maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

135-Guadalajara-01-U.S.A.1964-No.135(9/20)-再録

2003-09-26 15:35:56 | 虚々実々-U.S.A.-1964

さよならミケ

ミケェーレ(Michele)ともアカプルコ(Acapluco)ともお別れ。
「来年にはフィレンツェに戻っているから遊びに来いよ!」
簡単に言いますが、ヨーロッパに行けるチャンスがそうそう有るとは思えません。
「うん、何時か行きたいなぁ。それよりもアメリカから日本を廻って帰るってのはどうだ?」
「出来ればいいけど、とてもじゃないがお金が足りないよ」
「Taxco にはどうやって戻るんだ?」
「便乗させてくれる人が見付からなければ、最悪バスだね」

このホテルの方がHotel Caleta よりも交換レートが少しいいので、虎の子の10ドルをペソに両替。
これで日本円の小銭以外は全てペソ。
頼みの綱は使わなかったメキシコ・シティ、アカプルコの航空券の払い戻しです。
アカプルコにきた日に Hotel Caleta の Mexicana のディスクで予約したグアダラハラ行きは13:00離陸です。
私は空港まで送迎バスがあるそうなのでそれで行く事にしました。
よくよく訊くと送迎バスはこのホテルには寄らないんだそうです。
送迎バスが廻ってくる一番近いホテルは Hotel Caleta。
便乗させてくれる車を探すにしても、ここよりは Hotel Caleta の方が見込みがありそうなので、荷物を持って移動です。

ロビーでミケが画用紙に TAXCO と描いたのを持って座っていると、30分もしないうちに乗せてやろうという人が現われました。
もう今すぐ出るというので、慌ててミケは車に乗り込みました。
「Good Luck!アスタラビスタ・アミーゴ!」
「チヴェディアーモ・アミーコ!(Ci vediamo amico!=又会おうぜ、友達!)」と窓から手を振ってミケは行ってしまいました。
本当に又会えるかなぁ?

送迎バス(リムジン?)がやって来るのは10:30、ロビーで待っていて乗り損ねると一大事なので、「空港行き」の立て札の所で待つことにしました。
他には誰一人居ません。
立て札には9:30、10:30・・と時刻表らしいものが貼って有ります。
10:30丁度にやって来たのは、バスかと思ったら普通の乗用車。
まさかなぁ?と思いながらも立て札と車を交互に指差すと、運転手がうなずいています。
「Air Port?」と念を押すと「シィー!(そう!)」
間違いなくこれが「エァポート・リムジン」みたいです。
乗ったのは私だけ。

真っ直ぐ空港へ行くのかと思ったら、 Hotel Caleta が出発点らしく、他のホテルに次々と寄ってアカプルコのホテルめぐり、最終的には4人が相乗りです。
おっとりしているのか、グズなのか、急きも騒ぎもせずにのんびりと車は走っています。
12:00になっても一向に空港らしき物が見えません。
助手席に乗ったオジさんが時計を指差して、しきりに運転手に何か言っています。
乗り遅れなんか勘弁してくださいよ!
12:40にやっと空港に到着。

ドタバタとチェックインしてゲートに向かったら、4発のプロペラ機が止まっています。
チャンと機体が水平になっていて、大きさも DC-3 の倍くらいは有ります。
ん?Mexico City と表示が出ていますね?
ゲートの係員に切符を見せると「OK、OK」とうなずきます。
フライトNo.は確かに合っているのですが、行き先が違う!
表示を指差して、切符を見せて「グアダラハラはこれでいいのか?(Guadalajara OK?)」
「メヒコシティ、飛行機乗り換え、グアダラハラに行く!OK?(Mexico City, Change airplane, go Guadalajara!OK?)」
えーっ?メキシコ・シティで乗り換えるのかな?
この期に及んで乗り間違いなんかしたら、目も当てられないので、しつっこく確認。
「グアダラハラに行くには、この飛行機に乗るのか?(To go Guadalajara get on this airplane?)」
「はい!はい!(シー!シー!)」
これ以上確かめようが無いので、とにかく搭乗しました。
それでも何だか不安です。
スチュアディスに又切符を見せて確かめると、やはりこの飛行機はメキシコ・シティ行きで、乗り換えるんだそうです。

離陸したのは良いけれど、シェラ・マドレを越えて飛ぶので揺れる揺れる。
斜めに滑るように落ちていったかと思うと、グイーンと上昇してスリル万点。
強烈な揺れや上下動の時には、溜息とも悲鳴ともつかない声が、機内のあっちこっちから起こります。
離陸してから着陸までベルト着用のサインが点きっ放しです。
おまけにアナウンスがスペイン語、申し訳程度に英語も混じっているようですが、これが聞き取れません。
果たして「安心しろ」と言っているのか「心配しなさい」と言っているのか?
何が何だか判らないうちにメキシコ・シティに到着しました。

乗客にくっ付いて降りてターミナルビルに入ると、胸のところに Guadalajara と描いた札を持ったお姉さんが立っていました。
チケットを見せるとニッコリ笑って左の方を指差します。
トボトボ歩いてゆくと Guadalajara と看板の出たゲートがありました。
フライトNo.はチケットに書いてあるのと一緒。
そばにいたお姉さんにチケットを見せて「此処?(Here?)」
「ええ、此処です(Yes!here!)」

表示された出発時刻まで1時間以上有ります。
昼飯を食べ損ねたのでお腹がペコペコです。
売店のような物が有るので行ってみると、揚げシュウマイを平べったくしたようなのを売っていました。
町の屋台のトルティーアの3分の1くらいの大きさで値段は一緒。
サンドイッチ風のも有るけれどこれはもっと高い。
幸いネブラスカ製のクッキーが2枚残っていたので、それで昼ご飯。

さっきの飛行機に乗っていた人の顔が結構見えますね。
やっと出発時刻が来てゲートが開くと、あれ?同じ飛行機?
タラップを上がると出迎えてくれたスチュワディスに見覚えが有ります。
チケットを見て指差したのは、さっきまで座っていたシートです。
どうやらアカプルコ⇒グアダラハラの客は、同じシートに座ってるみたいですね。
今度はあまり揺れず、まずまず快適な飛行です。
ホテルクーポンは使い切って表紙とホテル・リストだけが残っています。
このリストに載っているホテルなら、そんなに高くないでしょう。
機内にあったグアダラハラの地図で、出来るだけ便利な所を捜そうと思ったけれど、地図が簡単すぎて参考になりません。
スチュワディスに訊くとしばらくリストを眺めていて、Gran Hotel に印をつけてくれました。
町が小さいから歩いて観光出来るそうです。
それは助かりますね!
チャンと軽食も出て、17:20にグアダラハラへ到着しました。

先ず空港のカウンターで9月22日グアダラハラ7:30発⇒メキシコ・シティ⇒ロスアンジェルス12:15着 Mexicana 910便の切符を予約しました。
これで例え無一文になっても、この空港へさえ来ればロスアンジェルス⇒日本へ帰れます。
忘れずに、明日予約の再確認をしないといけませんね。

空港の地図で見ると、グアダラハラの市街はズーッと北のほうにあるようです。
バス乗り場が有りますが、果たしてどれに乗ればいいのか?
乗り場に居るオジさんにリストを見せて Gran Hotel を差すとこれに乗れといいます。
念のために隣の乗り場で訊くと、全然違う乗り場を指します。
これは困った!
すると客を乗せたタクシーが寄って来て「グアダラハラ、ダウンタウン!」と窓から怒鳴っています。
リストの Gran Hotel を見せると、乗れという手振り。
「幾ら?(クァント?)」片手を出して「5(シンコ)」
安いか高いか判りませんが、日本円で150円ならそんなもんか、と乗り込みました。
相客は何人(ナニジン)か不明ですがオジさんとオバさん。
どうもこの二人も他人みたいです。
メーターも何にもなし、これはひょっとして闇のタクシー?
正規のタクシーでは、いくらメキシコでも相乗りさせないでしょうね。
メキシコ・シティよりも町は小さいらしいのですが、遥かにキレイで落着いています。
キョトキョトしていると、車が停まって「降りろ」という手振りです。
みると Gran Hotel の真ん前、やった!。

フロントで部屋を聞くと空いては居るものの、思っていたよりも高い。
もっと安い部屋は無いかと粘りに粘って、何とか持っているお金で2泊可能な部屋にありつきました。
最終日の飯代は無しでも、飛行機の便が朝早いし、国内線は無理でも、国際線で何か食べるものが出るはずです。
観光はとにかく歩くしかありません。
部屋に入ると、今までで1番立派。
窓から外を見ると、いかにも外国っぽい町の眺めが見えます。
バスタブもあるし、こんな贅沢していいのかなぁ?
兎にも角にも晩飯を食べないと、とホテルから出て右手に歩いてゆくと直ぐにロータリィーに出ました。
お馴染みトルティーヤの屋台に、春巻きみたいなのも並んでいます。
トルティーヤを揚げてあるんですね。
一番安い豆のトルティーヤと揚げたの(フラウタ)を一つずつ。
オッ、揚げたのには肉が入っている!
ブタ肉みたいですね、これなら少々高いのも納得です。

満月が西の空の低い所で光っています。
いろいろ有ったけれど、何とかここまでたどり着きました。
せめて、最初と最期くらいは予定していた街に行かないとね。

2003/09/26

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