子どもが学校へ行かなくなったとき、私は自分の育て方が悪かったからだと思った。
私が彼女をネグレクトしてきたのだから。
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私自身、二十歳くらいまで、爪噛みがとまらなかったのだが、「親の愛情不足だったんだね」と言われた。
また、中学校時代、荒れている同級生を見た大人たちが「母親が夜の仕事で家にいないため、寂しいのだろう」と言うのを聞いてきた。
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私が、「自分が悪いのだ」と思ったのは、他人の子が不登校になったとき、それはその子の母親のせいだと思ったからだ。
鏡だ。
そして、私はその子の母親を非難したい気持ちになっていた。だから、私は自分の子どもが不登校になったとき、自分が世間から責められるのだと思い、恐怖し、子どものせいで自分が非難されると感じ、子どもを憎んだ。
鏡だったんだなと思う。
そして、母親を責めるのは、自分が望んでしていることではないということにも、思い至った。