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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その116

2014-08-02 22:06:20 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その116

  小さな妖精は 芝生の上を転げ
  も少し大きな妖精は 跳ねまわる
  花やら木の実やら 宙でぶつけあい
  カタツムリに乗って ハイヨーお馬さん
  クモの糸で葉っぱのそり 宙返り

<つづき>

カエルたちが 端っこで演奏してた
バラバラ降る木の実にも 動じない
残念ながら 小粋な小笛はなかった
あの小さいカエルは どこだろう
見回したけど 見当たらなかった

木ノ皮が カタツムリを並べて叩いてる
妖精たちがふわふわ 飛んでくる度に
薄い太鼓を叩いて 気を反らしてた
ちゃんと 音楽に合ってるのがさすがだ
陽気な虫喰ライも 真剣にギターを抱えてた

とりあえず 演奏に問題はないようだった
妖精たちは ご機嫌だった
どこで失敬したのか ふちの欠けた
人間用のお椀に 手を突っ込んでは
何か金色の液体を 飲んでいた

こんにちはー さやかさんは声をかけた
差し入れ 持ってきましたー
妖精たちは はっとさやかさんを見た
人間ダ人間ダ人間ダ人間ダ
大騒ぎになった

慌てて 逃げ出そうとする者
さやかさんに ぶつかってくる者
小さな手で叩いてくる者
つねる引っ張る お椀にドボン!
あいててて! さやかさんは声を上げた

鎮まりなさい! と声がした
青い色が目に入った と思ったら
小さな青い花が 一面に降ってきた
花は触れるはしから 穏やかな
雨と緑の香りを残して 消えていった


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その115

2014-08-02 22:03:21 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その115

  まあ・・これは大丈夫 なんだよね?
  さやかさんは 立ち上がった
  みんなの所に行けって・・
  行っていいって そうなんだよね?
  さやかさんは 荷物をかついで歩き出した

<つづき>

歩いていくと 小さな光の球が
さやかさんの周りを いくつも漂う
だけどもう 構わない
あたしはただ 梅酒を届けにきただけ
皆さまに 梅酒を届けにきただけなんだ

今日は 青い色がやけに目につく
あちらこちらに 青い紫陽花が
こぼれんばかりに 咲いていた
こんなに 紫陽花があったっけ
さやかさんは 目を見張った

洋風の花も多い庭に 紫陽花が
不思議とよく 似合っていた
よほどここの人 好きだったのね
さやかさんは 微笑んだ
青花さまって ひょっとして・・

ぐるっと 家屋近くにやってきた
にぎやかな音が ぶわりと聞こえる
ぶんぶんいう ざわめきに
踊りたくなる楽しげな 音楽
光の球たちも ひゅぅっと先に飛んでった

ひょいっと 小道を回った
家の前の小さな草地に ぽんと出た 
伸びた芝生が 小道にかぶさる
妖精たちが 芝生いっぱい
てんでに広がり 遊んでた

小さな妖精は 芝生の上を転げ
も少し大きな妖精は 跳ねまわる
花やら木の実やら 宙でぶつけあい
カタツムリに乗って ハイヨーお馬さん
クモの糸で葉っぱのそり 宙返り


<つづく>



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変更:2018年8月16日
家から庭に続く 小さなスペース → 家の前の小さな草地に ぽんと出た

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その114

2014-08-01 21:54:06 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その114

  赤いスカートの女の子が 小道にいた
  さやかさんはただ 女の子を見上げた
  何を言ったら したら良いのか分からなかった
  黙って見上げる さやかさんの頬に手を当て
  女の子は 植木の向こうを指差した

<つづき>

迷路のように 植え込まれてる庭木
その向こうなんて 見えるはずない
だけど さっきの妖精らしき女の子が
綺麗に咲きそろった 花壇の上で
仲間たちと 飛び回ってるのが視えた

赤いスカートの女の子は
さやかさんの手をとって 一緒に
梅酒のビンに 手を当てた
見つめるさやかさんと 目を合わせ
子どもらしい笑顔で 笑った

さやかさんも へにゃりと笑った
心からとげが 消えてくようだった
鼻が ぐすっと鳴った
目が少しうるんで 熱く・・
温かいものが さやかさんの目をぬぐった

女の子が 小さな小さな手を当てていた
さやかさんが びっくりしていると
女の子は さやかさんの両頬を
びっと引っ張り いたずらっぽく笑った
さやかさんも 思わず笑った

女の子はまた 植木の方を指さした
もういつも通りにしか 見えない
何のことかな?と さやかさんが
女の子に 目を戻すと
女の子は 消えていた

まあ・・これは大丈夫 なんだよね?
さやかさんは 立ち上がった
みんなの所に行けって・・
行っていいって そうなんだよね?
さやかさんは 荷物をかついで歩き出した


<つづく>



人気ブログランキング ← ・・まいっか、行こう、行こう。
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その113

2014-08-01 21:51:29 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、8月ですねー。

でも!当作品の中ではいつでも梅雨です。
ずっと梅雨です。

今2018年ですが、この作品を書き終えられてないまかろんの中では、
ずっと終わらない雨が降っているような気がします。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その113

  アタシ飲ンデミタイ と女の子は言った
  ああうん向こうでねみんなと・・
  と言いかけた さやかさんに
  イマ! 飲ミタイノ!
  と女の子は わめいた

<つづき>

ああもう何なのこの子!と思ったが
うかつな返事で 怒らせたくない
じゃあちょっと待ってね と
さやかさんは 女の子を近くの枝に乗せ
バッグを開けようと しゃがみこんだ

風がふわりと吹いて 木がさざめいた
えーとこれどうやって飲む? と
さやかさんは 大ビンを抱えて
女の子を乗せた枝を 見上げた
女の子は消えていた

えっ? さやかさんは目を丸くした
立ち上がって 枝の辺りや地面を探す
風で落ちちゃった? まさか・・
あたしがつかんだから 羽が?
うろうろしたが 女の子は見つからなかった

どうしようどうしよう
さやかさんは うろたえた
触っちゃいけなかったんだろうか
やっぱり人間が来ちゃいけなかった?
またあたし 余計なことを?

胸が ぎゅーぅっと痛んだ
全身の血が騒いで 裡から刺すようだった
さやかさんは しゃがみこんだ
ビンの梅酒が ゆらりと揺らいだ
赤い色が目の端に見えた

赤いスカートの女の子が 小道にいた
さやかさんはただ 女の子を見上げた
何を言ったら したら良いのか分からなかった
黙って見上げる さやかさんの頬に手を当て
女の子は 植木の向こうを指差した


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その112

2014-07-31 21:48:38 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
7月終わりですねー。

ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございます。

ホントは7月末で終わる物を書くつもりだったんですが・・・
まあ、無理でしたね。

気を取り直して(というか開き直って)全力で進めていきますので、
どうぞ、よろしく。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その112

  光はだんだん薄まって 
  可愛い羽の 幼い女の子の姿が現れた
  あごまでの茶色の髪 くるるん 
  ふわり 黄色のワンピース
  濃い紫の目が にらんでた

<つづき>

えーと とさやかさんは口を開いた
こんにちは はじめまして?
放シテヨ と女の子はじたばた言った
髪とか引っ張るの 止めるならね
放シテヨ と女の子は手をけった

だめだこりゃと 
さやかさんは ため息ついた
梅酒 持って来たんだけど
とさやかさんは 言ってみた
ウ・・メ・・? と女の子は首をかしげた

知らない? お酒よ
オサケ? とまた女の子はけげんな顔
うわぁ何この反応と
さやかさんは 内心焦った
これ放したら絶対また何かしそう!

とっても 美味しい飲み物よ
とさやかさんは にーっこり言った
青花さまも 絶対持ってきてって・・
青花サン? と女の子はまばたいた
そう青花さま とすかさずさやかさんは言った

青花さまが 大好きだって言ってたわー
持ってかないと みんながっかりねー
女の子は 手の中で大人しくなった
ソレ美味シイ? と綺麗な目で見上げた
そりゃあもうすっごく とさやかさんは言った

アタシ飲ンデミタイ と女の子は言った
ああうん向こうでねみんなと・・
と言いかけた さやかさんに
イマ! 飲ミタイノ!
と女の子は わめいた


<つづく>



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