NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#320 ジョニー・ウィンター「I’m Yours and I’m Hers」(Columbia)

2024-02-20 08:18:00 | Weblog
2024年2月20日(火)

#320 ジョニー・ウィンター「I’m Yours and I’m Hers」(Columbia)





ジョニー・ウィンター、コロムビアでのファースト・アルバム「ジョニー・ウィンター」のオープニング・ナンバー。ウィンター自身の作品。69年4月リリース。

ジョニー・ウィンターは1944年テキサス州生まれ。ローカル・バンドで活動してマイナーレーベルで一枚アルバムを出した後、大手コロムビアと契約して「100万ドルのギタリスト」という惹句で華々しくデビューした。

そのファースト・アルバムは全米24位となり、ウィンターの知名度を一気に高めた。

アルバムの一曲目に収められたこの「I’m Yours and I’m hers」は、いかにもウィンターらしいブルース・ロック・ナンバー。重厚なベースラインに導かれて、彼の達者なスライド・ギターが全面に展開する。

オーバーダビングによるツインギターというのも、えらくいかしている。

筆者は実はこの曲を、ウィンターのオリジナルではなく、カバー・バージョンで聴いて初めて知った。

中学3年ごろだったか、NHKテレビでローリング・ストーンズのハイドパーク・コンサートが放映されたのだが、ライブ前にミック・ジャガーが急逝したブライアン・ジョーンズを悼んで詩を朗読した後、この曲からスタートしたのを、今でも鮮明に覚えている。

バンドに参加して間もないミック・テイラーも交えてのラインナップで、リハも十分とは言えず、かなり不安定な演奏ではあったが、ツイン・スライドギターという斬新なスタイルは、新生ストーンズにふさわしいように思えた。

久しぶりのライブ・パフォーマンスの皮切りとして、デビュー間もない外国人ギタリスト、ウィンターのアルバム曲を選んだストーンズのセンスはなかなかに先進的であった。

筆者はその後ようやく、オリジナルのバージョンに遭遇したのだが、ウィンター自身のプレイも、キースやミック・テイラーに劣ることなく、実にファンキーでグルーヴィだった。

一曲聴くと、ホント、お腹いっぱいになる音の洪水。まさにテキサス・フラッドだ。思い切り、奔流に溺れてみて欲しい。

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