東日本地震④～水がない！～

この日の朝も、早く目が覚めた。

私服で寝てるため、すぐに動ける。

またアタシはアパートに戻り、コンビニを見て、自販機も探した。

両方ダメだった。

昨日の夜、ニュースで給水場所の情報を入手したので帰りに行ってみた。

そこはアタシの母校で中学校だった。

ちょうどアパートのごみ箱から、ミネラルウォーターの空きボトルを持ってきてたから、そのまま並び、父に電話して応援を呼んだ。

結構な列で、アタシはワンセグを見ながら並んでると、職員が呼びかけてる。

「残り水が少ないので、一人⑩リットルまででお願いします！」

あちゃちゃと思いながら並びに続ける。やがて…

「申し訳ありません！水はなくなってしまいました！」

そんな。アタシの前にはまだ数十人。父も合流していた。

もちろん、後ろにも数十人。

そんな中、中年女性の怒号。

「なんで水がないの！？あっちもこっちもダメなんだよ！？どうしてくれんの！？」

絶対こういう人はいるとは思ったけど。

どうしてくれんの、申し訳ありません。そんなやり取りが続いて、やがて職員が「申し訳ありません！！私どもも一生懸命やっております！申し訳ありません！」

と怒鳴り、深く一例した。
それでも止めない中年女性。

そのクレームが終わらないうちに、かぶせるように「申し訳ありません！」と謝る職員。

殺伐としている中、アタシ達は諦め、戻ることに。

戻ってきた後、しばらく父は戻らなかった。

やっと戻ってきたと思ったら、あちこち水を探していたみたい。

浄水場とかものすごい行列で、さっきの中学校よりもさらに殺気立っていたらしい。

アタシと父は、神社の清め水を汲めるんじゃないかということで近所の神社へ。
神社では、家の人が逃げる準備をしていた。

水を汲めないかと言うと、水道水のため断水でダメだという。

ちょっと予想はしてたけど、やはりダメだった。

これからスーパーでも寄ってみるかとなった所にテツさんからメールが。

山に涌き水を汲みに行こうと。

アタシは二つ返事で水を汲みに行くことにした。