特性のある子。
親に問題も多い。
母親が愛人で、男にだらしなかったり、、、
親が、少年を捨てて出て行ったケースの「野良犬」は切なかった。
一期一会の繰り返しという言葉がでてくるように、かのんら調査官がかかわれる時間は少なく又支える家族にその力がなかったりする。
7編の少年達は誰も悪くない。
良いと思ってやっている事が他人には迷惑行為。それを理解させるのは難易度が高く、少年の生まれ持った能力の低さが可哀想だ。
それと反対に、ちゃんと支えれば「この子はぐんと伸びる」って子もいた。
どれも面白かった。

やはり外れなかった。乃南さんの本は本当に好きだ。
(いやミスも含め)








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まるまるの毬 西条奈加

2024-01-10 14:46:00 | 



読み終えたのは、西条奈加さんの「まるまるの毬」。
重苦しい気持ちを時代物の人情物語が癒してくれます。
ある秘密を抱えて菓子職人となった南星屋の主、治兵衛。
共に切り盛りする娘と孫の恋物語などと絡ませて面白うございました。

表紙みていたら、筆を持ちたくなり、そこいらにあった紙に書いてみました。
お粗末😓





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この世の春

2024-01-06 16:38:07 | 




ストーリー
北見藩の主君、北見重興は、
時に、誰かが乗り移ったように人が変わり、父である大殿まで殺めてしまった。等の本人は、一時が過ぎてみれば穏やかな重興となり、そしてその記憶がない。大殿は、重鎮らによって卒中でなくなったと隠蔽され、お家は安泰。
後、それら重鎮によって五香苑へ押込となる(幽閉)。
そこへ遣わされた多紀(元家臣の娘、離縁となり父と暮らしていた)。
初見時に、現れたのは重興ではあるが、その言葉遣い、身のこなしは幼子であった。
何故?誰なのか?
狂った振りをしているのか?

長かったわ。
出だしは、面白かった。
もののけ?
違うか、、、

読み終えてみると、回収されてない話があるのと、そっち?のような、肩透かし感が残る。
もうちょっと煮詰め端折るとよかったかな。



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ザリガニの鳴くところ

2024-01-03 20:38:00 | 





2024年最初の読了一冊目は、
全米5,000,000突破の「ザリガニの鳴くところ」です。

📓ストーリー

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。


好きだった。面白かった。
ラブストーリーで、ミステリーで、
生物学。
自然を描いて、、、

ラストも納得行くもので、でも何度も反芻するような、
余韻と言うか、考えてしまう。
ちょっと茫然。
うー書けない。
何か感想を書くとネタバレになってしまう。

地球上に生まれた生き物が持つ遥かなる遺伝子、、、
と、でも書いておこう。

映画も観たい。
コメント (4)
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可燃物 米澤穂信

2023-12-17 21:23:00 | 



今日2度目の投稿です。
土日、本を読み、温泉に行き、パンを焼いて、予定通りのんびりしました。

3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成の米澤穂信、初の警察ミステリー。

5つの短編、人間模様が収められています。
事件が起こり、そこに歴然たる証拠がでても、整合性の取れた目撃証言が出ても、腑に落ちなさがある。
その小さな引っ掛かりに、事件を解く鍵が。
どんでん返しではないけれど、どんでん返しをくらった気持ちになる。
「それはないよー」ではなく「そっかそっか」となる。

一冊で5回面白い!と、思いました。

コメント (2)
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うるさいこの音の全部 高瀬隼子

2023-12-03 20:11:00 | 
図書館に表紙が見えるように置かれていて、視線と言うか自己主張が強くて借りました。
芥川賞受賞しているんですね、彼女。
(最近はチェックもしておりません。)
その受賞、後先を、素材にしたのがこれ(事実、フィクションよりとにかく思考)
劇中劇みたいに2つの話が進んでいく。
すぐ「そう言うことか」と、分かるのもよかったし、どちらも思考回路が面白く一気に読んでしまった。
一言で言うと、私の思考系統に似ている。

内容が気になる人はAmazonででも調べてね(手抜きゴメン)







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失われた岬 篠田節子

2023-04-21 22:35:00 | 



紹介文より
古くからの友人も、ノーベル賞作家も、その「岬」に消えた――

この物語はあなたを、思いもよらぬところまで連れて行く。

人が人であるというのは、どういうことなのか。
練熟の著者が今の時代に問う、神無き時代の新たな黙示録。

美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人夫婦。ところが次第に付き合いも拒否されるようになったのち連絡がつかなくなった。北海道に転居後、一人娘・愛子に「岬に行く」というメッセージを残し失踪したようだ。


とりとめのない感想。
このご時世だから、飽食や贅沢を捨て清貧の暮らしを求めた?宗教?洗脳?
思いを巡らしながら読み進む。
空気は村上春樹っぽいぞ(村上さん詳しい方に反論されるかな)
読み終わったら、あれはあれで終わり?
ほら、回収されない話があるじゃん、やっぱ村上さん。

話それました。
この小説コロナより前に書かれているのに、今噴出している陰謀論に繋がるところがあり驚く。

ねぇみんな、人間らしく生きたい?生きたくない?
そもそも人間らしさって何?
喜怒哀楽があって、、、、
そんな問いも何も湧かない一見穏やかな悟りを得たような生き方、どうですか?








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自由研究には向かない殺人

2023-04-08 15:04:00 | 
ストーリー(Amazonより)
イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。




沙林、悲素と日本を震撼させた事件を扱ったものが続いたので、娯楽物にと推理小説を。

事件の真相に挑むのは聡明な女子高校生のピップ。
それに加わるのが、殺人の果てに自殺したとされた兄の汚名を晴らすべくの弟ラヴィ。
ドラッグや人種差別などを織り交ぜて話は進む。
容疑者として浮かぶのは、
ピップの友人であったり、その父であったり、被害者の父であったり、親友であったり、、、。
浮かんでは消え、消えては再浮上。
まさか、タッグを組んだラヴィじゃないよね←そうだったら私、立ち直れないぞ。

なるほどと納得の着地。

sns、facebook、メールのやり取りなどを入れ込んでの展開も注目。

ストーリーも面白く、公平な目を持つピップが、とても良かった。
最後の最後に再度それを認識させられました。
事件は解決したけれど、そこに人が居る。そこにスポットライト。

さて、海外物を読むと名前で苦労する。そして関係がこんがらがるので、登場人物は表記されていたけど、私なりの相関図を作って読み進めた(字の下手さは見ぬ振りしてね)。



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沙林 帚木蓬生

2023-03-12 16:31:00 | 
「沙林」読了。
沙林とは、台湾でのサリンの表記。
頭に入らない元素名などは、すっ飛ばして読んだけど、内容には、さして差し支えなかったと思う(事にする)。




本を読む人と読まない人との違いを表した絵らしい。
自分が読む量なんて知れているけど、この本を読んで又少し見えてきたものがある。

著者は言う。
化学兵器、生物兵器は、
核より怖いものかも知れないと。

この本では、コロナに触れていないが、著者の帚木さんに陰謀論について尋ねてみたい。



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次はミステリー

2023-02-23 17:45:00 | 
何かで見た「オススメミステリー」に入っていた。
予備知識と言えるのは「ラストまで予測がつかない」だけ。
楽しみだ。





コメント (2)
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