新作 ～ 「妖精の結婚式」 その１９

どもども、皆さまお元気ですか。

今まかろん、この話のもうちょっと先の方書いてるんですけど、
この話の主人公、会社員なんですよね。

現世離れしてるシーンを書いてる時は、
現実世界にモデルがなくて自分の想像力だけが頼りで苦しいし、
だけど意外なことに、
現世的シーンの時は今経験してる世界を書けば良いのだから余裕ー、
でもなかったりする・・・。


続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その１９

　　はい　お待ちしてます
　　ありがとうございます
　　とカエルは二人に　明るく言った
　　あーあと思いながら　さやかさんは
　　そぉっと庭を出て　家に帰った

＜つづき＞

さて　土曜日がやってきた
さやかさんは　いつもと同じ
会社へ行く時間に　起きだした
残りご飯の　おにぎりと
ペットボトルに水詰め　出陣だ

今日も　静かに雨が降っている
近ごろは　日の出が早くて
もう　だいぶ明るい
動きやすい　薄手の地味な服
使い捨てレインウェアは　後で着る

縄をほどいて　木戸を開ける
しっかり縛った縄を
引っ張るのは　手に痛い
今度　針金でも持ってこようかな
と思いながら　静かに中に入った

緑の息吹が　ひんやり迎えた
木々の葉から　雫がぽたぽた垂れる
レインウェアを着る物影はないかな
と　庭をぐるっと歩き出した
お早うございます　と声がした

背の高い花の茎に　カエルが上っていた
お早う　とさやかさんは返した
お早いですね　とカエルは爽やかに言った
仲間たちは　まだなんですよ
後で　ご紹介しますね

そう言うとカエルは　茎を
ぺろりと　なめとった
見ると　アブラムシがたかってた
さやかさんの背中は　ぞぞっとした
けっ・・こういるの　そーゆーの


＜つづく＞



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