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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その141

2014-08-15 21:38:48 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
コミケです。

ヤバいです、一行も書けてない・・・

時間もないし、それに仕事とかイベントとかで外部に気を使わないといけないと、
多少時間に空きがあっても、簡単に内部世界にアクセスできないんですね。

こういう状況になって分かりました。

そこをコントロールできるようになったら、また一つ、
世界の神秘を開くことになるとは思うのですが・・・

とにかく、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その141

  褐色の姿は 吹き上がる高熱の光の中
  恐れ気もなく わずかに浮いて立っていた
  その深い目は 草地の者たちを薙いだ
  草地の者たちは 言い知れぬ喜びに震え
  次々に地に降り 頭を垂れた

<つづき>

深い目は 立ったままの黒髪の妖精を見て
ほんの少し眉を上げ 興ありげな顔をした
久しいな朋友よ と深い声が言った
そなたから 我らが縁を呼ぶとは・・
最後に逢うたは さて千年ぶりか?

お前を呼んだんじゃねぇ
と妖精は 顔をしかめた
ふむやはりそうか と褐色の姿は
驚いた様子もなく言い 黒焦げの肉塊を見た
その人間の娘に関わることだな?

妖精は目元を少し赤らめ 目を反らした
可笑しなものよの と褐色の姿は言った
我らの中で 最も人間世界と縁なき者が
最も 人間と関わろうとするとは
ちらりと 鮮やかな光が目の奥に閃いた

この前は・・三百年ほど前だったか・・?
う・・うるせぇっ と妖精はわめいた
おめーこそ 何しに来やがった!
今まで 路をつないだからって
来たことねーじゃねーか! 儀式はどうした!

我は王ぞ むろん務めは忘れぬ
と人程に大きい褐色の偉丈夫は 重々しく言った
それもこれも全て 我が民のため
集った妖精たちから ほうっと声がもれた
ぱちりぱちりと 彼らの身体に光が弾けた

褐色の姿の陰鬱な目は 少し和らいだ
そなたらの喜びは 我が喜び・・
褐色の姿は 独りごとのようにつぶやいた
そして今 更なる一つの喜びを得る
褐色の姿は 桃色の妖精に手を差し出した


<つづく>


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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その140

2014-08-14 20:40:30 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その140

  肉塊に触れてた妖精の姿が 揺らめいた
  髪は黒くぞろりと 背丈は人ほどに伸び
  黒い上着と黒いズボンをはいた背からは
  羽が 静かに宙に消えていった
  連れてってやる と妖精はささやいた

<つづき>

妖精は蒼白い手を 肉塊にかけた
肉塊はふわりと 妖精の腕の中に収まった
妖精は金色の目を 白金の光に向けた
白金の光から ブ・・-ンンン・・と
低く震える音が し始めた

妖精は はっとして光を見つめ
たむろする妖精たちを 素早く見やった
妖精たちは 戸惑って光を見つめてた
妖精は舌打ちをして 肉塊を抱える腕に
わずかに 力を込めた

白金の柱が 激しく揺らぎ始めた
桃色の紫陽花の精も 目を丸くして
ただ 揺れる紫陽花にしがみつき
吹き上る光の柱を 見上げていた
妖精は 花に向かって足を踏み出しかけた

ドン! と目がつぶれんばかりの光が
石鉢を揺るがし 草地を揺らした
じわり と影が中ににじんだ
しみのような影は 次第に人の形をとり
がっしりとした褐色の手が 光の中から出てきた

褐色の手は 内から光の柱を打ち払った
堂々とした体躯の 褐色の肌の姿が現れた
流れる黒髪は黒い外衣と共に 光に舞い
太い眉の下の目は 深い刻の積み重なりを
見つめ続けた地の底のように 暗かった

褐色の姿は 吹き上がる高熱の光の中
恐れ気もなく わずかに浮いて立っていた
その深い目は 草地の者たちを薙いだ
草地の者たちは 言い知れぬ喜びに震え
次々に地に降り 頭を垂れた


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その139

2014-08-14 20:33:30 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
いよいよお盆ですねー。
お休みの方、そうでない方、どうぞ素敵な夏を(はっ、梅雨の話してたんだった・・・)
お過ごしください。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その139

  縮まっていた者も 醜く膨らんでいた者も
  また伸びやかに 美しい姿を取り戻した
  肉塊は びくりびくりとわずかに動いた
  姿を全く変えてない妖精が 痛ましげに見た
  彼には その物いわぬ肉片の声が聴こえていた

<つづき>

行キタイ とその肉片は言っていた
アノ光ノ元ヘ アノ力強イ輝キノ元ヘ
妖精は みなと歌う紫陽花の精を見た
紫陽花の精は桃色の瞳で 強くうなずいた
妖精は石鉢をまっすぐ見据え 口を開いた

・・いのち湛えし 古き女王オーナ・・
それは 一陣の風であった
幾万の夜を超えた風 まつろわぬもの
古と今の狭間 天地の間を吹きぬける
今 古きえにしを呼んでいた

石鉢から放たれていた光が 止まった
白い光が射し始め 次第に
輝く白金の光となった
どこまでも澄み輝く 高熱の光が
石鉢から 高く高く吹きあげた

踊りまわってた 妖精たちは
その激しさに驚き 石鉢から身を引いた
幼子の姿の妖精は 歌いながら
焦げた肉塊に 手を触れた
肉塊は・・ 分からぬほどにわずかに動いた

・・いざやいざ 恵みもて還らん!
幼子の姿に似合わない 力強い声が
鎮まった草地に独り 響き渡った
白金の光を発する石鉢が 一度大きく震え
ほとばしる灼熱の 光の柱を支えた

肉塊に触れてた妖精の姿が 揺らめいた
髪は黒くぞろりと 背丈は人ほどに伸び
黒い上着と黒いズボンをはいた背からは
羽が 静かに宙に消えていった
連れてってやる と妖精はささやいた


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その138

2014-08-13 22:18:42 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
んで、続き。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その138

  妖精たちは 四方八方に飛び惑った
  また小さくなる者 怪物のように膨れ上がる者
  囲い地から逃げ出そうとする者
  石鉢からあふれていた炎と光は 不安定に
  あふれだしたり とぎれたりし始めた

<つづき>

乱れ爆発しそうな空気の中に
浸み入る声が 葉を伝う雨のように流れた
・・いのち湛えし 古き女王オーナ・・
青花と呼ばれた妖精が 石鉢の下
満開の紫陽花に座り 歌っていた

青花も あまり姿は変わっていなかった
少し大きくなり 蒼い髪と目が
明るい桃色に 変わったくらいだった
濃い緑色になったドレスが 歌に揺れた
・・力もて砕かん 新しき女王ヌアラ・・

ぴくっと 黒焦げの肉塊が動いた
動揺する妖精たちを なだめるように
紫陽花の精は 歌い続けた
・・導きたまえ フィン・バラの王・・
ひとりふたりと 妖精たちが歌い始めた

・・隠されし都 ブルー・ナ・ベーハ
妖精たちはまた 声を合わせて歌っていた
草地や木立から きらきら淡い金色の光が
包みこむように ふんわり立ち上り始めた
石鉢が 蜜蜂のような低いうなりを上げた

妖精たちの顔は光の中 期待と喜びに満ち
もう 黒焦げの肉塊など気にしていなかった
・・いざやいざ 恵みもて還らん!
石鉢から再び 光がほとばしった
燃える炎に似た 力強い紅蓮の光だった

縮まっていた者も 醜く膨らんでいた者も
また伸びやかに 美しい姿を取り戻した
肉塊は びくりびくりとわずかに動いた
姿を全く変えてない妖精が 痛ましげに見た
彼には その物いわぬ肉片の声が聴こえていた


<つづく>



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R15? 新作 ~ 「妖精の結婚式」 その137

2014-08-13 22:16:29 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
ども、今晩は。

えーと、今日の更新部分にいささか残酷な表現がありますので、
一応警告しときますね。

人体の損傷に関する表現を当お茶会で見たくない、と思われる方は、
ここは飛ばして、その138にお進みください。

まあ、これくらいの表現は以前の作品でもしてたとは思うのですが、
今回は主人公が「フツーの現代人」(動物とか魔法使いとかじゃなく)なので、
よりグロさがリアルに感じられて不快に感じる方が出るかも、と思いましたので、

見たくない方は見ないほうがいいよと、お伝えしときます。


では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その137

  一瞬にして囲い地は 業火と高熱の渦となった
  妖精たちは きらきら燃えながら踊り上がった
  ばきんぱきっ と音が弾ける
  炎と光の中に 妖精たちの姿が浮かび上がる
  黒光りする枷をまとった 妖精たちの姿が

<つづき>

金属めいた輪は炎を上げ 次々に弾けて消えた
妖精たちは みるみる内に大きくなった
背中の羽は炎となり 金の火の粉をまき散らす
伸びゆく金色の天地で 妖精たちは踊り狂った
いざやいざ 恵みもて還らん!

炎と熱は 足を踏み入れたばかりの
さやかさんをも 直撃した
イバラは瞬時に 燃え上がって灰となり
さやかさんの身体は 烈火に包まれた
さやかさんの手から 妖精が抜け出た

妖精は 少しも姿を変えてはいなかった
小さな身体で 炎で乾ききった空気を
吸って吐くと 口から黒いもやが流れ出た
もやは 渦巻く熱気にまぎれて消えた
妖精はさやかさんを 振り返った

それはすでに 人の身体ではなかった
髪は焼け 全身が焼けただれ
ところどころ骨まで焼け落ち
まだ 炎に包まれていた
燃える身体は ごとっと地面に倒れた

女! と妖精は大声で呼んだ
炎は金色の草地の上で 揺れて消えた
生身を焼く悪臭が じんわり立ち上った
踊り回ってた妖精たちは 一斉に振り向いた
人間だ! 妖精たちは叫んだ

妖精たちは 四方八方に飛び惑った
また小さくなる者 怪物のように膨れ上がる者
囲い地から逃げ出そうとする者
石鉢からあふれていた炎と光は 不安定に
あふれだしたり とぎれたりし始めた


<つづく>


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※変更:2016年1月10日
妖精たちは みるみる内に大きくなって → 妖精たちは みるみる内に大きくなった
羽は炎となり 火の粉をまき散らしながら→ 背中の羽は炎となり 金の火の粉をまき散らす
広がっていく 金色の天地で踊り狂った→ 伸びゆく金色の天地で 妖精たちは踊り狂った
石鉢からあふれてた炎と光は 不安定に → 石鉢からあふれていた炎と光は ~
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