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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その131

2014-08-10 21:31:35 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
どもども、続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その131

  起きてた方が・・様子も分かるしな
  妖精は重そうに頭を上げて 囲い地を見つめた
  さやかさんの手を押す 妖精の手は冷たかった
  お前の心は しけってトゲだらけだが
  吹く“風”は熱いぜ ・・悪くない

<つづき>

石鉢の人影は 左手を横に差しのべた
薄蒼く光る人影が現れた
妖精たちは歓声を上げ 飛び回った
女王! 我ラガ女王おーな!
ふたつの人影の下 蒼い光が広がった

薄蒼い人影は 時折姿がかすれるものの
光の中で きらきらと輝いていた
流れる青い衣装に 清流のような蒼い髪
広がる 輝く蒼い池のような光の上に
白い両手をついて 無表情にひざまずいていた

暗い人影は 薄蒼い人影を立ち上がらせた
やはり羽のないその姿は 気高く優美だった
薄蒼い人影は静かに 手を暗い人影の手に預けた
蒼い光は消え 淡い光がふたりを包んだ
並んで立つふたりに また歓声が上がった

我ガ民ヨ 暗い人影が腕を広げた
深い声は 耳でなく身体の裡から聴こえた
魂まで掴むような響きに さやかさんは揺れた
一瞬 中を窺うための集中が切れる
息を整えて また囲い地の中を視た

威風豊かな 深い森を思わせる声だった
雨を含む苔の匂い・・溢れかえる緑の呼吸
草木は土に還り・・水を伝わる深い滋味
鳥は喜び虫は飛び きのこは奇妙な音階を歌う
妖精たちはうっとりと 宙を漂った

我ガ地ノ民 光ノ民ヨ
囲い地に 声と緑の気配があふれ出た
今最モ強キ光ノ刻ガ ヤッテクル
・・・解放 セヨ
ぶん・・と 二つの人影がぶれて崩れた


<つづく>



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※修正のご報告:2016年1月10日
ふたりの人影の下 蒼い光が広がった → ふたつの人影の下 ~
白い両手をついて 無表情にひざまづいていた → ~ 無表情にひざまずいていた
羽はなくても優美な姿は 気高さがあった →やはり羽のないその姿は 気高く優美だった
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その130

2014-08-09 21:31:03 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その130

  人影は 大きな花びんほどの丈
  妖精たちより 大分大きかった
  足元まで覆う長い外衣の背に 羽はなく
  膝までの長い髪が 光にひるがえっている
  全てが影に沈んで 目鼻立ちは分からなかった

<つづき>

人影は時折揺らめき 姿がかすれた
妖精たちは繰り返し 歌を歌い続けた
ちらちら ちらちらと
歌う妖精たちの身体に 蒼い光が走った
妖精たちは 一段と浮かれ飛びまわった

どうしようかなと さやかさんは思った
ぐったりしてるのを 起こしたくないが
ねぇ と手の中の妖精をつついた
王様っぽいのが 出てきたよ
急いだ方がいいんじゃない どうしたらいい?

妖精は うっすらと目を開け
囲い地の方にのたくた 身を向けた
まだ・・いい と目を反らす
今だと言ったら・・俺を中に放り込め
そう言うと 眉をしかめながら目を閉じた

大丈夫かなと さやかさんは思った
これで タイミングが分かるんだろうか
大丈夫と さやかさんは心に言った
ちゃんと自分で分かってるはず
大丈夫大丈夫と 包んだ手を胸に押し当てた

痛ぇ と妖精が手の中でもごもご言った
お前の不安のトゲが ビンビンきやがる
痛いわうるさいわで 寝てらんねぇ
ごめ・・ごめんね とさやかさんは慌てて言った
まあいい と妖精はもぞもぞ囲い地に向いた

起きてた方が・・様子も分かるしな
妖精は重そうに頭を上げて 囲い地を見つめた
さやかさんの手を押す 妖精の手は冷たかった
お前の心は しけってトゲだらけだが
吹く“風”は熱いぜ ・・悪くない


<つづく>



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※変更:2018年8月17日
ねぇ と妖精をつついて呼びかけた → ねぇ と手の中の妖精をつついた
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その129

2014-08-09 21:28:03 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
いよいよお盆が近づいてきましたねぇ。

まかろんも予定が詰まって、ついでに話の展開も詰まって、
昨日今日ロクに書けてなかったりして・・・。

ここからうんとこさ面白くなるはずのところなんで、
少しでも皆さまの夏休み気分に花を添えられるよう、何とか進めていきたいです。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その129

  妖精は ただ黙って目を閉じた
  よし行こう さやかさんは駆けだした
  揺れたり落としたりしないよう
  妖精を 両手で包んで胸元で支える
  囲い地の入口が 見えてきた

<つづき>

先日は 掃除で入った場所
今はなぜか 目線がかく乱して
見えるのに見えない そんな感じ
気がつくと 別の場所を見ている
中を窺うだけで 気力がいった

頭に広がる 一瞬の無感覚のベール
腹に力を入れて その向こうを視る
石鉢を囲んだ 天にも届く螺旋のかがり火
何千何万の妖精が集まり 光の渦となって
繰り返し 一つの歌を歌っていた

イノチ湛エシ 古キ女王おーな
力モテ砕カン 新シキ女王ぬあら
導キタマエ ふぃん・ばらノ王
隠サレシ都 ぶるー・な・べーは
イザヤイザ 恵ミモテ還ラン・・

頭の中が くらりとした
知らないはずの 遠い大地
雨の風の緑の 古い古い刻が降る
ああでも と耳の奥で声がする
何かが 何かが足りないの

石鉢が カッと光った
鉢の口から 淡い光が湧き出して
しみが広がるように 人の姿が現れ始めた
妖精たちは 歓声を上げた
現れた人影は石鉢の上に 悠然と立った

人影は 大きな花びんほどの丈
妖精たちより 大分大きかった
足元まで覆う長い外衣の背に 羽はなく
膝までの長い髪が 光にひるがえっている
全てが影に沈んで 目鼻立ちは分からなかった


<つづく>



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※変更:2016年1月10日
何千何万の妖精が集まり 光の渦となり → ~ 光の渦となって
繰り返し 一つの歌を歌ってた → ~ 一つの歌を歌っていた
鉢の口から 淡い光が差し始め → ~ 淡い光が射し始め

※変更:2018年8月17日
鉢の口から 淡い光が射し始め → ~ 淡い光が湧き出して
しみが広がるように 人の姿が現れた → ~ 人の姿が現れ始めた
人影は騒ぎを聞くでもなく 悠然と立った → 現れた人影は石鉢の上に 悠然と立った
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その128

2014-08-08 21:59:47 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その128

  石護リが のっそり近寄っていた
  その旦那 式にお連れなされ
  えっ? とさやかさんはまばたいた
  わしも 詳しくは知らんが・・
  石護リは 太い声で言った

<つづき>

旦那方に 大きな力を与える儀式と
昔 青花さまに伺うた覚えがある
石護リは 重々しく言った
恐ろしゅうて わしらは近寄ったこともないが
あんたさんなら できるじゃろ

ダメだ・・ と妖精は小さく言った
余計なこと言うな カエル・・
さやかさんは 周りを見た
草木たちは皆 式に気をとられてるのか
包みこむような いつもの気配がなかった

カエルたちは 集まって心配そうに
妖精とさやかさんを 見ていた
けど 誰も良い知恵はないようだった
さやかさんは 地面でせいせいと
細い息をつく 妖精を持ち上げた

止めろ・・ と妖精は言った
どうしようと さやかさんはためらった
本当は 連れていって良いか
全然何も 分からない
式を ぶち壊してしまったら?

行くなら 早く行ったがええ
石護リが 言った
夏至の刻が 迫っておる
さやかさんは 手の中の妖精を見た
今から参加できる? と聞いてみた

妖精は ただ黙って目を閉じた
よし行こう さやかさんは腰をあげた
揺れたり落としたりしないよう
妖精を 両手で包んで胸元で支える
急ぎ足の目に 囲い地の入口が見えてきた


<つづく>



人気ブログランキング ← 急げーーっ。


変更:2018年8月17日
よし行こう さやかさんは駆けだした → ~ さやかさんは腰をあげた
囲い地の入口が 見えてきた → 急ぎ足の目に ~
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その127

2014-08-08 21:56:43 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
今、先の方を書いてますが、一人で考え一人で書いてるので、
人にはどう読み取ってもらえてるのか、いつも少し不安です。

もう少し説明を入れるべきなのか、それとももう伝わっちゃってるのか。

あと、書いてる内に、
こういうこと書こうとしてたんだ、と気づいたりするので、
それだったら前の方もっと違う風に書けたかも、とかいろいろ・・・

全部書きあげて整えてからUPできれば良かったんですが、
今のやり方だと、無理でした。

何とかゴールまでご案内できるよう頑張ってますので、
真夏の夜の夢、もう少しお付き合いください。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その127

  妖精が ん?という顔で見上げた
  青花さまが・・ とさやかさんは
  しどろもどろ 説明をした
  あたしの舌から・・唾液かなあれ・・
  なんか元気になってたよ・・・

<つづき>

アオハナ・・ 妖精は何か考え込んだ
・・ここの青い花のおんなか
ややあって 寝転がったまま聞いた
うん・・多分? とさやかさんは答えた
どこの花のひとか 知らないけど

あのおんな・・ と妖精はつぶやいた
な・・何? さやかさんはどきっとした
青花さまに何かするなら許さない!
おい と妖精がだるそうに言った
そんな目で見るな 俺は弱ってるんだぞ

いっそずっと弱っててと 思ったが
蒼白い顔で転がっている 妖精を
目の前に見ると 申し訳なさに胸が痛んだ
おいその目も止めろ と妖精は言った
一々 痛みの気を俺に寄こすな・・

本当に さやかさんの目線が悪かったのか
妖精の顔色は また悪くなっていった
囲い地から きれぎれに歌い声
妖精は起き上がろうとして ののしった
くそ 重いんだよてめーの涙・・

どうしようと さやかさんは思った
涙でこんなにダメージあるようじゃ
唾液をあげても 逆効果な気がする
どうしようと 見回した
お嬢さん と声がかけられた

石護リが のっそり近寄っていた
その旦那 式にお連れなされ
えっ? とさやかさんはまばたいた
わしも 詳しくは知らんが・・
石護リは 太い声で言った


<つづく>



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※変更:2014・8・18
青花・・ 妖精は何か考え込んだ→ アオハナ・・ 妖精は何か考え込んだ
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