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風吹くままに

温泉県に暮らすマリの日常

四宝堂 文房具店

2025-02-13 21:09:00 | 



「四宝堂」文房具店に訪れる踏み切れない思いを抱えた客達。
店主宝田硯が踏み切れない思いの背中を少し押すことで前へと動き出す。
心温まるお話し5話。
シリーズ化されている。

で、こう言う物語の後は、ちょっとヘビー物で行きたい。
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殿山泰司 「三文役者 あなあきい伝」

2025-01-31 16:27:00 | 





殿山泰司さん、この似顔絵通りのおっちゃんでしたね。
彼がエッセイを書いていたなんて、全く知らなんだった。
読むきっかけは多分、地元紙の日曜版で紹介されていたから?
どんな紹介文で読む気になったのか?
次回から、メモしとかなきゃ。

さて、本の裏の紹介文にはー
幼なくして生母と別れ、後添いの継母は冷たい女。いつも多忙なおでんやの息子では、飯の支度もしてもらえない。そんな生い立ちから、星霜を経て、やがて迎える青年期、そして徴兵ーおもしろうてやがて哀しき三文役者
青春放浪記
と、ある。
昭和55年(1980)4月15日第1刷発行
殿山泰司  1915〜1989(73没)

出てくる出てくる「ピー」言葉。
風俗通いやら性病やら、、、
とにかく風俗に爆浸り。
例え三文役者でも、今ならSNSで叩かれまくるだろう。
ある意味、その辺りは大らかな世の中だった。
みんな貧しかったし、継母が朝ごはんを用意しなくても「ネグレスト」なんて言葉もなかった。
大した気概がある訳でもないが、役者になった。
うろ覚えの役者さん、あの人この人。
佐藤慶さんと重信房子?
真相が明かされんかった、残念。

ところが、そんな話ばかりか?と言えば、違うのです。
声高に言わない「戦争の愚かさ」をあちこちに散りばめているのです。
彼独特の語り口で。
弟さんへの愛おしさに涙。

もう殿山さんの事知らなすぎた😰

コメント (10)
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秘密 ケイト•モートン

2025-01-17 19:33:00 | 




2025年1冊目は、ケイト•モートンの「秘密」
粗筋は↑。

粗筋にあるように、母が男を刺殺したのは間違いない。
不審者の男を。
母が刺殺した男はこう言った
「やぁ、ドロシー久しぶりだね」娘のローレルは、それを確かに聞いたが、警察には秘密にした。
ミステリーだけど、読み終わってみると、ピュアなラブストーリーだったわ。

母の若き頃とローレルが探る現代を行き来するが、さほど苦労せずに読めた。
(苦労するのはいつも名前、覚えられない、愛称などが出て来ると、えっと誰だっけ?

犯人探しではないから、
「真相は、こうじゃないかな?あーじゃないかな」と、推測しつつ読む。
途中からもしかして?
いやいや、違うなぁ。
下巻の真ん中辺りから確信に変わっていった(遅い?)

純粋で健気だけではない、計算高いしたたかさなども待ち合わせた若き日の母。
ドロシーは、当時の恋人を巻き込んである企みを決行する。
だがそれは悲劇を生み、、、
ローレルは、そんな母の若き頃を知ることになるが、、、
その母は、何をチャンスとして生まれかわったのか?
慈愛に満ちた母になり得たのか?

読後感は良いです。



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晩鐘   乃南アサ

2024-08-06 16:37:00 | 




晩鐘」上中下読了。
乃南アサさんの「風紋」の続編。

被害者と加害者それぞれの家族の7年後。
母を殺された娘、
殺人者の妻、
そしてその息子、
それを見つめる新聞記者4人を中心に描いている。
殺人事件が起こり犯人が逮捕され裁判にかけられ判決が下る。
一応の決着を見たことになる。
が、果たして、
そう言えるのか?
殺された者は、何の思いも何の説明もできず、何も何も何も2度と語れない。
被害者も加害者の家族も
悲鳴を上げながら生きていくことになる。
最後に救いはあるのか?
ある人物には更に過酷な運命が、、、

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風紋  乃南アサ

2024-07-29 21:49:00 | 
あなたのお母さんが殺されたら?
それも不倫の果てに。




またかい?
そうです。
乃南アサさんです。
こうなったなら、とことん読んでやろうじゃないの。

両親、姉との4人家族の真裕子17歳。父は仕事だゴルフだと留守がち。姉は浪人中で、母と何かとぶつかり暴言吐きまくり、物を投げたりの家庭事情。それでも平凡な日々だった。
あの日、真裕子の進路指導で学校に顔を出した母が帰らなくなるまでは。
その日から真裕子の生活は一変した。
「お母さんが死んだ、殺された、、、」
「愛する人は死ぬ。私はもう誰も愛さない」
「お母さんに会いたい」
「お母さんに会いたい」
「お母さんに会いたい」
真裕子の悲痛な叫び。

人が殺されるということは、被害者家族、加害者家族の生活を一変させる。

これもグイグイと引っ張られました。
真裕子の目を通して描かれる父親、姉、叔母たち、そして真裕子自身。更に加害者の妻。
どうしてこんなに緻密に心を描けるの?

一応、上下巻で完結したが、私としては、加害者に疑問が残る。
殺すに至るまでをもっと知りたい。
裁判で明かされてはいるが、それは表面的で、もっと深く知りたいのだ。
そうしたら「晩鐘上中下」「風紋」のその後と言うのが目に入った。
加害者の心理が描かれるかは分からないけど読みたい度マックス。
Amazon高い。メルカリで見つけました。
乃南アサさんは続くのであった。

Amazonより
ある殺人事件をめぐる家族の物語――。事件後、報道によって明らかになる被害者の姿。それは、近しい人間を殺され、ただでさえ苦しい残された家族をさらに追い詰める。またそれは、加害者側にもいえることだった。真に迫る緻密な心理描写で他の追随を許さない著書の、後世に語り継がれるべき傑作が装いを新たに登場。読みだしたら最後、読み手の心を放さない。


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夜明けのすべて 瀬尾まいこ

2024-07-23 21:46:00 | 



藤沢美紗28歳。PMS(月経前症候群)
山添考俊25歳 パニック障害
同僚となったそれぞれの事情を抱えた2人の語りで話が進んでいく。
現実はもっと深刻なんだろうけど
2人の関係がユーモラスで面白く、スラスラ読んだ。
コーヒーブレイク的な本でした。

印象に残った箇所ーーーーーー
「心にたまっていくのは不満だけじゃないし、発したいのは主張だけじゃない。感動や興奮だって伝えられないままだと自分の中に残っていく。「映画すごく良かった」ただそれだけのことだけど誰にも言わないままにはしておけなかった」
ーーーーーーーーーーーーーー
それを話したいと思う相手がいるって「生きる」に繋がると思う。


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ピリオド 乃南アサ

2024-07-15 22:38:00 | 



ストーリー

フリーカメラマンの葉子は36歳の時に離婚。子どもはなく、東京のマンションに1人で暮らしていた。葉子は仕事先の編集者、杉浦と不倫関係にあったが、時を違えて甥と姪が長野からやってくる。2人の父親、葉子の兄は癌を患い闘病していたが、2人はそれぞれ事情を抱え、実家を出たいと強く願っていた。――日々の生活で次々と起きる問題に直面し、様々な感情に揺れる葉子。今では空き家となり、朽ちた故郷の家に思いを重ね、過ごしてきた時間の中で徐々に積もっていった「心のしこり」と向き合う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

乃南アサさんです。
甥、姪の面倒をみるうちに「心のしこり」が溶けていく。
めでたしめでたし
なんて事はありません(全くない訳ではない)
「死」「家族」「自分」がテーマ。
ミステリー要素も孕んでいて、引っ張られました。


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カフネ

2024-07-01 20:35:00 | 





朝刊で紹介されていて「読みたい!」
お値段1700円。
ごめん🙏図書館で借りる。
検索すると「あり」と出たので、
速攻🚗走りました。

内容
薫子の弟は、両親を始め関わる人誰からも愛される。
穏やかな空気にするのだ。
反対に姉の薫子は親から「あなた真面目すぎるから、、、」と顔をしかめられる具合。
弟を愛しながら、弟ほど愛されない満たされない思いを押し殺して生きてきた。

結婚はしたが、夫から突然離婚を切り出されてやけになってしまった薫子に更なる追い討ちがかかる。
弟が急死したのだ。
それを機に弟の彼女せつなと関わる事になる。
彼女は、家事支援の仕事をしていて、薫子も手伝う事になる、、、。
その仕事で、
現代の問題、困りごと、生きると言うことが、炙り出される。
シングル親、ワンオペ、同性愛、アルコール依存症、不妊治療、毒親、、、まだまだあるんだわ。
と、てんこ盛り。

「この気持ち分かる」って箇所もあるんだけど、何だろう、この物足りなさは。
諸々なぞって綺麗事にまとめ過ぎた気がする。
予定調和?
作家の阿部さんは、主人公の様にきっと生真面目な方なんだろうな。
それともう一つ、主要人物が皆似ていて、それぞれの個性の様なものが感じられない。
これ大きい。

「皆良い人じゃ面白くない」😅

「今の自分にできること」に視点を置いて読むと又違うかな。



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マザコン 角田光代

2024-06-18 16:06:00 | 



文庫本の裏すじより

大人になった息子、娘たちの母親への様々な思いを描く作品集。
疎ましくも慕わしい母と子の関係ー切なくビターの8編。
以上


手応えありの8編。
角田さんの視点鋭く、こう言うのを読むと自分の心の内にある言語化できない思いが消化されていくようだ。
「雨をわたる」「ふたり暮らし」のもわーっとした不安感がなんとも言えない。
クスッと笑えると言うかやれやれってのもありました。

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新宿のありふれた夜

2024-03-25 16:33:00 | 
雇われマスターの郷田が酒場を畳む夜。

新宿のありふれた一夜のはずだった。
いや、朝になれば人の目にはありふれた夜が明けただけなのだが。
ハードボイルドな男にのしかかる疲労感。
読者には◯◯◯(ネタバレなので書かない)

人は他人(ひと)を救うのか、救われるのか?
救っているようで救われて、
救われているようで救うのか?












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