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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その14

2014-03-27 21:36:53 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
いま2018年なんですけど、夏休み子ども科学電話相談という
N●Kのラジオ番組があるらしいですね。

子どもさんたちの発想の意外さ、小さいながらの真剣さ、
対する大人たち(各分野の専門家さんたちと名アシストのアナウンサーさん)
との受け答えの見事さなどが毎年評判で、
ついったーでたくさんの人のリポートを見ることができます。

2018年8月3日に、とあるお子さんが「人間はなぜ争いをするのか」と
質問をなさいました。

それに対する心と体の科学専門の先生は、
「お父さんとお母さんは仲良いでしょ?お友達とも仲良いでしょ?人間は意外と仲良しだよ」

・・・。

いや、お子さんの周りはそうかもしれないけど、
お父さんが勤めてる会社でうずまくパワハラやブラック労働とかさぁ・・・

お母さんはお父さんの転勤で、せっかくの技能を生かせる仕事をやめて、
パートしか仕事が得られなくなって・・とかさぁ。

お子さんが大きくなって通う中学でのスクールカーストだの、
ネットでのいじめだの、部活の顧問からの児童虐待とか・・・


みんな、みんな、どっかしらで抑圧されて、
その苦しみを自分より弱い誰かを踏みつぶすことで取り返そうとして。

その中で何とか生き延びようと、みんな必死なんじゃん。


そういうのを小さな子供に伝えることって難しいだろうけどさ。


ド汚い本音でこの世界は、人々は動いてる。
あまりに汚いので、その本音で得する人たちは、
みんな仲良しー!という綺麗事で人々の目をくらませようとするし、
あまりに汚いので、多くの人たちも目をつぶって見えないことにしてしまう。

見たら、ド汚いルールに従わされて搾取されている、
それを覆す力もない、苦しいみじめな自分を直視してしまうから。


だけどさ。

うん、小さなお子さんに言わなかったのは仕方ないんだろうけどさ。

でも・・・綺麗事を教えられてそのルールを一生懸命守って、
で、ある時気が付くんだ。

こんなにちゃんとお父さんお母さんの言うこと守ってきたのに、
なんで僕は何も手に入れられてないんだ?・・って。


世界は混乱と争いに満ちています。

人々は心では汚い本音をわしづかみにしながら、
頭では綺麗事で動いているつもりになっているから。

だからお道徳(お道徳ぶってる宗教も)はとんちんかんなのです。

本音という、人の行動の源流に手を伸ばさないと。
上から蓋をするだけでは何千年経っても世界は変わらない。

人々と自分の本音から、解きほぐす必要があるのだと思います。


もっともっと、世界は笑いと創造性と自由が増せば良いと思う。

誰かの「都合」優先の世界の支配を弱めたり断ち切ったりするのが、
人々の笑いと創造性じゃないかな、と思ったりするのです。


この作品から4年経っても、
まだ人間の本音の端をかするくらいしかできてないけど。
一歩ずつ、一行ずつでも、進んでいけたらと思います。


ではっ、続きです~。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その14

  これくらい気をきかせろよ グズが!
  怒鳴るだけ怒鳴って 男は作業に戻る
  言われた人の顔は 強張って
  周りは 気まずく目を見かわす
  男はただ 自分の手元だけ見つめてた

<つづき>

シェフ・・・ 
と遠慮がちな声が 聞こえる
事務のことで お話が・・・
後にしろ後に と男が応える
今忙しいんだ 見りゃ分かるだろ?

どいつもこいつも 役立たない
また薄暗い部屋で 男は独りののしる
男の顔はこけ 目はギラついてた
余計な手間ばかり かけさせて
男は 暗い窓の外を見る

何も見えない 窓の向こうに
男は 掴みかかるような目を向けた
その身体から 吹き上がる暗い炎
男の唇が音に出さず つぶやく言葉を
ナヲキさんは 知っていた

サクラ・・・
とナヲキさんは つぶやいた
はっと 桜の方を振り返る
綺麗だとばかり 思ってた桜は
どす黒い炎をまとって 咲き誇ってた

風もないのに 豊かな枝が揺れる
揺れるたびに 音のない声が耳に響く
男の声 女の声 うめき罵り呪う声
まだ足りない と喚いてた
金が成果が名声が もっと俺に私に力を!

他人を踏みつけたって 構わない
ごうごうと 幾千幾万の声が合唱した
やらなきゃやられる 周りは敵だ
利用しろ ぶっつぶせ
俺の私の 場所を空けろ守らなきゃ

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その13

2014-03-27 21:36:21 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、お今晩は~。

皆さま、お元気にされてますか。

Yahooトップページで紹介されていた話なので、とうに観たよ!と
いう方もいらっしゃるかとは思いますが、
「恋のフォーチュンクッキー」の歌詞を古文体にした上で初音ミクに歌わせた動画が
今話題になっているようです。

サイトはこちら→ YouTube「恋ひたる辻占煎餅」

何がすごいって、古文体歌詞を音に詰め込むでもなく、
歌詞の意味を全く変えずに、ぴたりと音に合わせてるのが、ホント、凄いと思います。

ミクちゃんの調声も、滑らかで綺麗です。

才能って、ホントどこにでもいるんだなぁ、とこういうのを見るたびに思います。

うん、コミケ行くたびにも思うけどね。

ではっ、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その13

  お時間をとらせて すみませんでした
  さあ・・・ 貴方の世界にお帰りなさい
  蛇は背を向け 桜に向かって進み出した
  ナヲキさんは あっけにとられて
  遠ざかってく 白蛇を見つめた

<つづき>

何だよ とナヲキさんは思った
分かってたんなら 最初から呼ぶなよ
俺忙しいんだぜ 店だってあるし
新作ケーキだって・・・
桜が ざわっと色を増した

ナヲキさんは ぞくっとした
俺・・・帰っていいんだよな
自分に言い聞かせるように そう思った
あの蛇が そう・・・言ってたんだし
神霊とかなら 何とかするよな

ナヲキさんは 振り向いて
帰り道を 一二歩歩いた
背中に 大きな気配を感じた
燃え上がるような 渇えの気配
ダメだダメだ もっとだもっと

耳の奥で 男がうなる声がした
荒々しい 怒りと拒絶に満ちた声
男が一人 薄暗い部屋でうつむいていた
台に散らばる お菓子の材料
食べかけのケーキ 覚書きの山

ナヲキさんは はっと立ち止まった
同じ部屋は 明るくなって
人が何人も 立ち働いてる
何やってるんだ! と怒鳴り声
怒鳴っているのは さっきの男

これくらい気をきかせろよ グズが!
怒鳴るだけ怒鳴って 男は作業に戻る
言われた人の顔は 強張って
周りは 気まずく目を見かわす
男はただ 自分の手元だけ見つめてた

<つづく>

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