goo blog サービス終了のお知らせ 

まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 11

2013-10-11 21:49:57 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
はい、どもお今晩は~。

今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その11

  門番はまだ 不審そう
  ふーむ どうにも信じられんが
  俺は 魔法使いじゃないし
  確かにその声 魔女どのだ
  ではお通りあれ 門が貴女を見抜くだろう

<つづき>

ガーゴイルは 門の上に飛び
門を守る 石像となった
城門の暗闇は ゆっくり凝固し
暗い虚空が 城門の間に広がった
タビィは その中に踏み込んだ

お前は誰か 深い声がこだまする
お前は誰か 何も見えない闇の中
身体は溶けて 上も下も分からない
ただ深い闇が 意識に問いを発してた
何に属し何を求める お前は誰か

僕は と声を発したが
その意識の声は 小さかった
闇が 見えない喉を締めあげる
さあ答えよ 訪問者よ
答えられねば 死あるのみ

息苦しいような 感覚が
魔女の小屋を 思い出させた
焼けつくような 渇きを感じた
こんなところで 終わりたくない
ゴミくずのように 死にたくない

そうだ!と 何かが
意識の裡から 湧き出て叫んだ
ここで 終わってなるものか
私こそが 世界一の魔女
魔王さまに お目通りを!

闇の締めつけが 和らいだ
魔王さまにお会いして 如何する
知れたこと と意識は言った
もっと力を もっと力を!
許せぬものを 滅する力を!

締めつけは 一層和らいだ
お前は 求めるものを示した
ではお前は 何に属するか
私は 魔王さまの力に属する
全てを 賭けてみせましょう!

闇は突然 消え去った
ひねこびた木が まばらに生える
不気味な庭が 月光の下広がって
お城の入り口に 続いてた
門の虚空は ゆるやかな渦を巻いていた

<つづく>

人気ブログランキング ← ええ、真っ暗闇だから、ランキングボタンは見えないんです・・・ 貴方もぽちっと入ってみませんか・・?。


※変更:2018年8月25日
門の虚空は ゆるやかな渦を巻いてた → ~巻いて

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 10

2013-10-10 21:50:26 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
はっはっはっ、まだまだどんどん続きますよ。

今日でタビィの話も、10回目を迎えました。

この分量から言って、それくらい行くのは分かっていたんですが、
10、の文字をタイトルに打った瞬間、びびりました

えーと、まだまだ序の口です・・・

今日はタビィはどうなるのでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その10

  あいつら 俺を置き捨てといて
  こんなところに 住んでいたのか
  魔力が また少し大きくなる
  ふわりくるりと 黒い毛まわって
  お城の手前で ふわんと落ちた

<つづき>

お城の周りに 変な空気
近寄っちゃいけないと ささやく声
けれど黒猫たちは この中のはず
さてどうやって 入ろうか
タビィは お城の近くに降り立った

お堀に跳ね橋 門に門番ガーゴイル
魔女の力に 意識をあわせる
答えはすぐに やってきた
タビィは 縮めたほうきを懐に入れ
門にまっすぐ 歩いていった

止まれ お前はどこの誰だ
何の用で ここに来た
さっそく門番が 問いかける
私は 東の荒野の魔道士
万霊節の儀式に 参じました

東の荒野は へんくつババアだったはず
門番は 不審そうに問い返す
へんくつババアとは 言ってくれるね
老婆の声で 言い返す
猫の魔法薬を 完成させたのさ

猫の魔法薬は 知ってるが
性別を 変えはしないだろう
タビィは 魔女の声で笑って見せる
馬鹿だね あたしがいつまでも
おんなじやり方で 作るとでも?

門番はまだ 不審そう
ふーむ どうにも信じられんが
俺は 魔法使いじゃないし
確かにその声 魔女どのだ
ではお通りあれ 門が貴女を見抜くだろう

<つづく>


人気ブログランキング ← これを押すと、「貴方は素敵な人だ」という真実が浮かびあがります。なんちゃって。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 9

2013-10-09 21:38:41 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

昨日、いよいよ展開が盛り上がってきたので、
自分で書いといて何ですが、ウキウキしてます。

皆さま、まかろんのホラーハウスでいっぱい「びっくり」していってねっ。


さ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その9

  タビィは大きく 天に叫んだ
  許せない その声が湧きかえる
  許せない許せない 何もかも
  力が漲り 張り裂ける
  タビィは 人間の男になっていた

<つづき>

床の薬は 消えていた
裡に鳴ってた声も 消えた
全く静かな 月の夜
血のざわめきだけが 甘くゆれる
タビィは 小屋の外に出た

満月の力が 血肉をひたし
タビィは 何をするかを知った
手を 小屋に差しのばし
ほうきを呼び寄せ 空に浮く
目指すは 黒猫どもの住処

タビィは 街の外れに降りた
猫の子一匹いない 空き地の上を
大きな月が 照らしてた
まずはここから 始めよう
タビィは あちこち探し始めた

程なく タビィは何かを見つけた
廃材についてた 黒い猫の毛
にんまり笑って 魔力を呼ぶ
呪文は 口からついて出た
黒い毛は 空に舞い上がった

ほうきを駆って 黒い毛を追う
ふわりふわりと 黒い毛は舞う
ついていった先に 見えてきたのは
大きく広がる 黒い木の森
そしてその真ん中の 黒い黒いお城

あいつら 俺を置き捨てといて
こんなところに 住んでいたのか
魔力が また少し大きくなる
ふわりくるりと 黒い毛まわって
お城の手前で ふわんと落ちた

<つづく>



人気ブログランキング ← そして行った先では猫たちは・・・・


※変更:2018年8月23日
小屋に手を 差しのばし → 手を 小屋に差しのばし
タビィは 街外れに降りた → ~ 街外れに~
猫の子一匹いない 空き地を → ~ 空き地の上を
そしてその真ん中の 黒いお城 → ~ 黒い黒いお城

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 8

2013-10-08 21:29:25 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、火曜日です。

いや、どーでもいい挨拶ですね。

昨日から話の展開に合わせて当ブログのテンプレートを変えてみました。
おどろおどろしいでしょ?

こういうテンプレート、となると、
いままでみたいなノンキな挨拶じゃ合わないですかね。

例えば・・・

闇の吟遊詩人、魔伽論は血の色の飲み物をすすり・・・

とかなんとか。

でもまかろん、こんな夜の時間にトマトジュースなんか飲みたくないし、
それに、
こんな中二病みたいな名前、ヤだ。


まあ、のんびり行きましょう。

さあ、今日のタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その8

  言うなり 魔女はナイフをかざした
  さあ 栄光の血をお寄こし
  タビィはいやだと 爪立てるけど
  魔女のローブに からまっただけ
  無駄にあがかず 素直におし

<つづき>

タビィは 魔女の手に噛みついた!
ぎゃあと言って 魔女は手を振る
魔女の手から 血が鍋にぽたぽた
だけど タビィも鍋に落っこちた
ぐらぐら煮える 鍋の中!

このまま煮えておしまい 猫め!
魔女が 金切り声あげる
混ぜ棒もって 突こうとしたとき
湯気がふわっと 立ちのぼり
99匹の猫の形を とった

湯気の猫たちに 包まれて
タビィは鍋の上 浮いていた
湯気の猫たちは 啼いていた
べっとり付いてたペンキは 溶けて
タビィの片手は 真白かった

その手は何なの 罰当たりめ!
魔女は 大声でわめいた
タビィは にゃーごと鳴き返した
湯気の猫たちは ぎゃーおと啼いた
鍋の薬が ざぱんと魔女に襲いかかった

魔女は みるみる溶けていった
床は一面 どろどろの緑
湯気は ゆっくり小さくなった
たぷんとぷんとする床に
タビィは そっと足つけた

とたんに流れ込む たくさんの声
溶し込まれた 猫の血の声
そして大きく響く 魔女の念
許せない 許せない 許せない
タビィの血肉が 湧きかえる

許せない! 

タビィは大きく 天に叫んだ
許せない その声が湧きかえる
許せない許せない 何もかも
力が漲り 張り裂ける
タビィは 人間の男になっていた

<つづく>


人気ブログランキング ← お風呂もリラックス作用をもたらす魔法薬?

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 7

2013-10-07 21:06:14 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、月曜ですねー。

今日はいかがでしたか。まかろんは忙しかったです。
なので、びっくりはそんなになかったなぁ・・・

あ、そうだ、昨日人に聞いた話なんですけど、
湯川秀樹さん(ノーベル賞受賞した物理学者の人ですね)は、
日常生活においても、物が素粒子だか何だかの集まりに見えてたらしいです。すごいね!

絶対音感の人が、騒音を騒音として聞くのでなく、これはドの音だ、とか
(いや、そんな単純な聞きとり方じゃないでしょうけど)
聞いてしまうのと似たような感覚かな。

物も事象も絶対ではなく、受け取る人間次第、っていうか。

世界は人の数だけ、姿がある。
できるだけ、人の見る世界の姿にも敏感であれたらいいな、と
こういう話聞くと、ふと思います。


さて、「向こうの」世界で、タビィは今日はどうなったでしょう。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その7

  お礼の言葉を 言う間もなく
  タビィは ぐっすり眠り込む
  ゆらゆら ゆらゆら・・・
  黒い闇が 優しく包む
  やっと辿りついた 僕の居場所

<つづき>

きがつくと なにかがみえていた
なにかは びっくりしてみえた
なんだかすこし いきぐるしい
手足はだらんと ねぼけてて
ギラリと光る ナイフが見えた

どうしてお前 と魔女は言った
タビィは 魔女に首をつままれて
鍋の上に ぶらさがってた
お前 全部食べたんじゃないの
なんでこんなに 早く起きる

ごぽっごぽっと あがる湯気
まあ構いやしないさ 起きてても
生きが良いって ことだもの
これだけ 生きが良い生き血なら
特別強い 薬ができるよ

高笑いしながら 魔女は言う
これであたしも 世界一さ
全ての力は あたしのもの
感謝するんだね 黒猫や
世界一の魔女の血肉となるんだ

いやだよ離してと 鳴くタビィ
魔女はまだらな顔で ますます楽しげ
なんて 生きが良いんだろうねぇ
今までのやつらは 黙って死んだ
黒猫は 魔族の言いなりだからね

満月に一匹 99月!
今宵で100月 黒猫100匹!
丹精こめた この薬!
最後が こんな猫なんて
おお魔王さま 感謝します

言うなり 魔女はナイフをかざした
さあ 栄光の血をお寄こし
いやだと タビィは爪立てたけど
魔女のローブに からまっただけ
無駄にあがかず 素直におし

<つづく>



人気ブログランキング ← 哀れ、明日でタビィも、この話もおしまい?!


※変更:2018年8月23日
タビィは 魔女に首をつままれ → ~つままれ
タビィはいやだと 爪立てるけど → いやだと タビィは爪立てたけど
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする