mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

《Serenade》

2014-06-01 05:22:12 | 〈紅緋色の部屋〉
  深夜の陶酔の中で貴女を見ていた
  目覚めると風が吹き渡り
  夜空には星が輝いていた

  貴女の夢から目覚めれば
  足は自然と動き
  愛しい貴女の部屋の窓まで 
  わたしを連れて行ったのだ 

  漂う風は暗く静かな流れとなり
  深紅の花の香りは色とともに消え去る
  夢の中の思いのように
  意地悪カラスに邪魔され届かない
  愛しい貴女に絶え入るように

  わたしを草露から取り出しておくれ
  今にも死にそうな思いのわたしを救っておくれ

  紅い唇でキスしておくれ
  わたしの頬は冷たく死人のようだが  心臓は音を立てて高鳴っている
  わたしの鼓動が聞こえるくらいに抱きしめておくれ

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