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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その126

2014-08-07 21:33:18 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その126

  さやかさんは 額に手を当て
  息を吸った 息を吐いた
  涙が ぽろっとこぼれ出た
  あ・・ とさやかさんは思わず言った
  妖精が ぎょっとして飛びついて来た

<つづき>

わっとっと 妖精が涙を手で受け止めた
そのまま きょろきょろ見回した
と思うや ぐいっと飲みほした
くっそ にげぇ・・
妖精は顔をしかめて 地面に降りた

妖精はずいぶん 気分が悪そうだった
両手両ひざをついて 荒い息をしていた
大丈夫? さやかさんは声をかけた
だい・・丈夫なわけねーだろ バカ
妖精が 憎まれ口を叩いた

こんなくそ重い気 溜めやがって
場を乱すなって 言ってるだろうが・・
えっ涙ダメ・・なの? と
さやかさんは うろたえて聞いた
びっくりして 涙は止まっていた

涙っつーか・・中の気が な・・
妖精は ゼイゼイと地面に転がった
こんなん落としてみろ
ここの調和が・・一発でパァだ・・
ごめん・・ とさやかさんは言った

あの・・梅酒飲む? と
さやかさんは 妖精に聞いてみた
いらねぇ と妖精はくぐもった声で言った
じゃ・・じゃあ とさやかさんは言った
あたしの・・水の気 要る?

妖精が ん?という顔で見上げた
青花さまが・・ とさやかさんは
しどろもどろ 説明をした
あたしの舌から・・唾液かなあれ・・
なんか元気になってたよ・・・


<つづく>



人気ブログランキング ← それとも、カエルの歌でも?


※修正のご報告:2016年1月10日
びっくりして 涙は止まってた → ~ 涙は止まっていた 
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その125

2014-08-07 21:28:28 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その125

  さやかさんは ゴミを拾いながら
  ちらりちらりと 歌が聴こえる方を見た
  おい地味女 と妖精が
  梅酒のビンの上に立って 呼んできた
  これ 何だ

<つづき>

梅酒よ とさやかさんは簡単に言った
ウメ・・?食い物か と妖精は聞いた
まあ食べるけど とさやかさんは言った
お酒よ 梅の実をお酒につけて
お酒は飲んで 実は食べるの

この地の酒か と妖精は言った
よし飲んでみよう 開けてくれ
はいはい・・ とさやかさんはため息ついた
会社のお偉いさん そっくりだ
休みの日まで 付合いたくないんだけど

会社の嫌な事 思い出しかけ
頭を振って 心に鍵をかける
これは会社 お偉いさん
さやかさんは 梅酒をふたに入れ
にっこり笑って 差し出した

妖精は 嫌そうな顔をした
止めろよその変な面 酒がまずくなる
因業ババァか 死人の面みてぇだぞ
このくそ野郎と さやかさんは思った
囲い地の方を見て 気を落ち着かせる

青花さま・・とさやかさんは思った
あの中にいるはずだ
式を失敗させちゃいけない
貴女は善いひとですね
蒼い妖精の声を 思い出した

さやかさんは 額に手を当て
息を吸った 息を吐いた
涙が ぽろっとこぼれ出た
あ・・ とさやかさんは思わず言った
妖精が ぎょっとして飛びついて来た


<つづく>



人気ブログランキング ← 傘は涙を隠すけど、涙を防いではくれない。
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その124

2014-08-06 21:35:48 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その124

  さやかさんは きょとんと妖精を見た
  いーか と妖精は含めるように言った
  式には 少しの場の乱れも禁物なんだ
  俺も力を使うなんて バカはしねぇ
  だからお前も気を落ちつけろ 場を乱すな

<つづき>

この妖精の言いなりは 嫌だったけど
式の邪魔は 断じてしたくない
さやかさんは しぶしぶうなずいた
よし と妖精は空中であぐらをかいた
コイツ一々むかつくなと さやかさんは思った

こうなりゃ無視だ無視と 思ったところで
カエルたちを見ると 芝生に散らかった
花やらゴミやらを 黙々と片づけていた
他の妖精たちは みな囲い地に消えていた
ねぇ とさやかさんは妖精を振り返った

アンタ あっち行かなくて良いの?
大切な式なんでしょ?
あーいいんだ と妖精は手を振った
俺にゃ必要ねーし 参加すりゃ
あいつらにゃ キツすぎるだろうし

ふーん? とさやかさんは言った
じゃあなんでここにいるのとか
正直 訳が分からなかったが
この妖精と下手に 関わりたくない
カエルたちの手伝いに ゴミを拾い始めた

妖精はお椀の所へ 飛んでいって
金色の液体を 舌を鳴らして一口飲んだ
囲い地の方から 歌が聴こえ始めた
単調な でも静かで力強い調べ
妖精たちが 声を合わせて歌っていた

さやかさんは ゴミを拾いながら
ちらりちらりと 歌が聴こえる方を見た
おい地味女 と妖精が
梅酒のビンの上に立って 呼んできた
これ 何だ


<つづく>



人気ブログランキング ← カエルも歌えるけどねー、ゲコゲコ。


※変更:2016年1月10日、2016年7月18日
妖精たちが 声を合わせ歌ってた → ~ 声を合わせて歌ってた 

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その123

2014-08-06 21:32:14 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ふふふ、やっと題名にふさわしい内容に辿り着きましたよ。

ここから更に頑張りますねっ。

・・・ということは。

ここから、さーらーにー、話が続く・・・


続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その123

  思わず 後ずさりするさやかさんを見て
  妖精は面白そうに にやりとした
  よぉ~地味女 まだ生きてたか
  ええ見ての通りね! とさやかさんは
  反射的に 妖精をにらみつけた

<つづき>

何の用? あたしたち・・忙しいんだけど
んなわけねーだろ と妖精は返した
式やってる間 待ってるだけだろうが
妖精は羽を動かし さやかさんに近づいた
さやかさんはまた 後ずさった

おいおい と妖精は肩をすくめた
んな怯えるなって・・何もしねーよ
怯えてなんか・・ と言うさやかさんに
妖精はずいと飛んで 近寄ると
さやかさんの頬に ぺちと手を当てた

ほら と妖精は言った
何もしねぇだろ 落ちつけって
何か・・した とさやかさんは
上目づかいに ふくれっ面をした
今あたしの頬 叩いた

ガキみたいな事 言うなよ
と妖精は うんざりした顔で言った
とにかく俺が 変な事しねぇって
分かっただろって言ってんだよ
さやかさんは むぅっとむくれた

そんな事 分かるわけ・・!
と言いかける さやかさんに
あーもうお前 落ちつけって!
妖精は 空中で耳を押えて顔をしかめた
俺が悪かったから! “場”を乱すな!

さやかさんは きょとんと妖精を見た
いーか と妖精は含めるように言った
式には 少しの場の乱れも禁物なんだ
俺も力を使うなんて バカはしねぇ
だからお前も気を落ちつけろ 場を乱すな


<つづく>



人気ブログランキング ← じゃあお菓子を、と言いたいけど、嫌いな奴のそばでのお菓子は美味しくない・・・
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その122

2014-08-05 21:33:22 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その122

  さてこれから どんな式をするのかな
  そう思ってると 光の柱はゆっくりと
  空き地から木立の向こう
  石鉢がある囲い地へと 移動し始めた
  カエルたちは じっと座り込んでいた

<つづき>

ええーっと? さやかさんは
カエルたちを 眺めた
やっぱり悠然と 座り込んでて
妖精たちを 追う様子はない
えーと? 君たちは行かなくていいの?

バイオリンを丁寧に 綿毛でぬぐってた
雨呼ビが 驚いたように見上げた
おやサヤカさん お戻りですか
ああうん・・ とさやかさんは
しゃがみながら むにゃむにゃ言った

えーと みんなはどこに
それで あたしたちはどうするのかな
雨呼ビは 戸惑うさやかさんに笑いかけた
青花さまは 貴女に何と?
君たちといろって とさやかさんは答えた

ああなるほど・・ と雨呼ビは言った
お式は あの向こうでやるんですよ
雨呼ビは 囲い地の方を指差した
石鉢の所でね 王様とつながるのに
一番“場”が良いとかで

・・王様? とさやかさんは首をかしげた
この辺のひとたちの結婚に 王様が来るの?
俺たちが んなメンドーなことするかよ
と 横から声がした
以前見た 男の子の妖精がそばに浮いていた

思わず 後ずさりするさやかさんを見て
妖精は面白そうに にやりとした
よぉ~地味女 まだ生きてたか
ええ見ての通りね! とさやかさんは
反射的に 妖精をにらみつけた


<つづく>


人気ブログランキング ← うわ、出た・・って気分。


※変更:2016年1月10日
と声が 横からした → と 横から声がした

※変更:2018年8月19日
この辺のひとたちの結婚 じゃないの? → この辺のひとたちの結婚に 王様が来るの?
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