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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その111

2014-07-31 21:37:12 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その111

  庭についたときは 六時を回っていた
  薄曇りの昼が そのまま続いてる
  人に見とがめられませんように
  今更ながら そう祈って
  なじみの裏木戸から するりと入った

<つづき>

緑の空気が 濃く出迎えた
雲越しだけど 一日注いだ日光の気配と
何か濃密な気配を わずかに感じる
草木たちは 張り切って枝葉を伸ばし
庭はいっそう 緑にあふれて見えた

さて 梅酒をどう渡そう
さやかさんは 植木の影で考えた
妖精に見つかったらマズいよね・・
ホントは朝のうち 来るはずだったのに
と思ってると 髪が何かに引っかかった

何だろと振り向くと 何か
ピンポン玉くらいの 小さな光の球が
さやかさんの髪を 引っ張っていた
光の球は さやかさんが振り向くと
ぱっと髪を放し ふわふわ飛びまわった

どうしよう さやかさんは戸惑った
変に関わっちゃ マズい気がする・・
けど じっとしてると光の球は
髪やら服やらを 引っ張り始めた
だんだん うっとうしくなってきた

鼻まで引っ張りだしたところで
えいやっと 光の球をつかまえた
光の球は 手の中でキーキー暴れた
ヤダヤダ 止メテ!
いやそっちこそと さやかさんは思った

光はだんだん薄まって 
可愛い羽の 幼い女の子の姿が現れた
あごまでの茶色の髪 くるるん 
ふわり 黄色のワンピース
濃い紫色の目が にらんでた


<つづく>



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※修正のご報告:2016年1月10日
濃い紫の目が にらんでた → 濃い紫色の目が ~

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その110

2014-07-30 21:26:18 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
んで、続き。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その110

  さやかさんは 目を開けた
  足がじんわり 温かかった
  しっかり固定されながら 自由
  そんな感覚がした
  もう転ぶ気は しなかった

<つづき>

小皿にとった残りを 丁寧にすする
だんだん身体に 力と熱が満ちてくる
ごめんね と枯れたバラに言った
いのちを戻せないかと 触れてみたけど
何をしても 戻らなかった

ごめんね ともう一度言って
とりあえず 部屋のカーテンを開けた
出かけるまで 何してようか
と思ったところで 朝四時にしては
ずいぶん 明るい気がした

今日は晴れるのかなと
携帯で 天気予報を見ようとした
なんか 変な物が見えた
17 の数字 17:03
17・・ 午後五時?!

嘘っ とさやかさんは見回した
時計・・は全部 針式
テレビをつけて PCもつける
土曜日の夕方 午後五時過ぎだった
日曜や月曜じゃなくて良かった・・

・・じゃなくて!
さやかさんは慌てて タンスを開けた
着がえをし 荷物を用意する
靴下がちぐはぐだけど 気にしない
さやかさんは 家を飛び出した

庭についたときは 六時を回っていた
薄曇りの昼が そのまま続いてる
人に見とがめられませんように
今更ながら そう祈って
なじみの裏木戸から するりと入った


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その109

2014-07-30 21:22:19 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その109

  あの庭行くの どうしよう・・
  さやかさんは 濡れた床を見つめた
  草木たちを “食べ”ちゃうかも
  ああでも 梅酒は持ってかなきゃ
  さやかさんは のろのろ立ち上がった

<つづき>

まだ 頭と身体がふわふわ揺れる
これはマズい 絶対“食べ”ちゃう
さやかさんは 冷蔵庫を開けた
何か食べれば 大丈夫かも
卵・・野菜・・ああパンとミルク

パンとミルクを 出してみたが
なぜだか 食べる気になれない
卵や野菜は 触れてみるのが怖かった
頼むよと 自分に言ってみる
梅酒を持っていかないといけないんだ

そうだ梅酒・・と さやかさんは
梅酒のビンを 取りだした
こないだ 梅酒を飲んだとき
おかしな感覚が したんだった
おかしな状態には おかしな物を!

さやかさんは 梅酒をほんの少し
小皿にとって 匂いをかいでみた
嫌な感じはしないか 吐き気はしないか
梅酒は不思議と 花と土の香りがした
よしと 小皿からすすってみた

身体中に 花の香りが満ちた
ああ あれは春の土が呼びかける声
生きよ起きよと 呼んでいる
降り注ぐ 太陽をふくんだ温かな雨
ぬくもりを 風がきらめき運んでくる・・

さやかさんは 目を開けた
足がじんわり 温かかった
しっかり固定されながら 自由
そんな感覚がした
もう転ぶ気は しなかった


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その108

2014-07-29 21:45:36 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
そーいや今日、ウチのママンに、

「そろそろこれ(梅雨をイメージした室内装飾)やめたら?
 もう梅雨終わったよ」

と言われてしまいました。

もう梅雨終わったよ

まかろんのままんの こうげき。
つうこんの いちげき!
まかろんは 3000HPの ダメージを うけた。
まかろんは ちからつきた!

「おお ゆうしゃよ しんでしまうとは なさけない」・・・

王様に嘆かれてます、誰かベホイミ下さい。

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その108

  目をつぶると 頭がぐにゃりとした
  慌てて目を開けて また息を吸う
  熱っぽくはないけどと 家具をつたって
  ずりずりと 薬箱を入れた戸棚に向かう
  居間のローテーブルに 手をかけた

<つづき>

・・ガツン!バシャン!
ローテーブルの上においた
マットをひっぱり その上の
花びんを ひっくり返してしまった
広がる青臭い水に がっくりした

この体調悪いときに もう・・!
さやかさんは 転がったバラを手にした
まだバラは 元気だった
新しい水に入れてやらなきゃ
さやかさんは 花びんに手を伸ばした・・

・・気がつくと さやかさんは台所にいた
蛇口から 水がジャージャーと流れてた
左手に空っぽの花びん 右手には
かさかさに うちしおれたバラ
さやかさんは枯花を唇に当て 立っていた

さやかさんは驚いて バラを口から離した
バラは 乾き切って変色していた
空っぽの花びんが 間抜けに感じられた
バラと花びんをおいて 流れる水を止めた
さやかさんは雑巾を手に 居間に戻った

さっきよりも 身体が動く
さやかさんは ため息をつきながら
汚れたテーブルを 掃除した
あたし あのバラのいのちを
“食べ”ちゃった? いやまさか

あの庭行くの どうしよう・・
さやかさんは 濡れた床を見つめた
草木たちを “食べ”ちゃうかも
ああでも 梅酒は持ってかなきゃ
さやかさんは のろのろ立ち上がった


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その107

2014-07-29 21:26:02 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その107

  じゃあ とさやかさんは言った
  明日・・頑張ってね
  ありがとなお嬢さん と石護リが言った
  ご協力感謝します と水速ヤも言った
  だけど雨呼ビは うつむいたままだった

<つづき>

翌日起きると 薄曇りだった
時計を見ると 四時過ぎだった
あれずいぶん早く目が覚めたな
とさやかさんは ぼんやり思った
なぜだか あまり眠くなかった

庭に行くには まだ早いけど
もう起きちゃえと ベッドから降りた
バランスを崩して 床に転がった
いった~ とショックが収まるのを待つ
全くなんて朝なんだろう!

痛みが収まってきたところで
そろそろと 起き上がる
頭が くわんとした
頭はぶつけてないはずだけどと
どきどきしながら 立ち上がった

身体が 異様に軽く感じられた
重心をつかみ損ねて
また 転びそうになる
慌てて近くの椅子をつかもうとして
手に力が 入らなかった

腕全体で 椅子にすがって
何とか転ぶのを まぬがれる
足も何だか だらんとしていて
自分の身体の 気がしなかった
どうしたんだろうと 息をつく

目をつぶると 頭がぐにゃりとした
慌てて目を開けて また息を吸う
熱っぽくはないけどと 家具をつたって
ずりずりと 薬箱を入れた戸棚に向かう
居間のローテーブルに 手をかけた


<つづく>



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※修正のご報告:2016年1月10日
足も何だか だらんとして → ~ だらんとしていて
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