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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その121

2014-08-05 21:29:46 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その121

  だって・・大変そうだと思ったんだ・・
  さやかさんは 口をとがらせた
  そう思うなら と妖精は諭すように言った
  カエルさんたちと 大人しくしててください
  式の間は 絶対私たちに近寄らないこと!

<つづき>

そのあまりに 真剣な言い様に
は・・はい とさやかさんはうなずいた
妖精は 美しい青灰色の目で
さやかさんを じっと見つめた
貴女は 善いひとですね

妖精はついと さやかさんの額に
小さな花のような 唇を落とした
貴女に 天地の加護がありますように
そうして妖精は みなが騒いでいる
空き地へと 飛んでいった

さやかさんは じっと立っていた
もう式が近いのか 庭のあちこちから
妖精たちが さやかさんのそばを
通りすぎ 空き地の方へ飛んでいく
草木たちも 身震いしてるように感じた

さやかさんは そっと額に手を当てた
庭を包む 黄金色の空を見た
またひとり 妖精が慌てて飛んでいった
さやかさんは しっかりと足を踏みしめ
みなが集まる空き地へ 歩いていった

空き地には 何千何万という
大小の光が 集まって
光の柱が 立っているように見えた
青花さまはどこだろうと見たが
色とりどり揺れる光で 見えなかった

さてこれから どんな式をするのかな
そう思っていると 光の柱はゆっくりと
空き地から木立の向こう
石鉢がある囲い地へと 移動し始めた
カエルたちは じっと座り込んでいた


<つづく>



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※変更:2016年1月10日
空き地へ 飛んでいった→ 空き地へと 飛んでいった
通りすぎ 空き地へと飛んでいった → ~ 空き地の方へ飛んでいく


※変更:2018年8月17日
石鉢がある囲い地へ 移動し始めた → ~囲い地へ ~
カエルたちは じっと座り込んでた → ~~座り込んで
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その120

2014-08-04 21:37:42 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その120

  えー とさやかさんは頭をかいた
  あたし 入っちゃったよ・・?
  それは大丈夫です と妖精は答えた
  あの時分はまだ 普通の護りでしたから
  でももう いけません

<つづき>

ああそう・・ とさやかさんは困って言った
そしたらあたし・・どうしたらいいかな
妖精はつんとして 羽をぱたぱたさせた
式が終わるまで いるしかないですね
カエルさんたちと じっとしててください

分かった とさやかさんはうなずいた
本当に? と妖精は目をのぞきこんだ
式の間は 大きな力が動くので
私もうかつに 動けないのです
私は・・他の者たちを護らねばなりません

さやかさんは 目をまばたかせた
結婚・・式だよね? 今日やるの
結婚式です と妖精は言った
妖精も大変だなぁと さやかさんは思った
結婚式が そんな物騒なものなんて!

もっといろいろ 聞きたかったけど
妖精が そわそわし始めた
引きとめちゃ悪いなと さやかさんは
じゃあさ と妖精の目を見つめた
持ってく? あたしの水の力とか

舌をつき出した さやかさんに妖精は
貴女は全く・・ とため息をついた
分かったと言ったそばから・・!
妖精はきっと さやかさんを見た
いいえ要りません 舌をしまいなさい

だって・・大変そうだと思ったんだ・・
さやかさんは 口をとがらせた
そう思うなら と妖精は諭すように言った
カエルさんたちと 大人しくしててください
式の間は 絶対私たちに近寄らないこと!


<つづく>



人気ブログランキング ← こちらは近寄っても大丈夫。
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その119

2014-08-04 21:32:16 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども、続きです~。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その119

  なぜ来たのです 妖精の目は怒ってた
  来るなと言ったのに・・
  しかもこんな 式の直前に
  あ・・ごめんね とさやかさんは言った
  さっき目がさめたんだよー はは

<つづき>

さっき・・? と妖精はじっと見上げた
うん 起きたら夕方でね
とさやかさんは ことさら軽く答えた
ほんとは朝のうち 梅酒届けて
さっさと 帰るはずだったんだけど

梅酒など どうでも良いのです!
妖精は 声を抑えて語気荒く言った
やはり昨日のが 堪えてるのでしょう?
それなのに のこのこと・・!
貴女は 私たちの世界を甘く見過ぎです!

ごめん とさやかさんは言った
式の邪魔するつもりじゃなかったんだ
ただカエル君やら ここの事とか・・
さやかさんは 妖精を見た
貴女が大丈夫か 知りたかったんだ

貴女は・・ と妖精はため息をついた
もう帰るから とさやかさんは言った
とっとと帰る 邪魔しないホント
いいえもう駄目です と妖精は返した
式の刻が迫ってます 出入りは許しません

え? さやかさんはきょとんとした
この地の霊力や 人間たちの邪魔を
排するよう 強い護りが必要なのです
と妖精は ほのかな威厳を見せて言った
今出入りをしたら 護りが弱くなります

えー とさやかさんは頭をかいた
あたし 入っちゃったよ・・?
それは大丈夫です と妖精は答えた
あの時分はまだ 普通の護りでしたから
でももう いけません


<つづく>



人気ブログランキング ← えー、あたし食べちゃったよ・・?
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その118

2014-08-03 21:28:57 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
で、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その118

  他の妖精たちも 一斉に寄ってきた
  ふたは あっと言う間に妖精まみれ
  遅れた妖精たちは 何とか近寄ろうと
  そこら中を ぶんぶん飛び回った
  さやかさんは 手にこぼして差し出した

<つづき>

人間の手じゃ嫌かなと 思ったけれど
ひとりふたりと寄ってきて
ちびりと飲んで 飛び跳ねた
辺りを飛んでた妖精も やってきて
手から飲んでは くるくる飛んだ

ふたから飲んでた妖精たちも
さやかさんの方に やってきた
見ると ふたは空っぽだった
もう一度注ぐべきかと 蒼い妖精を見る
蒼い妖精は にっこりかぶりを振った

さあ皆さん と蒼い妖精は言った
この後お式ですから その辺に
一斉に ぶーっと声が上がった
皆さん? と蒼い妖精はまた言った
妖精たちはしぶしぶ さやかさんから離れた

蒼い妖精が 何か合図したのか
カエルたちがまた 演奏を始めた
妖精たちは 音楽につられて踊りだし
すぐに芝生や宙を ふざけ転げ始めた
さやかさんはそっと ビンにふたをした

やれやれと さやかさんが思っていると
蒼い妖精が 目を合わせ仕草で
植木の影に行くよう 促した
さやかさんは 静かに小道を後ずさった
蒼い妖精がふわりと 葉影に現れた

なぜ来たのです 妖精の目は怒ってた
来るなと言ったのに・・
しかもこんな 式の直前に
あ・・ごめんね とさやかさんは言った
さっき目がさめたんだよー はは


<つづく>



人気ブログランキング ← あれ、何だか怒ってる?


※修正のご報告:2016年1月10日
やれやれと さやかさんが思ってると → ~ さやかさんが思っている
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その117

2014-08-03 21:25:29 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
もうちらほら、お盆を見越した話題が出てくる頃ですね。

それなのに、まかろんはいったい何をやってるのでしょう。
まかろんは、夏が始まった実感もないまま、9月を迎えることとなりそうです。

どうぞ皆さまは存分に夏を楽しんで下さいね。

そして、そして来年こそは夏向けの茶菓子を作成したいものです・・・

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その117

  鎮まりなさい! と声がした
  青い色が目に入った と思ったら
  小さな青い花が 一面に降ってきた
  花は触れるはしから 穏やかな
  雨と緑の香りを残して 消えていった

<つづき>

妖精たちは ほんわり静かになった
どうしたというのですか
蒼い妖精が現れた
人間ガ人間ガ人間ガ人間ガ!
妖精たちは 一斉に騒ぎだした

違いますよ と蒼い妖精は朗らかに言った
この人間は “お友達”です
贈り物を もってきてくれたのです
蒼い妖精は 促すようにさやかさんを見た
さやかさんは にこやかに梅酒を出した

みなを脅かさないよう ゆっくりと
大きなビンを地面に置いて ふたを開けた
庭に広がる土の香りの中 ふんわりと
花の香りが ほどけて立ちのぼった
妖精がひとりふたりと 近寄って来た

何か容れ物をと思ったが
そーいや 慌てて来たので忘れてた
ふわふわ飛んできた 妖精が
大きなビンに ダイブしかけてる
ちょっと待って とふたに注いだ

妖精は 蒼い妖精をちらっと見た
蒼い妖精は にっこりうなずいた
妖精は小さな手で 梅酒をこくり
とたんに羽をぱたぱた 飛び上がり
くすくす笑いながら 飛び跳ねた

他の妖精たちも 一斉に寄ってきた
ふたは あっと言う間に妖精まみれ
遅れた妖精たちは 何とか近寄ろうと
そこら中を ぶんぶん飛び回った
さやかさんは 手にこぼして差し出した


<つづく>



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