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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その106

2014-07-28 21:37:47 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
今2018年なんですが、この辺の展開を皆さまどう受け取られてたのかな。

改めて読むと、魅力的でもあり、でもいろいろ未熟でもあり・・

一度お出ししたものはもう大きく変更できないけど、
いつかこの不思議の庭に帰ってきたいです。

そのころにはもう、まかろんの書く根底が変わってしまっていて、
この作品と合わなくなって、つなげるのに苦労しそうだけど。

未熟でも、帰りたい作品です。

んでもって、続き。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その106

  サヤカさんが 助けてくれました
  ね? と雨呼ビはさやかさんを振り返った
  このくそガエルと さやかさんは思った
  嘘じゃない嘘じゃないんだけどさァァ!
  そう思ってる間に カエルは下に降りていた

<つづき>

あの とさやかさんは言った
あたし帰るね 青花さまも
もう帰れ明日も来るなって言ってたし
石護リと話してた雨呼ビは 振り返った
傷ついた小さな子供のように 見えた

そうか・・青花さまがの・・
石護リが そっと言った
そうなのか 雨呼ビ?
雨呼ビは こくんとうなずいた
それじゃ仕方あるまい と石護リは言った

さやかさんは カエルたちを見渡した
不安がさざ波のように たゆたっていた
あのね とさやかさんは言った
でも・・梅酒は 持ってくるから
・・青花さまにはまだ内緒 ねっ

わざとおどけた調子で 言ってみた
おお・・ と水速ヤが調子をあわせた
かの名高き ウメシュがあれば
明日は 怖いものなしですな
けれど他の者は ただ黙りこくっていた

・・ともかく と木ノ皮が終いに言った
さっきのが何だったのか 後で聞くとして
もう彼女いなくて 良いんスよね?
雨呼ビは黙って そっぽをむいた
雨呼ビ と石護リがたしなめるように言った

じゃあ とさやかさんは言った
明日・・頑張ってね
ありがとなお嬢さん と石護リが言った
ご協力感謝します と水速ヤも言った
だけど雨呼ビは うつむいたままだった


<つづく>



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※変更:2016年1月10日
けれど他の者は ただ黙りこくってた→ ~ ただ黙りこくっていた

変更:2018年8月15日
・・とにかく と木ノ皮が終いに言った → ・・ともかく ~

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その105

2014-07-28 21:33:29 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その105

  草木たちも 今は光が元気でしょう?
  さっき青花さまが 倒れられたときは
  みな消えたのですよ と雨呼ビは言った
  さやかさんは 立ち止まってみた
  草木の柔らかな光が 優しく広がっていた

<つづき>

さやかさんは あくびをした
きっと青花さまは 明日のために
無理されてるんです と雨呼ビが続けた
いつまたああなるか・・
サヤカさんがいれば 安心です

うーん・・ さやかさんはまた歩き出した
まあ・・梅酒は持ってこないとね・・
そうですそうです と雨呼ビは言った
来てしまえば 青花さまだって
じゃけんにはしませんって

いやいや とさやかさんは言った
参加するとは言ってないよ?
梅酒は要るよねって言っただけで
雨呼ビは 手の上で黙り込んだ
でも行くなんて約束はできない!

カエルたちの所に 戻ると
みな 少し不安そうな顔で出迎えた
おお雨呼ビ先ほど・・ と
石護リが 呼びかけた
ええ と雨呼ビは言って見回した

おや草群ラは? と雨呼ビは聞いた
虫喰ライたちを見に 飛んでったわい
と石護リが 答えた
それより先ほどのは 何ぞあったのか
ええでも と雨呼ビは爽やかに言った

サヤカさんが 助けてくれました
ね? と雨呼ビはさやかさんを振り返った
このくそガエルと さやかさんは思った
嘘じゃない嘘じゃないんだけどさァァ!
そう思ってる間に カエルは下に降りていた


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その104

2014-07-27 21:20:34 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その104

  妖精は その軽い返事に眉をひそめた
  ・・明日は 来なくていいですから
  やっぱり 貴女には危険です
  梅酒は? とさやかさんは聞いた
  それは と妖精は地面の雨呼ビをきっと見た

<つづく>

何か他の物も 用意してますよね?
カエルは ぴっと背を伸ばした
もち もちろんです青花さま
・・ということです と妖精は言った
妖精はふわりと 手から飛び上がった

もう帰りなさい そして・・
妖精は 青灰色の目をまっすぐ向けた
私たちのことは 忘れなさい
妖精は池の奥の茂みに 姿を消した
さやかさんは 雨呼ビに目を向けた

・・えーと そういうことなんだけど
カエルはぺたぺた 近づいた
・・そういうこと ですか
さやかさんは 雨呼ビをまた手にのせて
他のカエルたちの所へ 戻り始めた

でもですね と雨呼ビは小声で言った
多分 青花さまは貴女を必要としてますよ
うーん・・ とさやかさんはうなった
あたしも 心配は心配なんだけど・・
そうでしょう? と雨呼ビは勢いこんだ

貴女のために ああ言っただけで
本当は 貴女に来てほしいんですよ
と雨呼ビは うんうんうなずいた
でも・・ とつぶやくさやかさんに
大体ほら と雨呼ビは首をめぐらせた

草木たちも 今は光が元気でしょう?
さっき青花さまが 倒れられたときは
みな消えたのですよ と雨呼ビは言った
さやかさんは 立ち止まってみた
草木の柔らかな光が 優しく広がっていた


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その103

2014-07-27 21:17:46 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども、続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その103

  妖精は空中で ぐらりとよろめいた
  慌ててさやかさんは 手で受け止めた
  妖精は顔をしかめ 頭をかかえた
  かつて・・? 何のことかしら・・
  分からない・・分からないわ・・・

<つづき>

青花さま しっかり
とさやかさんは 呼びかけた
妖精はぐにゃりと ただうつむいていた
青花さま・・ とさやかさんは
手を丸め 弱った妖精を包みこんだ

泥水が頭から鼻を伝って ぽたりと落ちた
手も服も多分顔も 黒く汚れていた
さやかさんは 弱った妖精の
小さな口に 舌を優しく押し当てた
元気になりますように とただ祈った

妖精の口は 淡いハッカ飴と雨の匂いがした
頭の奥でちりと 何かが動いた気がした
もう・・もういいです と妖精が言った
貴女に障りが出るかもしれません
これ以上は・・・ と妖精は身を引いた

さやかさんは 妖精を見た
さっきより 色も光も強くなっていた
あまり 疲れを感じていないのは
慣れたせいか 力を与え損ねたせいか
それとも別のせいか よく分からなかった

今日は帰って よく休んでください
と妖精は 真剣な目つきで見上げた
人間にどれだけ障りが出るか・・
私にもよく分からないのです だから
分かった分かった とさやかさんは言った

妖精は その軽い返事に眉をひそめた
・・明日は 来なくていいですから
やっぱり 貴女には危険です
梅酒は? とさやかさんは聞いた
それは と妖精は地面の雨呼ビをきっと見た


<つづく>



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※修正のご報告:2016年1月10日
さっきより 色も光も強くなってた → ~ 色も光も強くなっていた
あまり疲れを感じてないのは → あまり 疲れを感じてないのは
(※「ない」→「いない」に修正+「あまり」の後に一字開け)

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その102

2014-07-26 21:27:58 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その102

  それであの・・明日ですけど
  妖精が ふわふわ飛びながら言った
  例のお酒・・持ってきてくれるんでしょう?
  あーそんな話もあったと
  さやかさんは うなずいた

<つづき>

妖精は 心配そうに覗きこんだ
ごめんなさい・・力をあげたいけど
明日までは どうしても・・・
あー大丈夫大丈夫 と
さやかさんは 手を振ってみせた

梅酒ね どうしよっか
貴女たちが 集まらない内に
持ってきた方が いいよね?
そのことですが と妖精が言いだした
ぜひ 貴女も参加してほしいのです

ええええ~? と
さやかさんは 目を見開いた
人間は 加わっちゃマズいんじゃ?
ええ普通はそうですが と妖精は言った
貴女の“水”は 心地よい味がします

はあ とさやかさんはもごもご言った
人間は地の力が強いのです と
妖精は さやかさんの目の前に浮かんだ
それは毒にもなれば 助けにもなります
裡に含む “水”次第で

さやかさんの耳に“水”という言葉は
水とも聴こえ “心”とも聴こえた
ふーん・・ とさやかさんは言った
しかしかつて我らは・・ と妖精は言った
人間の・・毒 に・・

妖精は空中で ぐらりとよろめいた
慌ててさやかさんは 手で受け止めた
妖精は顔をしかめ 頭をかかえた
かつて・・? 何のことかしら・・
分からない・・分からないわ・・・


<つづく>



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