スシの暗黒狂

挫折した理系人の狂的科学空間

まだ(*3)未履修問題

2006-10-31 23:48:30 | 科学・技術・教育
とうとうこの高校までバレてしまったわけだが、これで所謂進学校と呼ばれているところでは、およそ高校の学習指導要領などというものは有名無実化していることが明らかになったわけだ。
この際だから、義務教育でない部分は、すべからく文科省の枷を外したらどうなんだろうね?

それが、一番面倒が無くてアトクサレがなさそうなんだが・・・

まだまだ続く履修問題

2006-10-30 22:35:00 | 科学・技術・教育
とうとうこの問題で自殺者まででたらしい

ところで、

塩崎恭久官房長官は記者会見で、未履修のまま卒業した人の扱いについても検討する考えを示唆した。 (時事通信)

とのことだが、いったいどうするつもりなんだろうか?
もし厳密に学習指導要領を適用して、既に卒業した生徒の卒業資格を取り消すとか言い出すと、おそらく現在大学(学部のみ)に在籍している学生のほとんどがいなくなるだろう。
例えば、静岡の高校のように、一応授業はやったけど、所定の時間を満たしていないとか、中高一貫で高校の世界史Bを中3時点でやったりとか(厳密にいうとこれはマズイらしい。過去、広島県で事例がある)、こういう事例まで全部ダメとかいいだしたら、ホントに今いる大学生がみんないなくなるよ?

まあ、まだどうするか何も言っていないから、何ともいえないけど・・・

工学部はそれほど難解か?

2006-10-27 00:27:06 | 科学・技術・教育
工学部の志願者半減のニュースであるが、以前書いたエントリこのエントリにも書いたとおり、この問題の解決には理工系人材のいっそうの地位向上以外ありえない。

幸い、先日このような判決もでており、少しずつではあるが状況は改善されつつある。
この流れを絶たないようにさらなる地位向上がなされていけば自然と工学部や技術者へ人は戻ってくる。
この流れを大切にしていきたい。

それと若い人の実利思考に訴えるというなら、工学部は最も実利に適しているとアピールできるはずだ。
例えば、今日本で一番ブイブイ言わせている企業、トヨタとかキャノンとかに就職したいのであれば、工学部が一番近道ですよ、という言い方だってできるだろう。
知恵と工夫のしどころは沢山あるはずだ。

前エントリの続き

2006-10-26 02:23:27 | 科学・技術・教育
フロレスタンさんのところで予告した私自身の高校時代についてなど・・・

ちなみに私の母校の高校は新潟の、一応その学区では一番とされる進学校である。

私の高校時代はとにかく、地元の国立大学工学部への進学が目的だったので、それに邁進しようとしていた。
しかし、高校入学直後からどうも勉強が解らなくなった。
一応、授業の予習や復習はそれなりにやるのだが、どうしても試験の点数が上がらない。
で、とうとう高校2年の終わりには順位でいうと約450人中40X番目というありさまになってしまったわけだ。
おかげで、「内職」なんぞする暇もなかった・・・(^_^;;;
仕方がないので、高3になってから1年次の教科書からもう一回やり直してみた。
すると、
「あ、今授業でやっている部分の元になってるところがこんなところに・・・」
という案配で、ようやく知識が繋がること重要性に気がついたわけである。

まあそんなこんなで這々の体で地元ではないが隣県の国立大学には無事合格できた訳である。
生まれて初めて地元を離れ、大学に入って感じたことは、いかにこれまでの自分の世界が狭かったかということ、地元で一番とはいえ全国区で見れば自分の母校のレベルがそれほどでもないという現実。
さらに、その後のインターネットの急速な普及に伴って私にもさまざまな知己を得る機会が巡ってくるのであるが、その中にたまたま鹿児島ラサール→東大文1→法学部とまさに日本の受験エリート街道を爆走してきたような人物がいた。
で、彼にいろいろと話を聞いてみて、いわゆる私学の中高一貫型進学校といわれるものすさまじさというものを痛感した。
一応中学・高校と名がついているが、もう根本的に公立高校とはシステムが違うとしか言いようがない。
私が高3になってようやく会得した「知識が繋がることの重要性」も彼らは遅くとも中3の段階で教えられor気づかされるように、あるいはと意識しなくても体得するようにシステムとしてできあがっている。

この違いは、こと受験という場においては圧倒的な差となる。

こういう連中とまともに戦うためには、地方の公立高校ではよほど本人に能力があるか、そうでなければ学校としてどこかで無理をしなくてはならないだろうと、そのとき思ったのである。

その「どこかで無理をした」ものが今日になって吹き出てきたものが、この履修問題であると思われる。

これは既存の公教育システムが現実とあわなくなってきていることの、典型的な例だと、私は考える。
したがって、これには小学校から大学までの教育システムそのものを見直さざるを得ないだろう。

どのように見直すかについては、大いに議論の余地があるし、私自身もまだ確たる意見があるわけではないので、今日のところはこの辺で。

本当は大学工学部の志願者減についても書きたかったのであるが、それは明日にしようと思う。

地方の進学校における学習指導とは?

2006-10-25 22:17:54 | 科学・技術・教育
これは結構やっかいな問題である。
というのも、大都市圏で育った方には想像できないことかも知れないが、地方において進学校といえば、それはその地方で伝統のある公立高校である。
鹿児島ラサールや長崎青雲などは例外といって良い。

で、そのような地方には中高一貫の私学などというものは存在しない。
東京や近畿圏などなら、同じ進学校でも複数の選択肢が存在するが、地方ではそもそも選択の余地がない。

しかも公立高校であるから、開成や灘・ラサール等に代表される中高一貫進学重視の高校と比べていろいろと制約があり、その時点で地方の高校生には大学進学に対してハンデがあるのだ。
そのハンデに抗する一つの手段として、「受験に必要な科目だけを勉強する」という選択を高校生自身が行ったとしても、それは攻められないであろう。

尾木直樹氏あたりが、「公立高校の予備校化」などと批判しているが、それは地方の実情を知らない者の理想論でしかない。
地方の進学校と呼ばれる公立高校に通う生徒やその保護者はその「予備校化」をこそ、程度の差はあれ、期待しているのだから。
私自身がそういった地方の公立進学校出身であるし、大学院生だった頃、そういった高校生たちを教えていた。だから実情がよくわかるものとしてみれば、理想論を唱えるだけのマスコミは見ていて腹立たしいのだ。

(2006-10-25 22:17:54 追記)
やはり、この問題は富山の一高校に収まるものではなかった。
というより、全国問題になってしまった。というか・・・
ばれちゃった、というべきか?

しかし実際問題として上述したようにそれだけのことをしないと、地方の公立高校では進学実績なんて絶対に上がらない。
現場ではある種の必要悪として常態化していたのである。
それが、現実なのにまだ理想論を語るのだろうか?