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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その136

2014-08-12 21:27:40 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
んでもって、続き。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その136

  女! と妖精は叫んだ
  えいくそ 一本じゃ足りねぇのか?
  下手に外から この“枷”は切れねぇんだよ!
  ・・“解放”だ・・行きたくねーのかよっ
  お前の・・お前の“風”はどうしたぁッ

<つづき>

石鉢の上から 強い強い光がさした
辺りを焼き払うほどの 強い光
その中から 真っ赤な髪と
真っ赤なドレスをなびかせた
燃える炎のような女性の姿が 降りてきた

不思議にいくらか 大きさを増した
妖精たちは 狂喜乱舞し叫びを上げた
女王! 我らが女王!ヌエラ!
石鉢の人影は 光にかすみながらも
両腕を高く高く掲げ 燃える姿を出迎えた

女! と妖精はまた叫んだ
カ・・イホ・・ウ・・セヨ・・
さやかさんは ただただ
光に引かれて 足を踏み出した
地面につながったイバラが 引きとめた

とげが喰い込む 流れるのは汗か涙か血か
痛みはなかった 何も見えない感じない
視えるのは ただあの光だけ
聴こえるのは ただ一つの叫び
導かれて行く ブルー・ナ・ベーハ永遠の都

イバラが ブチブチとちぎれていく
さやかさんは 大きな一歩を・・踏み超えた
そのとき 石鉢の人影が真紅の女性を腕に抱いた
妖精たちが 狂乱の叫びを上げた
石鉢から 炎と光がほとばしり出た

一瞬にして囲い地は 業火と高熱の渦となった
妖精たちは きらきら燃えながら踊り上がった
ばきんぱきっ と音が弾ける
炎と光の中に 妖精たちの姿が浮かび上がる
黒光りする枷をまとった 妖精たちの姿が


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その135

2014-08-12 21:24:07 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その135

  バツン! とイバラが一本切れた
  地面につなぎとめられてた 身体が
  ぐらっと よろめいた
  イバラのとげが 喰い込んだのか
  さやかさんは イバラの下うめいた

<つづき>

カエルたちは 驚いて目を見かわした
い・・今の お姉さん?
紅カエルが 飛びついて言った
中にいるの やっぱお姉さんなの?
こいつから離れろ! と妖精は怒鳴った

カエルが イバラから離れるのを見て
女! と妖精は呼びかけた
王を視ろ・・“俺たち”の王だ・・
お前は分かっている・・
何をしたいか・・何処へ行きたいか・・

ばつん とどこかでおとがした
・・ちゃんは いいこねー
いいこちゃんぶってさ あいつ
どうして おかあさんはほめてくれるのに
ねーしゅくだいみせて ともだちでしょー

おかあさんおとうさん がっこうのせんせい
あいそわらい かいしゃのじょうし
やりますできますわかりました
すみませんおっしゃるとおりです
かしこまりましたいますぐに

おおきなおおきな ひかりがみえるよ
おおきなひかりが やってくる
いってもいい・・? あたしにもいける?
あのきれいでつよい ひかりのもとへ
あたしも ひかりになりたいよ・・・

女! と妖精は叫んだ
えいくそ 一本じゃ足りねぇのか?
下手に外から この“枷”は切れねぇんだよ!
・・“解放”だ・・行きたくねーのかよっ
お前の・・お前の“風”はどうしたぁッ


<つづく>



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※変更:2018年8月18日
下手に外から “心の枷”は切れねぇんだよ! → ~ この“枷”は~

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その134

2014-08-11 22:09:49 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その134

  旦那さん? 何してるんですか?
  この緑のとげとげは 何ですか?
  説明は後だ と妖精は早口に言った
  黒い虫を呼んでこい 今すぐ
  できるだけ多くだ 急げ!

<つづき>

カエルたちはその剣幕に 慌てて跳んでいった
石鉢の上の光は さらに強くなっていた
あああヤバいヤバいぜ と妖精はうなった
早く虫連れてこい くそったれめ
お待たせしました! と紅カエルが来た

紅カエルは 黒い虫を二匹連れていた
妖精は がっくりしてにらみつけた
二匹しかいねーのかよ!
ち・・違いますよ カエルは慌てて言った
今みんなで 呼び集めてるところです

黒い虫が一匹 ふわりと飛び上がった
ココだからね と紅カエルが言った
ココに集まるんだよ 早くね!
黒い虫は どこかに飛んでいった
・・で何をしろと? とカエルは聞いた

ああ と妖精は言った
そこの・・地面につながってるイバラ・・
そうそれだ・・ そいつを切れ
カエルと虫に どのイバラか確認させた
一本でいい 急げ

じきに数十匹の虫と カエルたちが来た
みるみる内にイバラは 削れていった
ホントはこんな荒療治は マズいんだが・・
妖精は 独りそっとつぶやいた
時間がないんだ 覚悟決めろよ女

バツン! とイバラが一本切れた
地面につなぎとめられてた 身体が
ぐらっと よろめいた
イバラのとげが 喰い込んだのか
さやかさんは イバラの下うめいた


<つづく>



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※変更:2018年8月18日
あああヤバいヤバいぜ と妖精は言った → ~と妖精はうなった
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その133

2014-08-11 22:09:16 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
お盆の週ですねっ。

皆さま、楽しい夏休みのために、お身体には気をつけて!

まかろんは来週生きてるのかな・・・。

とりあえず、生きてるうちに書けるだけ書いときます。

続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その133

  あああくそ完全にイカれちまってる!
  妖精は身をよじりながら わめいた
  人間にこんなに効くなんざ 忘れてたぜ!
  つーか お前はいろいろ閉じ込めすぎだ!
  だから お前は地味女なんだよ!

<つづき>

石鉢の上では人影に 強い光が射し始めた
ヤバい時間がない と妖精は歯がみした
なんとかしねーと 俺はこいつと
ここで百年 いばら姫やりかねない
そいつは ぞっとしねぇな!

風が使えりゃ 簡単なんだが・・
と妖精は 異様な熱気の囲い地を見やった
なんにせよ こいつまで切っちまうしな
と今やイバラに覆われたさやかさんを見た
イバラはズブズブと 地面に突き刺さっていた

解放・・セヨ・・ さやかさんが
イバラの下からまた言い 動こうとした
馬鹿が 妖精は握りしめる手に小さく言った
・・お姉さん! と声がした
お姉さんお姉さん どこ?

妖精が 握りしめられてる手から
頭を動かして 声の方を見ると
紅色のカエルが もう一匹と一緒に
地面で きょろきょろ見回してた
おいそこのカエルども! と妖精は呼んだ

二匹のカエルは ぎょっとして上を見た
けど 声の出所が分からなかったのか
また きょろきょろ辺りを眺め始めた
ここだ と妖精ははっきり声を出した
枯葉色のカエルは 妖精を見て目を丸くした

旦那さん? 何してるんですか?
この緑のとげとげは 何ですか?
説明は後だ と妖精は早口に言った
黒い虫を呼んでこい 今すぐ
できるだけ多くだ 急げ!


<つづく>



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※変更:2018年8月18日
哀れな女だな 妖精は見上げて小さく言った → 馬鹿が 妖精は握りしめる手に~
また きょろきょろした → ~ きょろきょろ辺りを眺め始めた
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その132

2014-08-10 21:33:46 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その132

  我ガ地ノ民 光ノ民ヨ
  囲い地に 声と緑の気配があふれ出た
  今最モ強キ光ノ刻ガ ヤッテクル
  ・・・解放 セヨ
  ぶん・・と 二つの人影がぶれて崩れた

<つづき>

妖精たちは また歌を歌った
先より 大きく大きく宙を満たす
必死に中を窺う さやかさんには
頭の中を殴られるようだった
おい・・? 妖精が手の中振り返った

痛ぇぞ んな握るな・・ってどうした?!
さやかさんは 答えなかった
ただまっすぐ 石鉢を視ていた
解放セヨ解放セヨ解放セヨ解放セヨ
声が 歌が喚んでいる

また石鉢の上に 暗い人影が現れた
薄蒼い姿は 今度は現れなかった
人影は上を向くと 両腕を高く上げた
妖精たちは宙をおどり狂い 一層歌は響いた
・・導きたまえ フィン・バラの王!

さやかさんの胸から 幾重にも
太い緑のイバラが 飛び出してきた
イバラはずるずると 身体の上に伸び
胴から首・・頭・・腕や脚まで・・
ぎちぎちと さやかさんを締め上げ始めた

イバラはさらに 地面に伸びていった
くっそ地味女め! 妖精はイバラが覆う
さやかさんの手から抜け出そうと もがいた
てめーで てめーを縛ってりゃ世話ないぜ!
解放・・セヨ・・ さやかさんはつぶやいた

あああくそ完全にイカれちまってる!
妖精は身をよじりながら わめいた
人間にこんなに効くなんざ 忘れてたぜ!
つーか お前はいろいろ閉じ込めすぎだ!
だから お前は地味女なんだよ!


<つづく>



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※変更:2016年1月10日
胴体から首・・頭・・腕や脚まで・・ → 胴から首・・頭・・腕や脚まで・・

※変更:2018年8月17日
さやかさんの胸から 何重にも → ~ 幾重にも
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